「eyes」「Revol」キャスターコンビと贈る『リーグ・オブ・レジェンド』の“初心者向けプレイガイド”ーこれさえ覚えて、いざサモナーズリフトへ!

『LoL』は奥深く、楽しいゲームです。チャンピオンの選び方や育て方、試合の戦略など基礎知識を解説しました。新しい知識を身につけたり、チームメイトやコミュニティで楽しんだりして、『LoL』の魅力を感じてみてください。

League of Legends インタビュー・コラム
「eyes」「Revol」キャスターコンビと贈る『リーグ・オブ・レジェンド』の“初心者向けプレイガイド”ーこれさえ覚えて、いざサモナーズリフトへ!
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『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の世界へようこそ。

2009年のリリースから世界中のプレイヤーに親しまれている『LoL』は、2024年の10月でサービス開始から15周年を迎えます。2023年には、ストリーマーによる大会なども開催されたこともあり、日本国内のアクティブユーザー数は過去最大を記録しました。

そんな盛り上がりを見せている『LoL』ですが、この記事へたどり着いた皆さんは、こう感じているかもしれません。

「難しそうだし、今からスタートしても遅いんじゃないかな……」

確かに『LoL』には奥深い戦略性があり、160体以上のチャンピオン(『LoL』のプレイアブルキャラクターの呼称)が登場するので、上達のためには覚えることが非常に多く、“難しい”ゲームです。しかし、だからと言ってあなたが今からプレイし始めるのが“遅い”ということは決してありません。

プロのプレイヤーも、数年前から始めた私も、今日から始めるあなたも、最初は「難しいなぁ」と感じるのは同じです。さらに『LoL』では、数カ月に一度の頻度で新チャンピオンがリリースされ、パッチも2週間ごとに入るので、その度に誰もが「難しいなぁ」と思っています。

それでも私たちがこのゲームに夢中なのは、その難しさを超えた先の“ワクワク感”があるからなのです。

本稿では、そんな『LoL』でワクワクするための基礎知識を、日本プロリーグ「League of Legends Japan League(LJL)」公式キャスターのeyesさん、Revolさんと共にお届け。この記事であなたをワクワクさせるサポートができれば幸いです。

・eyes(画像左)/Revol(画像右)

eyesさんは公式キャスター、Revolさんは公式解説者として「LJL」ではおなじみのコンビ。愛ゆえに、時には“喝”も出てしまうような実況を持ち味として、国内『リーグ・オブ・レジェンド』コミュニティを黎明期より支えてきた

◆いかにしてチャンピオンを“育てる”か

それでは早速ゲームをプレイしてみましょう! と言われても、160以上もチャンピオンがいるので「どのチャンピオンを使うべきか?」と考えてしまうでしょう。

チャンピオンを選ぶ理由は人それぞれで、好きなストリーマーが使っていたからでも、競技シーンで見かけたからでも、素敵なファンアートに魅了されたからでも大丈夫です。まずはあなたが『LoL』に興味を持つきっかけになったチャンピオンを使って見ることをおすすめします。

使いたいチャンピオンが決まったら、彼らの持つ「スキル」を見てみましょう。ほとんどのチャンピオンは4つのアクティブスキル4つと1つのパッシブスキル、計5種類のスキルを持っている(一部例外はあります)ので、スキルを見れば味方の前でダメージを受け止める役なのか、遠くから一撃必殺の大ダメージを狙う役なのか、彼らの“得意なこと”が見えてくるはずです。基本的なスキルと特徴を覚えたら、トレーニングモードやAI戦で性能やスキルを試してみましょう。

チャンピオン「ラックス」のアルティメットスキル(R)は、前方にビームを発射し、範囲内にダメージを与えることができます。

チャンピオンはゲームが始まると必ず「レベル1」の状態からスタートし、プレイを進めるにつれて少しずつ強くなっていきます。そしてチャンピオン選択画面で設定する「ルーン」は彼らに追加の特徴を与える“性格”のようなもので、拠点で購入できる「アイテム」はその名の通り彼らを強化する“装備品”です。もちろん「レベル」は……上がるほど強いですが、チャンピオンによって、試合でパワーを発揮できる時間帯が違います。

