今年から新しく開催された『リーグ・オブ・レジェンド』の国際大会「First Stand」。
参加チームは各メジャーリージョンから1チームのみで、2025年3月10日に開幕し一週間で幕を下ろすという非常にコンパクトな大会となっています。注目されている点は「フィアレスドラフト」が採用されていること。前の試合でピックしたチャンピオンが使えなくなるという厳しいルールですが、観戦するうえでは様々なチャンピオンが見られるという面白さがあります。
筆者は15日のセミファイナルと16日のファイナルを現地取材してきました。配信で試合を見ているだけではわからない、熱気にあふれた会場レポートをお届けしたいと思います。
◆アクセス良好!LoLファンにはおなじみの「LoL Park」

今回の会場は、LoLファンにはもはやおなじみとも言える「LoL Park」。普段は韓国リーグ「LCK」が開催されている場所です。ソウルの地下鉄・鐘閣(チョンガク)駅の目の前にあり立地は抜群。ちなみに韓国に到着した日に駅を通ったらファンが出しているHanwha Life Esports(HLE)の広告を見つけ、早くもテンションは爆上がりです。
「LoL Park」はGRAN SEOULという商業ビルの3階に位置し、フロアには試合会場のほかにLCKメニューなどがあるカフェ、韓国式ネットカフェのPCバン、そしてグッズ類が販売されている「Riot Store」が併設されています。今回は「First Stand」オリジナルグッズも販売されていました。
フロアのところどころにLoL関連のオブジェが置かれていたりして、好きな人にはたまらない作りになっています。常時置かれているものもありますが、この日は初めてユーミを発見!また、 LCK関連の展示物も常設されており、こちらも飾られているユニフォームは以前のものからちゃんとリニューアルされていました。いつ行っても新しい発見があるのは嬉しいものです。


◆チケットがなくても試合が楽しめる無料エリア
「First Stand」だけの催しも色々とありました。まずはスポンサー企業による抽選イベント。SNSの該当投稿にいいねを押すと抽選権がもらえます。ちなみに1等はゲーミングマウスでした。
さらにフォトゾーンも設置されていました。自分の推しチームの応援グッズを持って写真を撮ることができ、すぐにオリジナルの台紙に印刷された写真が出てきます。しかも韓国の携帯電話の番号があれば、データも受け取れる仕様。今回フォトゾーンの写真を撮り忘れたので、懺悔の気持ちも込めて筆者が撮ったものをお見せしておきます。
そして、韓国のeスポーツには欠かせない応援ボードエリアももちろん設置されています。ちょうどカフェの横にペンと用紙が置かれているので、カフェで書いている人が多かったようです。



今回一番すごかったのが、チケットがないファンのために試合会場のすぐ外のロビーでパブリックビューイングが行なわれていたこと。とくにファイナルの日はKarmine Corp(KC)のファンが大勢訪れ、盛り上がりを見せていました。試合を見ていたKCファンの方に軽くお話を伺ったところ、その方はフランス人で長期休暇中に韓国に4か月滞在していて、たまたま訪れることができたのだそう。てっきり韓国在住の外国人の方が多いのかと思ったら、その方によると熱狂的なファンがヨーロッパから訪れているパターンが多いのだとか。
HLEをはじめ韓国チームは比較的女性ファンが多いのに対しKCのファンは男性が多いため、会場はまるでK-POPの応援とサッカーの応援がごちゃまぜになったような雰囲気と言ったらわかっていただけるでしょうか。とにかくKCの応援の様子は、韓国ではあまり見られない光景で新鮮でした。

◆臨場感満載!どこからでも見やすく快適な試合会場
会場はすり鉢状になっており、真ん中の一番低い場所に競技席があります。観客席から見下ろす形なのでどこからでも見やすいのが特徴です。巨大スクリーンが2面にあり、下の外側には選手の顔、内側にはチャンピオンが映し出されています。
両側にファンが分かれて座るのも、韓国eスポーツの昔からの特徴。ファンは応援しているチームの後ろに座るのが暗黙の了解となっています。そして試合開始直前にスタッフさんの誘導のもと一斉に「○○(チーム名)、ファイティン!」と叫ぶのです。こういう一体感のある応援が、ファンの楽しみを倍増させています。さらに観客席と選手席が近く、試合前など選手がファンの応援に反応してくれることも結構あったりするので、応援にも一層力が入るようです。


◆合同インタビューが行なわれたプレスルームの様子
プレスルームは電源と椅子が完備されており、モニターも多くどこからでも快適に試合を見ることができます。今回も、本当にさまざまな国や地域からメディアが訪れており、筆者も近くに座ったメディアの人たちと交流を深めることができました。
試合終了後にプレスルームで行なわれるインタビューは今までは非公開だったのですが今大会からは放送されるようになっており、プレスルームに見たこともないような大きな放送機材がたくさん置いてあって驚きました。
試合が終わると、まずは敗北チームの選手たちがプレスルームにやってきて合同インタビューを実施。その後、勝利チームの選手たちと入れ替わりで合同インタビューが行なわれます。英語の質問、中国語の質問、韓国語の質問の順番に行なわれ、チームの言語に合わせた通訳がつきます。今回のファイナルではHLEとKCが対戦し、3-1でHLEが優勝。筆者は英語が苦手で中国語なら多少わかり、韓国語であれば理解できるというなかで、韓国チームが優勝してくれたので全編内容がわかって助かりました。

こちらで行なわれたHLEの優勝インタビューの模様は以下の記事からご覧ください。また、個別に実施したHLE Zeus選手へのインタビューもあわせてお楽しみいただけると幸いです。