なぜ「Uzi」は『LoL』殿堂入りを果たしたのか…神童と呼ばれ、王座に嫌われ、それでも英雄であり続けた男の物語【Hall of Legends特集】

史上2人目の「Hall of Legends」に輝いた伝説的プレイヤー「Uzi」。彼の功績や”凄さ”とは何だったのか。本特集でその軌跡を深掘りします。

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なぜ「Uzi」は『LoL』殿堂入りを果たしたのか…神童と呼ばれ、王座に嫌われ、それでも英雄であり続けた男の物語【Hall of Legends特集】
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Riot Gamesは5月20日、史上2人目となる「Hall of Legends」殿堂入り選手に「Uzi」選手が選出されたことを発表しました。LoL Esportsでは毎年、eスポーツやゲームに大きく貢献した一人のプロ選手の偉業を称えて、Hall of Legendsの殿堂に迎え入れており、昨年の初代殿堂入り選手にはFaker選手が選ばれています。


今回はそんなFaker選手に続いて2人目の殿堂入り選手となった中国の英雄「Uzi選手」の偉業を振り返ります。

◆彗星の如く現れた16歳の神童、いきなりWorlds決勝へ

Uzi選手の伝説は、中国プロリーグ(LPL)が設立された2013年に幕を開けます。当時わずか16歳でRoyal Club(RYL)からデビューした彼は、圧巻のパフォーマンスでチームを牽引。いきなり国内リーグで好成績を収め、世界最高の舞台「Worlds 2013」へ第一シードとして駒を進めます。

Worlds 2013でもその勢いは止まらず、RYLは準々決勝Oh My God(OMG)戦、準決勝Fnatic(FNC)戦を順調に勝ち進み、決勝の舞台へ。Uziはデビュー1年目にして、世界の頂点まであと一歩に迫ります。

決勝で待っていたのは、奇しくも同じ年にデビューした「Faker」選手率いるSKT T1(SKT)。未来の『LoL』シーンを象徴する二人の天才が激突した一戦は、3-0でSKTに軍配が上がりました。

◆2年連続の準優勝、王座への渇望、そして掴んだ栄光

翌2014年、チームがStar Horn Royal Club(SHR)へと名を変えても、Uziの快進撃は続きます。前年からメンバーが自身以外総入れ替えとなったチームを、再びWorlds決勝の舞台へと導いたのです。

韓国のSamsung White(SSW)に敗れ結果はまたしても準優勝に終わりましたが、Uzi選手は当時、唯一の「2年連続でWorlds決勝に進出」と「2年連続でWorlds準優勝」という前人未到の記録を打ち立てました。

決勝戦で敗れ、悔しさを隠しきれないUzi選手

しかし、世界の頂点にはあと一歩届かない。移籍した2015年はキャリア初のWorlds不出場を経験。その後、Royal Never Give Up(RNG)として挑んだ2016年、2017年のWorldsでは、常に”魔王”Faker率いるSKTが立ちはだかり、辛酸を嘗め続ける日々が続きました。

誰もが「無冠の帝王」で終わるのかと思った矢先の2018年、ついにその時は訪れます。MSIの決勝でKingzone DragonX(KZ)を3-1で下し、ついに悲願の国際タイトルを獲得。長年の苦闘が報われた瞬間でした。

キャリアの晩年は怪我や健康問題に苦しみ、引退と復帰を繰り返しましたが、彼のプレイが色褪せることはありませんでした。

◆人々を魅了する“ハイパーキャリー”

Uzi選手が今なお「史上最高のADC」と称される所以は、その圧倒的な「キャリー能力」にあります。彼がADCを務めるチームは、「Uziさえ守り、育てれば勝てる」という絶対的な信頼のもと「子犬を育てる」という作戦名のプロテクトADC作戦を貫くほどでした。「子犬」とはUzi選手のニックネームで、彼を守りさえすれば勝てる。そんなキャリー力を持ったADCだったのです。2018年にRNGがMSIを制した際もプロテクトADC構成が多く採用されていました。

彼のキャリー力はスタッツにも表れており、2014年と2017年のWorldsでは最も多くのキルを獲得した選手でした。また、Uzi選手は引退時、プロの試合で全世界で最も多くのキルを獲得した選手でもありました。

彼の代名詞といえばヴェイン。2013年のWorldsで見せた神がかり的なアウトプレイは、今なお伝説として語り継がれています。2018年のWorldsテーマソング「RISE」のMVでは、Uziをモデルとしたキャラクターがヴェインを操り躍動する姿が描かれました。

また、高いミクロから生まれるスキルドッジも魅力のひとつで、2018年のMSI決勝で見せたエズリアルでのプレイでは、あえて前衛に近いようなポジションを取り、自身を囮にしながら相手の陣形を乱すアウトプレイを披露するなど、その高いメカニクスで多くの人を魅了しました。

2018年のMSI決勝で見せたUzi選手のスキルドッジ

◆Uziが築き上げた“ADCキングダム”

LoLの競技シーンでは、地域ごとに特定のレーンのレベルが高いと言われることがあります。たとえば、世界最高峰のリーグであるLCKでは、Faker選手やChovy選手をはじめとするMIDレーンのレベルが世界最高と言われており、これはFaker選手の影響が大きいとされています。

同様に、LPLはADCのレベルが非常に高いリージョンであり、これはUzi選手が残したレガシーとされ、「Uzi選手によってLPL全体のADCのレベルが引き上げられた」とも言われています。現在LPLで活躍するJackeyLove選手やElk選手、GALA選手など、世界有数のADCが生まれる礎を築いたのです。

Uziは、LPLを世界有数の「ADC大国」へと変貌させた、まさに生ける伝説なのです。

数々の記録、記憶に残るスーパープレイ、そしてシーン全体に与えた計り知れない影響。Uziの殿堂入りは、彼の偉大なレガシーの結果と言えるでしょう。



《えごいすと》

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1995年生まれの日韓ハーフだが、生まれも育ちも東京都。前職はプロ野球関係の仕事をしていたものの、LoLとLCKが好きすぎるあまり退職。LCKとLoL Esportsの面白さをもっと多くの人に広めるため、動画投稿などを中心に多角的に活動中。好きなものは少女時代と韓国ドラマ。推しはイム・ユナ。

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