強いアイテムを買うためのゴールドとレベルを上げるための経験値は、マップ上を進行する敵の兵士やモンスターを倒して集めることになります。なんだかRPGみたいですよね? 実際に『LoL』の成長システムは、RPGに例えられることもあり、いかにチャンピオンを素晴らしい能力へと育て上げられるかが、勝利への鍵になってきます。

ゲームでは、各チーム5人ずつのプレイヤーが役割の異なる「ロール」を担当し、それぞれの持ち場でチャンピオンを育てながら、お互いに敵本拠地の破壊を目指して戦います。得意分野を磨き上げれば、敵に集中砲火を浴びてもビクともしないタンクになることもできますし、敵チャンピオンを一瞬でキルできるアサシンにだってなれます。ちょっとワクワクしますよね。ただし、どんなにチャンピオンを成長させ、試合で活躍できたとしても次の試合では、またレベル1からなので、英雄気分の持ち越しにはご注意ください。

『LoL』のマップには、お互いの本拠地をつなぐ道(レーン)が存在し、上から「トップ」「ミッド」「ボット」と呼ばれており、マップの暗くなっている部分は「ジャングル」といいます。

それぞれのレーン名称がロールの名前になっており、それぞれ1人でレーンを担当する「トップ」と「ミッド」、2人でボットレーン担当する「ADC(ボット)」と「サポート」。そして中立モンスターを倒しながら各レーンに介入する「ジャングル」という計5種類のロールがあります。

ロール

試合での主な役割

トップ

トップレーンを担当。ファイターやタンクといった近接攻撃を得意とするチャンピオンが多い。

ミッド

ミッドレーンを担当。アサシンやメイジといったチャンピオンが多い。

ADC(ボット)

サポートと一緒にボットレーンを担当。ADC(Attack Damage Carry)とは、物理ダメージを与える役割のこと。遠距離攻撃を武器にするチャンピオンが多い。

サポート

ADCと一緒にボットレーンを担当。名前の通り、ADCの成長をサポートするのが主な役割で、味方を守ったり、回復したりするスキルを持ったチャンピオンが多い。

ジャングル

他ロールとは違い、ジャングルに存在する中立モンスターを倒して、成長するロール。各レーンへ介入(ガンク)し、各レーンを有利にする。マップ中を動きまわるので、移動スキルを持つチャンピオンが多い。

これは、あくまで一例であり、試合の中盤以降は試合の状況によって、それぞれの役割は変化します。

自分の選んだチャンピオンが「どのロールに適しているかわからない」という場合は、ゲーム内で、各ロールごとに前のパッチで人気だったチャンピオンを知ることができますので、そちらを参考にしてみてください。

さまざまなチャンピオンを試し、あなたの魂を揺さぶる「ソウルチャンピオン」との出会いを、お楽しみに。

◆敵を制圧する「ミクロ」と、一手先を読む「マクロ」

チャンピオンを育て上げて試合に勝つためには、ゲームの流れを把握することが重要です。ただ、残念ながら『LoL』の試合に含まれるすべての要素をこの記事だけで説明するにはスペースも文章力もまったく足りませんので、プレイを繰り返しながら覚えてもらうポイントもたくさんあることはご容赦ください。

例えば、わかりやすく有利を得られるポイントといわれれば、「相手のチャンピオンを倒すこと」ですよね。ゴールドが得られるだけでなく、相手が復活するまでの時間は人数有利の大チャンス。つまり、相手に倒されてしまうと、それだけで大きなピンチに繋がります。

しかしゲームの目的はあくまで敵の拠点にある「ネクサス」を破壊すること。相手を倒す・倒されるだけではこのゲームは終わらず、マップ上の中間拠点や特殊なモンスターを奪い合い、時に持ち場を離れて奇襲を仕掛け、役割を交代し……とにかく、たくさんの緻密な戦略が繰り広げられているのです。倒すことで、チーム全員が強力なバフを得られる中立モンスター「ドラゴン」と「バロン」は、勝敗を左右する大きなポイント!必然的に戦いが起こりやすいエリアでもあります。

