2025年7月26日、『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』のアジア太平洋地域リーグ「LCP」の第3Split「Season Finals」が開幕し、「DetonatioN FocusMe(DFM)」が、ベトナム地域の「MGN Viking Esports(MVKE)」と対戦しました。
新JGのCitrus選手&Pazヘッドコーチの新体制で初陣となったDFM。Game1序盤からキルを重ねてドラゴンも獲得しますが、MVKEもローテーションによるタワーシージで対抗し、五分五分のまま迎えたエルダーファイトを制したMVKEが勝利。続くGame2ではドラゴンファイトを機に一気のスノーボールを許して敗北となり、0-2でBo3敗戦となりました。
試合後、DFMのTOPを務めるRayFarky選手にインタビュー。試合の振り返りと、試合を勝ち切るための課題について聞きました。
◆課題は「本番ならではのシチュエーション」での経験とコミュニケーション
――試合を終えた感想をお願いします。
RayFarky:0-2で終わってしまいましたが、特にGame1はスクリムでも認識していた自分たちの課題が顕著に出た内容だったと思うので、チームと話し合って修正していかなければいけないと思います。
――Game1は長くイーブン状態でゲームが進行し、ドラゴンソウルは獲得できたものの、エルダードラゴンを巡るファイトで遅れを取り、押し切られてしまいました。課題というのは、やはり中盤から終盤にかけてでしょうか。
RayFarky:その通りですね。スクリムを経て序盤は上手くやれるようになってきているんですが、中盤以降、特に本番の試合で起こる“エルダーファイトまで接戦で進むような展開”はスクリムだと「5試合やって1回あるか」くらいで、そうしたシチュエーションでの練習が足りていないと感じますね。終盤にかけてのマクロや細かいコミュニケーションは課題です。
――見ている限りでは集団戦も上手くトレードが出来ていたシーンも多かったと感じました。新加入のCitrus選手についても、連携は問題ないのではないでしょうか。
RayFarky:Citrusは言語が100%ではないですがちゃんと理解していて、フィジカルもあるので集団戦が始まってからの動きは心配していません。ただ、集団戦が始まるまでのコミュニケーションはまだ改善の余地がありますね。
Game1では自分がオーンでしたが、相手のキャッチしたい対象であるシヴィアがスペルシールドを持っているので、自分だけが入ってもいなされてしまうんです。そういう場合には自分が正面からイニシエートしてサイドポジションからウーコンが入って捕まえられれば、ウーコンとオーンが強い組み合わせになります。そこが中々話し合えていなかったり、準備が遅れて相手に先にポジションを取られてしまったり、セットアップの面での課題を感じました。

――もっと自分たちのやりたい形に持ち込めるという点は伸びしろですね。
RayFarky:そこがスムーズになれば集団戦のミクロだけに全員集中できますし、もっと良い結果が出せると思います。
――Game2ではTOPにかなりBANを割くドラフトにもなりました。RayFarky選手の目線からは、現在のTOPメタはMid Seasonからどう変化していると考えていますか?
RayFarky:ざっくりですが、大きな変化はないですね。チャンピオンのナーフがあって新しいピック候補が数体出てきていますが、Tier1と言えるチャンピオンの顔ぶれは変わらないです。
――チーム全体についての質問ですが、Mid Seasonでは「目標を決めて動く」ことを重視しているという話もありました。現在の感触はいかがですか。
RayFarky:JGが変わったこともあって、今も「目標をセットする」ことはかなり意識していますし、多くのコミュニケーションができています。ただ、急に動く場合にコミュニケーションが抜けてポジションミスがあったり、セットした目標を具体的にどう取るかまで詰め切れてはいなかったりと、全体の意思の統一はもっと磨いていく余地があると思います。

――本日対戦したMVKEはかなりテンポの速いローテーションとアグレッシブさが特徴のチームですが、3Split目に入り、適応できてきたのではないでしょうか。
RayFarky:さすがに前2シーズンと比べれば「こういうチームだ」という大まかな分析はできていますが、試合で100%対応できているかと言えば、付き合わなくて良い動きに付き合ってしまうシーンも多々あったと思います。慣れてきてはいるものの、まだまだかなと。
――ありがとうございます。ちなみに今の日本は相当暑いのですが、台湾も真夏に入ってきて、コンディション的には大丈夫でしょうか。
RayFarky:暑いことは暑いですけど、体調を崩すほどではないかなと思うので、大丈夫です!
※7月の台北市の最高気温は30℃前後
――1月から始まった長いシーズンの戦いが続いていますが、モチベーションアップの方法や、最近刺激を受けた出来事はありますか。
RayFarky:もちろん大きなモチベーションは「LCPを勝ち抜きたい」というところにありますが、MSIやEsports World CupでGen.Gがもの凄い強さを見せてくれて「こんな動きが出来たらもっと『LoL』楽しいんだろうな」と思って、刺激になりましたね。
あとは、k4senさんが開いている「League The k4sen(LTK)」も見ています。勝利したチームは本当に嬉しそうですし、負けたチームも心から悔しそうにしている姿を見て、感化と言いますか……「自分たちも勝って喜んでいる所をファンの皆さんに見せたいな」と、モチベーションにつながっています。
――ちなみに、LTK推しチームがあれば教えてください。
RayFarky:そうですね……見ていて特に面白いと思ったのが「ST」と「DC」なので、強いて言えばその2チームですかね(笑)
――最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
RayFarky:1周目、勝てそうな試合を落とすゲームとスノーボールを許してしまう展開で落としてしまいました。ただ、Citrusも新加入で連携面を含めて伸びしろばかりなので、引き続き応援していただけると嬉しいです。次は頑張ります。
Season Finalsでは、出場8チームがMid Seasonの戦績に基づいて「コンテンダーグループ」と「ブレークアウトグループ」へとグループ分け。フェーズ1では各グループ内でBo3のシングルラウンドロビン形式で対戦し、フェーズ2では「コンテンダー」下位2チームと、「ブレークアウト」の上位2チームによる入れ替え戦が行われます。

コンテンダーグループの全チームとブレークアウトグループで2勝を挙げたチームがプレイオフに進出。プレイオフでは変則ダブルエリミネーション形式のトーナメントが行われ、上位3チームが年間最大の国際大会「Worlds 2025」への出場権を獲得します。
DFMの次戦は来週8月2日(土)、18時30分から「The Chiefs Esports Club(CHF)」と対戦予定です。