【独占インタビュー】PRX・alecksコーチに“ロスターを変更しなかった理由”を訊く—パフォーマンス心理学者の役割や、メンバーが離れる時期を設けたなどチームの裏側に迫る【VALORANT Radiant Asia Invitational】

PRXを支えるalecksコーチに“ロスター変更をしなかった理由”や、パフォーマンス心理学者の役割、翌年の目標などチームの裏側に迫ります。

VALORANT インタビュー・コラム
【独占インタビュー】PRX・alecksコーチに“ロスターを変更しなかった理由”を訊く—パフォーマンス心理学者の役割や、メンバーが離れる時期を設けたなどチームの裏側に迫る【VALORANT Radiant Asia Invitational】
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日本のファンに向けたメッセージもいただきました

2024年11月21日から12月1日にかけてOFF//SEASONイベント「VALORANT Radiant Asia Invitational」が中国・成都で開催中。11月25日(月)の試合をもってプレイオフに進出する4チーム(DFM・DRX・TE・PRX)が決定しました。

本稿では、辛くもRRQを制してプレイオフへ進出するPRX(Paper Rex)から、チームを支えるalecksコーチに実施したインタビューの模様をお届け。試合の内容だけでなく、Pacificでは珍しくロスター変更を行わなかったチームとしてのアドバンテージや、半年前に加入したパフォーマンス心理学者の役割、今後チームに必要なものなどについて伺いました。

◆RRQのプレイスタイルはとても計算されている

——本日の試合はいかがでしたか?

alecks:超激しくて超ワクワクする試合でしたね。Rex Regum Qeon(RRQ)が僕らを上回る場面もあって、少し緊張しました。RRQはとても良い攻撃で、その場で対策を強いられました。なんとか勝てましたね(笑)

——RRQはどんな強さを持ったチームだと感じましたか?

alecks:彼らはとても計算されたプレイスタイルを持っています。フェイクをすることが多く、『VALORANT』がとても上手いんです。今の『VALORANT』はこのようなローテーションを仕向けるような方向性にあると考えているので、戦い方をもっと学んでいかなければなりません。また、とてもいい選手もいます。今年加入したKushも良い選手だし、以前コーチしていたこともあるmonyetも素晴らしい選手だと思います。

——勝利の直後、真っ先にsomething選手に話しかけにいっているように見えました。彼にどんな言葉をかけたのでしょう。

alecks:まずは「彼を誇りに思っている」ということでした。精神的にタフな試合でしたからね。あとは、試合中にJingggと言い合っていたことがあったため、試合後に話し合えるようにしようと伝えました。

——3rdマップ:スプリットでは押され気味な状況から逆転していました。どのように巻き返したのでしょうか。

alecks:タイムアウト後、もう戦術だけでは決着がつかないと確信していました。ここからはミスが許されないし、自信を持ってエリア取りをしなければならない状況で、メンタル的な強さが必要だったんです。戦いから逃げてはいけませんでした。

戦いから逃げないことに集中したことで、結果的に上手く行きました。ただ、序盤から強気な姿勢を保ちたいですし、タイムアウトを取らなくても、このようなチームへの対策に早く気付けるようになりたいですね。そうすればギリギリな内容にならなかったと思います。

——次戦はDRXです。なにか印象はありますか?

alecks:新しいDRXは既にとても良いと思います。何よりとても若いです。BuZzやMaKoもそうですが、DRXは才能を見極める能力に長けていますね。時間を重ねれば、韓国で最高のチームになると思います。

◆パフォーマンス心理学者がチームにもたらすもの

——半年ほど前にパフォーマンス心理学者のListiyani Siegitさんがチームに加入したと聞きました。彼女はどのような形でチームに関わっているのでしょうか?また、彼女がチームにどんな変化をもたらしていると感じていますか?

alecks:彼女は心理学の修士号を持っていて、2週間に1回ほど、選手たちと個人面談をしています。彼らが感じたことや改善する方法、人間として成長する方法、成長マインドを育てる術などを話し合える機会を作っています。

彼女は僕のサポートもしてくれています。僕が戦術について話したり、チームに励ましの言葉をかけたりした後、彼女はどのように試合に臨むべきか、どのようにコミュニケーションを取るべきか話すんです。僕らの得意なこと、不得意なこと、そしてチームが自信を持てるように、ポジティブなマインドセットを心がけるように導いてくれています。


◆ハングリー精神を失うことはプレイヤーとしての“死”

——alecksコーチとPRXは2026年まで契約が延長されました。今後トロフィーを掲げるために必要なことはなんだと思いますか?

