カナダ・バンクーバーにて6月末から開催されている『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の国際大会「MSI 2025」。
7月11日には、ロワーブラケット第3ラウンドでBilibili Gaming(BLG)とAnyone's Legend(AL)のLPL対決が行われました。粘り強いプレイを見せていたBLGでしたが、ALの強さがそれを終始上回り続けます。とくにGame 3はBLGも奮闘したものの、最終的にALが巻き返しを図り3-0のストレート勝ちを決めました。これによりALは次のロワーブラケット第4ラウンドにて、LCK代表のT1と対戦します。
本稿では、試合終了後に韓国語放送で実施されたAL Flandre選手の勝利インタビューの翻訳をお届けします(質問はインタビュアーの韓国語そのままの翻訳ですが、回答は選手の中国語をメインに韓国語通訳も参考にしつつ翻訳しました)。
◆オブジェクト前でBin選手より先にポジションをとれた
――勝利おめでとうございます。ゴンシー!(おめでとうございます)
Flandre:カムサハムニダ!(ありがとうございます)
――今日はLPL対決でしたが、3-0で完勝し次のラウンドへ進出を果たしました。お気持ちはいかがですか。
Flandre:今日3-0で勝って次のラウンドに進むことができてすごく嬉しかったです。だけど僕らはスケジュールが詰まっていて明日もう早速試合があるので、今だけ喜びを味わってから帰ってすぐに次のT1戦に向けて準備しなければならないと思います。
――BLGとの直接対決の戦績についてお伺いします。今年のLPLプレイオフ、決勝戦、そして今日を含めた3度のBo5においてすべて勝利を収めていますが、ALはBLG相手にどういった部分で強さを備えていると思いますか。
Flandre:僕らがBLGより強かったところは、オブジェクトについて色々と考えた点だと思います。例えばドラゴンやヘラルドをとりに行くときにどうすれば良いか、どうすれば損失を最小限にとどめられるかといった有効な処理方法を、僕らのほうがより敏感に捉えていたような気がします。だけど、BLGはGame 1での対処はすごく良かったと思うんです。サイドレーンでこちらのウェーブがずっと押さえられていて、僕らはミニオンをかなりとりこぼしてしまいました。確実にミニオンはとれなかったですし、BLGは僕らがレーンコントロールできないように対策をしっかり考えていたのかもしれません。それでスケールの差が大きくてプレッシャーを強く感じたんですが、幸い僕らは耐えきることができました。
――そして今日はバンピックでも、相手チームが予想しづらい戦略を何度も見せてきましたよね。例えばGame 2ではブルーサイドのファーストピックでレルが登場し、Game 3ではフィオラが登場しました。それについて、ALの選手やコーチ陣はどんな話していたのか気になっているので聞かせていただけますか。
Flandre:Game1から今日は相手がすごく準備してきたんだなという感じを受けました。Game 1ではBLGが僕らの考えとまったく違っていたんです。彼らはOPチャンピオンをすべて使う戦略をとってきました。だけどGame 1を耐えきってから、残りのゲームはきちんと調整することができたと思います。フィオラがピックされたとき、「さすがBin選手らしいスタイルだな」と思いました。でもレーン戦は僕は守備的にプレイして、レーンスワップがうまくできたらフィオラというチャンピオンには比較的大きなプレッシャーがかかると考えたんです。
――Bin選手について触れていましたが、今日の3ゲームにおいて、Top対決でご自身が最も良かったと思う点があるとしたらどんな点でしょうか。
Flandre:Bin選手が今日すごかった点について先に話させてください。Bin選手のレーン戦は、いつでも完璧なお手本のようだと感じます。自分が少しでも有利なときに、相手のジャングラーの位置がわからないとプレッシャーをすごく感じるんです。自分のレーンがリバーを超えたらいつでも彼に狙われるんじゃないかと考えてしまうので、彼はジャングラーがミニマップから姿を消すことを利用していると思います。プレッシャーをかけるのがとくにうまくて、その点は彼から学ぶべきかもしれません。今日自分が比較的うまくやれた部分は、オブジェクト前でBin選手より先にポジションをとれていたように思います。
――そしてもう明日の試合でT1とFinalsのひと枠をかけて戦いを繰り広げることになりますが、今回のMSIで面白いインタビューをひとつ拝見しました。「僕もFaker選手のファンですしShanks選手もFaker選手の大ファンなので、ユニフォームを交換するにあたってめちゃくちゃ揉めそうだ」とおっしゃっていましたが、どちらが勝ってユニフォーム交換に成功したのかお伺いしてもよろしいでしょうか。
Flandre:最初は僕もShanks選手もどっちもFaker選手とユニフォームを交換したかったんですけど、Shanks選手のとてつもない情熱に負けて僕が譲ることにしました。最終的にShanks選手がFaker選手のところへ行きましたが、僕も隣で一緒に写真を撮ったのでめちゃくちゃ嬉しかったです。
――寛大な心で譲ってあげたというわけですね。では最後にT1戦を控えていますが、最近とてつもない実力を備えているDoran選手とのTop対決について意気込みをひとこと聞いて、インタビューを締めくくりたいと思います。
Flandre:一旦帰ってから、まずT1の直近の試合をすべて見ないといけないと思います。それが一番最初にやらなければならないことです。今回僕らは時間があまりないので、T1が特別な戦略を持っているかどうか考えなければならないと思います。それにT1には、彼らしか使わないような特殊なチャンピオンがあるんです。例えば前回の試合ではドレイヴン・パイクというアーリー構成を出してきたので、そういうこともしっかり考慮しなければならないと思います。とりあえずDoran選手とのレーン戦については特別に考えていることはなく、チーム全体的なことについて色々と考えています。