チャンピオンそれぞれの育ち方やランダムな要素が試合によって変化するため、完全に同じ展開のゲームは2度とありません。これがあるから何度プレイしても飽きない!……のですが、始めたばかりのころは「さっきの試合は〇〇だったのに!」と、成功体験が活かせないといったことがあるのもまた事実。

きっと原因もわからず倒される場面や、上手くやっていたつもりが負けてしまう試合もあり、理不尽に感じることもあるかもしれませんが、『LoL』の勝敗には必ず要因があります。小さな幸運の積み重ねで戦況が傾くことはあっても、勝利に至るためには明確な分岐点がどこかにあったはずなのです。

戦うタイミングなのか、チャンピオンの相性なのか、操作の巧拙なのか。チーム戦ですから自分以外のチームメイトの戦況が響いたのかもしれません。ものすごくたくさんの要因で勝敗は分岐していきますが、要素を大きく分けると、細かな操作技術の「ミクロ」と、大局的な戦術「マクロ」の2つに分けられます。

もしあなたがテクニックの練習や相手との駆け引きを楽しめるタイプなら、ミクロで勝つ爽快感は病みつきになるはずです。敵のスキルを誘っては躱し、最高効率のコンボを叩き込んで対面するプレイヤーを圧倒した時の興奮は何にも代えがたいものがあります。

相手の一歩先を行く戦略的な勝利を好むなら、マクロでチームを勝利に導きましょう。マップ全体を掌握しての的確な行動をすることは、ミクロに夢中になっている相手を翻弄する勝ち筋をもたらし、戦わずして、チームを勝利に導くことが可能です。相手がこちらの狙いに気づいたときにはすでに“詰み”なんて状況、ワクワクしませんか。

勝利の可能性を高めるためにはどちらの能力も必要になりますが、自分の好みと使用するチャンピオンによって“勝ち方を選べる”のも『LoL』の魅力のひとつ。そしてこの両方で抜きんでた腕前を持つプレイヤーたちがプロ選手となり、世界各地域で競技シーンを盛り上げているのです。

◆やればやるほど、見れば見るほど深まる世界

どうでしょうか、ここまでで『LoL』の面白さが……いえ、まだチャンピオンが多くて複雑なゲームであることしか伝わりませんよね。実は私も最初はそうでしたし、きっと他のプレイヤーの皆さんもそうだったと思います。

好きなキャラを使って。フィーリングでプレイして。勝てるときもあれば負けるときもあって。もっと上手くなろうと攻略法を調べてみるけどなんだかピンと来なくて。ですが、どこかのタイミングでふと「今、この相手を倒せるんじゃないか?」と感じる時が訪れるはずです。その予感に従って戦ってみて、本当に倒せることもあれば、返り討ちにあうかもしれません。とにかく相手の動きを予想して行動に移せば、それが正解だったかどうかがわかります。

気付けば試合のさまざまな場面でたくさんの予想ができるようになっていくはずです。

「この人はスキルを右に避けがちだな」

「敵が見当たらないから、隠れて奇襲を狙っているのかも」

「いつもより防御力の高いアイテムを装備した方が良いかな」

「今はリードしているから、自分たちが集団戦で勝てるはずだ」

そんなあなたの予測が正しかったのか否かは、試合の中で結果となって表れます。操作も戦略性も難しくて思い通りにいかないゲームだからこそ、的確なプランニングを正確な操作で実行できたときの喜びは大きいもの。予想が外れようが問題はありません。何が違っていたのか確認し、また新たな推論を立てれば良いだけです。

もちろん予測を立てるには、さまざまな情報を確認することも重要です。試合中にスコアボードを確認すれば、お互いのレベルや装備の差などが確認できますので、育っている相手にむやみに何度も挑むといったことは避けるようにしましょう。

「この位置にいたら危ない!」と感じた瞬間には安全な場所へ逃げきるまではホラーゲームのような気持ちになりますし、「自分が上手くやれば勝てそう」とわかった時には責任感と緊張で震えることだってあります。過去には対面して数秒で勝利を確信したというプロ選手もいるほど、『LoL』プレイヤーはたくさんの予想を積み重ねて試合を進めています。

もちろん最初はゲームの序盤から終盤まで常に予測し続けるのは大変ですから、わかる範囲のことだけで大丈夫。もし身近に先輩プレイヤーがいるのなら、アドバイスをもらいながら何が正解だったのかを一緒に考えてもらうのも上達への近道です。ただ、決して博識でなくとも上級者でなくとも、ルールと試合展開を理解してしまえば、あなたはすべての『LoL』の試合や要素を楽しめるようになっています。

フレンドとプレイするなら相手を挟み込んだり囮になっておびき寄せたりと、より高度な戦術にもトライしてみましょう!

