2024年9月20日(金)から開幕する「Ascension Pacific 2024」に、日本を代表して「RIDDLE ORDER」が出場します。VALORANT Challengers 2024 Japan Split 2では、初進出のMain Stageで6勝1敗、落としたマップは3つのみと快進撃を続け、そのままUpper Bracketから決勝戦へ進出。その決勝となったFENNEL戦では0-2のビハインドから劇的な逆転勝利をみせました。
本稿では、開催地インドネシア・ジャカルタへ渡る直前に実施した、Aace選手、JoxJo選手、Vorzコーチへのインタビューをお届けします。
Split 2の振り返りや、気になるChampions出場チームとのスクリムの所感、Ascensionで警戒しているチームなどをうかがいました。
◆Split 2で得られたもの、見つかった課題とは
――レギュラーシーズンから決勝戦までを振り返り、Split 2でどのように成長できたと感じていますか?
Aace:Split 2では基礎を固めることができました。何度も優勝していて良いIGLであるJoxJoが加入して、これまで身につけられなかった基礎を身につけることができました。
JoxJo:僕はSplit 2からチームへ合流したのですが、チーム内でどのように声がけすればやりやすくなるかなど、コミュニケーション部分で成長できたと思います。
Vorz:二人が話したことを含め、チームとして成長できたシーズンでした。加えて、メンバー同士が仲良くなりましたね。良いことを共有するのは簡単ですが、嫌なことを共有するのはやっぱり嫌じゃないですか。
喧嘩のあとの仲直りとはちょっと違いますが、インゲームから生活、さまざまな部分で話ができるようになって、お互いに嫌なことを共有して改善し、次に繋げていけるようなチームになりました。
――どんなきっかけがあったのでしょうか。
Vorz:もともと話し合いの場は設けていましたが、チーム内での喧嘩や試合の負けなどをきっかけに更に話せるようになっていきました。
――Aace選手は、オンラインでのFENNELとの初戦では「吐くほど緊張していた」ともお話しされていましたが、初めてのオフラインはいかがでしたか?
Aace:全く緊張しませんでした。ただ楽しむことだけを意識して挑んだので、いつものパフォーマンスが出せたと思います。
――オフラインでは圧巻のパフォーマンスでした。どのようなメンタリティーだったのでしょうか。
Aace:わからないです(笑)これまでは気が弱くて、すぐ「ごめんなさい」と謝ってしまうようなタイプだったんですが、Vorzさんのせいで気が強くなって、大会でも勝ちを重ねて、自信がついていったのかもしれません。
Vorz:喜んでいいやつですかこれ、微妙に悪く言われた感じがします(笑)
――逆にSplit 2でチームや個人として課題として挙げられたところはどんなところでしょうか。
JoxJo:主に少人数戦です。味方とあわせるべきタイミングで単独行動をしてしまい、逆に不利になってしまうなど、クラッチの要因を作ってしまう場面もありました。なので、最近のスクリムでは少人数戦での動きを特に意識して練習しました。
Aace:個人としても、人数有利で「これ狙えそう!」と撃ち合いにいってしまっていたので、個人としては直していきたいですね。
Vorz:少人数戦のこともそうですが、Split 2決勝では、オフライン経験の多いJoxJoに助けられる場面もありました。
決勝は、オフラインならではの空気感もあり、「悔いが残らないように」といった感じで、「自信のあるプレイ、やりたいプレイをやろう」という雰囲気になっていたんです。そして2マップを落としてしまったあとにJoxJoが「自信のあるプレイも大事だけど、あくまでチームプレイが重要で、それをやらなきゃ試合には勝てないよ」とチームに話したんです。これは自分の頭にもなかったので、やはりJoxJoはさすがだなと思いました。
◆「日本も負けていない」とわかったChampionsチームとのスクリム
――Split 2も踏まえて、Ascensionまでにどのような練習をしてきましたか?
Aace:Ascensionに向けてマクロを大事にしています。
JoxJo:最近はチームプレイを重視すれば勝てる雰囲気だよね。
Aace:そうだね。
JoxJo:しっかり『VALORANT』をすれば勝てると思います。どこと対戦しても負ける雰囲気はないですね。
Vorz:Champions出場チームとのスクリムがあったのですが、チームによっては5、6回程度できたところもあるくらいには経験を積むことができ、手応えとしてもいい感じでした。ベスト8のチームとは、ほぼ戦えたと思います。
――大きすぎる収穫ですね。スクリムをしたチームとの違いや差を感じる部分はありましたか?
