2025年4月26日、『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』のアジア太平洋地域リーグ「LCP」のMid Season Day3が行われ、日本チーム「Fukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)」はベトナム地域の「GAM Esports(GAM)」と対戦しました。
Day2の試合で見えた課題を引きずった状態だったSHG。Game1、Game2ともに序盤のヴォイドグラブ前での連携がうまくいかず、GAMにリードを渡してしまう展開に。反撃の契機となりそうなキャッチアップもありましたが、流れを掴むことができずストレート負けという結果になってしまいました。

今回は試合後にSHGのADC、Marble選手へインタビューを敢行。試合を振り返りつつ、現在のチーム状況について語っていただきました。
◆大枠の部分で上手くいっていない。厳しい現状を語る
――本日はお疲れ様でした。早速ですが、試合でのご自身のプレイを振り返っていただけますか。
Marble:レーニングではすごく満足したパフォーマンスが出せたんですが、個人的には2試合目のピックはもうちょっとアグレッシブにプレイできるチャンピオンを選んでおけばよかったなと思います。
――ピックされたのはジンでしたね。チーム全体の判断としてあの形になったのでしょうか。
Marble:それもありますし、やっぱり構成的にメインとして運用していくのがグウェン、セジュアニ、ヨネのTOP~MIDラインにいる強力なディーラーなので。
――全体でオールインしていくよりかは、と。
Marble:そうですね。ディールは3人に任せて、僕とサポートはCCで合わせて補助するような運用を選びました。
――さきほどレーニングでは満足されているというお話もありましたが、やはり課題はオブジェクト前の判断などでしょうか。
Marble:やっぱり一番最初のヴォイドグラブファイトでうまくいってないというのがあり、そこから徐々にというか……悪い流れを引きずったままになった試合が多いかなと感じています。
そこをちゃんとチーム内で修正していかないと、今後は厳しいんじゃないかなと。課題のひとつとして考えていますね。
――どちらのゲームもそこから崩れてしまったような印象はあります。Game2ではMarble選手自身もフラッシュの判断が遅れて捕まってしまうような場面もありましたが……。
Marble:あそこはコールがごちゃついていたというか、チーム全体で何がしたいのかを共有できていなかった部分がありました。そういう部分は今後、というか今日この後しっかり話し合って修正していきます。

――Game1でも、3体目のドラゴン前でかなりポジションに迷っていたような印象を受けました。
Marble:そういった集団戦でのポジションニングとか、役割というか、そういうのを果たすためのコミュニケーションを取るのが難しくて。やっぱりそこはうまくいっていない部分なんだと思いますね。あとは、そうですね……個人的にはTOPからSUPまで、それぞれが持つ役割があると思っているのですが、現状はその役割自体を上手くこなせていないように感じているんです。そこもチーム全体で修正するべき部分かなと。
――かなり前段階というか、根本的な問題を感じていると。
Marble:正直コミュニケーションがなくても、ある程度自分の役割が理解できていれば致命的なズレは起こらないと思うんですね。細かいズレとかはコールで修正できると思うんですけど、そもそもそれ以前にある大枠の部分がうまくいっていないような感触があって。そこは来週までに絶対修正していかないといけないなと思っています。
――なるほど……かなり厳しい状況にあるというのは理解できました。そんな中でもGame1ではLv6先行を活かし、キルまで繋げる場面もありましたよね。
Marble:自分自身としてもレーニングはすごく重視していて、自信もありました。それがうまく作用した結果だと思います。これからの試合でもそういった部分は見せていけたらなと考えています。

――ありがとうございます。期待しております。
◆会場から溢れる声援に応えられるように
――新しい会場はどうでしょうか? 試合前には熱い応援もありましたが。
Marble:入場の際に観客の姿が見えたり、声援だったりを直に感じられてすごくいい場所ですね。春に比べても大きな違いを感じていて、いち競技者としてもこういう場所でプレーすることができてすごくうれしいです。
――試合中の声援なんかも聞こえてきたり?
Marble:試合中はホワイトノイズが流れるヘッドホンをつけているんですけど、それを貫通するぐらいの声援が聞こえてきます。そういう声に応えないといけないなと思いますね。
――ありがとうございます。試合前の1vs1は惜しくも負けてしまったものの、その後も和やかに談笑されてましたよね。ああいう場面ではどういう話をしているのでしょうか。

Marble:ほかの選手と雑談したりとか、緊張をほぐすような感じですかね。こういうとよくないかもかれませんが、例え勝っても負けても大きく影響のある部分ではないので、チーム全体として気楽にやっています。
――なるほど。必要以上に気負われているわけではないのが知れて安心しました。
Marble:気負うほど重要な部分ではないとも思っていますし、負担をかけるのもプレイヤーによくないですから。
――ありがとうございます。最後に読者の方々へメッセージをお願いいたします。
Marble:2週連続のストレート負けで、ふがいない気持ちです。本当に申し訳ありません。
来週あるDFMとの試合はすごく大事な一戦になります。それに向けてみんなでまた1週間詰め直していきますので、応援よろしくお願いいたします。
――ありがとうございました。
かなり厳しい立ち上がりになってしまったSHG。Marble選手としては、チーム全体のコミュニケーション以前にあるもっと大枠の部分に問題を感じているようで、聞いている身としてもなかなか難しい状況に立たされているのを感じます。しかし受け答えをするMarble選手の姿は沈み込んでいるようには見えず、SHGにとっての今後の期待を感じさせてくれるものになっていました。
4月19日に開幕した「LCP Mid Season」は全8チームによるBO3のシングルラウンドロビンで5月25日までレギュラーシーズンが実施され、上位6チームがノックアウト形式のQualifier Roundへと進出。LCP上位2チームは国際大会「MSI」への出場権を獲得します。
SHGの次戦は5月3日(土)の18時30分より、日本チームである「DetonatioN FocusMe」との対戦が予定されています。