競技シーンで見たプロ選手たちの珠玉の連携も、フレンドやストリーマーが繰り出したスーパープレイも、見知らぬプレイヤーのアイデアが光るクリップも、あなたの『LoL』へと取り込まれてどんどん経験豊かになっていくでしょう。

『LoL』はどの試合も必ずイーブンでスタートし、どのプレイヤーも予想の成功と失敗を繰り返しながら戦況が、少しずつ変わっていきます。あなた自身が試合の行方を決めるプレイをして、「勝てるかも」という予測を「勝った!」という確信に変えた瞬間は、きっと『LoL』で最高にワクワクしているはずです。


今回は『LoL』の基礎と魅力について紹介しましたが、ゲームに「こう遊ぶべき」という正解はありません。

すべてのロールをまんべんなくプレイしてみても、がむしゃらに一体のチャンピオンだけを練習しても構いません。わからないことへの不安がなくなったのなら、腕前の証明たるランクを上げることに全力投球しても良いですし、クイックプレイでフレンドとのコンビネーションを追求するのもよいでしょう。

戦わずにひたすら拠点破壊のみを狙う人もいれば、あえてチャンピオンの長所とは異なる“育て方”で意表を突く戦法だけを好む人もいます。どんなスタイルであっても「チームメイトと協力して勝利を目指すこと」さえ忘れなければ、それでOKです。

もちろん対戦ゲームでありチームゲームである以上、自分がどれだけ上手くやっても負けてしまうこともありますし、ボロボロにされたにも関わらずチームメイトに救われることもあります。どんな時も絶対に諦めないで、とは言えませんが、時には「やるだけやってみる」気持ちが、信じられない逆転勝利を起こすことだってあるのです。

最初は右クリックで移動するだけでも一苦労だと思いますので、操作の難しさを感じずにプレイし続けることは難しいでしょう。この記事だけで新しく始める皆さんの不安を解消できるとも思っていません。大変残念ながら、ワクワクしていたころを忘れてしまい、ゲームを投げ出してしまうなど、他人に迷惑をかけたりするプレイヤーも存在しています。

それでもせっかく興味を持ってくれたのなら、私は新しく始める皆さんと『LoL』ならではのワクワクを共有したいと思っています。チャンピオンのビジュアルやキャラクター性が気に入ったのなら、彼らにまつわるストーリーやシネマティックムービーや音楽、アニメーションなどゲーム外の楽しみも充実しています。

わからないことはどんどんフレンドやコミュニティに質問してみましょう。嬉しいことに最近はビギナー向けの解説動画も充実してきていますので、ぜひチェックしてみてください。どうしても難しくて嫌になったら無理に続けなくても大丈夫です。でも、またやりたくなったら戻ってきてくださいね。

もし経験者の方が読んでくれているのであれば、私が初心者のころに「ジンのアルティメットを撃つにはもう1回Rを押すんだよ」とチャットでアドバイスしてくれた方のように、初心者に優しい気持ちをもっていただけるとありがたいです。

新しい知識を身につけた時の「なるほど!」も、育ちに育った味方が敵をなぎ倒す姿を後ろから眺めているだけでなんだか申し訳ない気分も、自分がゲームの主人公となって活躍している時の全知全能感も、ここでしか味わえない魅力たちが、あなたを待っています。

さあ、サモナーズリフトへようこそ。

《ハル飯田》

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ハル飯田

1993年、大阪府生まれ。一旦は地元で公務員になったものの、ゲームが好きすぎて気付いたらフリーライターに。他メディアではeスポーツ選手や競技シーンの魅力を発信することに注力したり大会でキャスターを務めたりもするのだが、インサイド&ゲムスパではもっぱら好きなゲームについて語ることで安らかな気持ちになっている。

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