alecks:毎年少しずつ学んでいくのと同時に、難しくもなっていきます。今日戦ったRRQも同じで、今とてもいいチームだし、リーグ戦でもいい結果を残してくれると思います。

僕らは毎年、それぞれ成長していかなければなりません。今でも非常に高いレベルにありますが、さらに上を目指すべきです。つまり「ハングリー精神」を持つべきです。この精神がなくなってしまうことは、プレイヤーとしての「死」を意味するでしょう。

——優勝を掴むためのポイントはどこにあると考えていますか?

alecks:大会の終盤で、少し不安定なところがあります。思い通りにいくこと、いかないこと、そして少しの運もあって昨年は決勝に進出することができました。そこで勝利を掴めなかった理由は「スタミナ」で、BO5には体力が求められます。いつも最終マップは悪い状態でした。2025年はもっとしっかり準備して臨みます。

——2025年をどんな年にしたいと考えていますか?

alecks:全てに勝ちたいと思っていますよ(笑)

見ている人のなかには「僕たちは遊びでプレイしている」と言う人もいます。 ですが、チームはとても意欲的で、このような大会まで来て戦っています。僕らは競技が大好きで、「勝ちたい」と思っているからプレイしているんです。よく僕らはプレイしていて楽しいとかなんとか言っていますが、自分たちにプレッシャーをかけないようにしているだけで、本当は勝ちたいんです。当然トロフィーを手にしたいんです。

◆ロスター変更をしなかったワケ、そのアドバンテージ

——PRXはPacificで数少ないロスターをキープしたまま2025年に挑むチームです。なぜロスターを維持することになったんでしょうか。

alecks:僕の意見として、ロスター変更はハングリー精神が失われた時にすべきです。あるいは、とても優秀なプレイヤーを見つけたときですね。例えばPrimmieのような選手が市場にいたら「この優秀なプレイヤーを入れてみよう」と相談します。

毎シーズンロスターを変えるのはいいことだと思います。けれどPRXは長い間、自分のチームでもあるんです。もちろん毎年、才能あるプレイヤーを探しています。somethingを迎えたときもそうです。さまざまな事情で実現はしませんでしたが、今年も検討はしていました。

——そのほかのチームと比べてどのようなアドバンテージがあると思いますか?

alecks:2024年は僕らにとってタフな年でした。思うようにいかず、互いに少し腹を立てていたこともあったんです。なので傷を癒やすために離れる時期を設けました。今ではよりハッピーな状態になっていると思います。

ロスターを維持することの利点は、やるべきことが少ないこと、次のシーズンにすべてのマップをゼロから練習し直す必要がないことです。もしマップローテーションがはやまっても、PRXは既に全マップをプレイしたことがあるので、最も準備が整っているということになりますよね。

一方で、ロスターを変更することは、チームがハングリーで、新メンバーならではの勢いがあるでしょう。新人が入れば、みんな自信に満ち溢れ、懸命に頑張りたくなります。けどそれを長く在籍している選手と一緒にやるのは難しいこともあります。お互いの癖に慣れてしまうことや、めんどくさくなったりもする中、僕が指摘しなければいけない場面もあるでしょうし、僕がめんどくさがる時もあります(笑)

——では最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

alecks:日本のみなさんはいつも僕らのことを気にかけてくれて、日本チームと同じように、僕らを応援してくれるのがとても嬉しいです。日本のみなさんの前でプレイできるのは、いつも光栄なことです。

韓国でZETAと対戦した時、会場全体が日本のファンで埋め尽くされていて、ZETAへの声援と同じぐらいの声援をくれたことをよく覚えています。僕らには日本からのsomethingもいます。彼のことを日本コミュニティの一員として見て、愛してくれていることが伝わってきます。

僕は日本のみんなを愛しています。これからも応援よろしくお願いします。アジアに誇りを持てるようにベストを尽くします、そして日本のみなさんにもね。

——ありがとうございました!


「VALORANT Radiant Asia Invitational」は2日間のダークデイを挟んで11月28日(木)からプレイオフに突入。PRXの次戦は同時の第二試合、対DRXです。DFMは同日の第一試合にてTEと対戦します。

<インタビュー・文:岡野朔太郎/翻訳協力:eiko>

《岡野 朔太郎》

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「最高の妥協点で会おう」 岡野 朔太郎

東京在住ゲームメディアライター。プレイレポート・レビュー・コラム・イベント取材・インタビューなどを中心に、コンソールゲーム・PCゲーム・eスポーツについて書きます。好きなモノは『MGS2』と『BF3』と「Official髭男dism」。嫌いなものは湿気とマッチングアプリ。

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