Vorz:やはり少人数戦ですね。キルが発生するなどでラウンドの状況が変わったときに、チルしてそこからどう動くかなど、コミュニケーションがしっかり取れているチームが多い印象でした。自分たちが若いチームということもあると思うんですが、Champions出場チームは、1人が勝手に動いているといった場面がかなり少なく、動きが洗練されているなと感じました。
Aace:Championsに出場しているチームはやっぱり撃ち合いが強いですが、強いなと思うだけで自分たちも負けていないと思っています。
JoxJo:ミクロ面など細かい部分は、日本のレベルはとても高いと思いますし、今のRIDDLEメンバーは、Championsチームにも負けていません。マクロ面は、やることをやっていれば、大きな不利になることはないと思っているので、マクロをしっかりとやって、ミクロで勝っていきたいと思います。
◆Ascensionで警戒しているチームは?
――初戦はRevenant Esports、SPG(Sin Prisa Gaming)の勝者ですが、両チームの印象を教えてください。
JoxJo:Revenant EsportsにはSkRossiさんがいますが、SPGがあがってくるかなと思っています。スクリムの所感で強いことは知っていますが、ちゃんとプレイすれば勝てると思います。
Vorz:SPGは特殊な構成を使ってくる印象がありますが、自分たちがやることやれば、勝てると思うので、しっかり準備したいです。
――そのほかに警戒しているチームやプレイヤーはいますか?
Vorz:Disguised(DSG)のJuicy選手ですね。去年Bleedで優勝していることもあり、僕らよりもオフラインでの戦い方を知っていると思います。
――Split 2決勝とは異なり今回はアウェイでの開催です。どのように感じていますか?
Aace:インドネシアにはもう人生で行くことはないかもしれませんし、知り合いもいません。なので、なんにも気にせずプレイしようと思っています(笑)
JoxJo:もちろん大会をしにいくんですが、RIDDLEとして旅行をするといったポジティブなマインドで海外での大会を楽しむことも大事です。練習してきたものを出し切れれば必ず上手くいくと思いますし、「海外でのオフライン」ということ自体がチームにとって良い経験になります。
――優勝するための鍵はどこにあると思いますか?
JoxJo:日々の練習やチームメンバーの関係値、その日のコンディションなどいろいろな要因があります。ただ、みんながポジティブな同じマインドで、チームとして勝つことだけを考えていれば、優勝できると思います。
Vorz:普段のスクリムで上手くいってたラインを下回らなければ勝てると思います。
Aace:僕としては「勝てると思ったら勝てる」ですね。チームとしてもそのマインドが維持できています。
――ジャカルタは初めてだと思いますが、食生活や文化の違いなど気をつけているところはありますか?
Aace:屋台などはあんまり行かないようにしようと思っています。あとはDSGに誘われてもついていかないようにしようと(笑)
Vorz:大きめのキャリーケースひとつ分くらいはカップ麺とかを持って行く予定です。
――では最後に、Ascensionへの意気込みとファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
Aace:自分たちのやれることをやって、全部勝って優勝してVCT Pacificへいきたいと思います。ファンの皆さん、いつも応援ありがとうございます。グッズを買ってくれたり配信を見に来てくれたり、いつも助かっています。Ascensionも頑張るので、応援よろしくお願いします!
Vorz:その日のコンディションに左右されないように、しっかりとちゃんとやることをやって、優勝できるように頑張ります。「人気のチーム」というよりは「応援されるチーム」を目指しているので、そのためにも頑張ります!
JoxJo:いつも応援ありがとうございます。僕はPacific地域のティア2で一番レベルが高いのは日本だと思います。やることをやれば、Ascensionも優勝できると思うので頑張ります!
「VCT Ascension Pacific Jakarta」は、9月20日~29日にかけて開催。RIDDLEの初戦は9月21日(土)の第二試合(スケジュールでは16時とされているが、試合の進行状況により変動するため注意)から、相手は前日に行われるSin Prisa Gaming(SPG) vs. Revenant Esportsの勝者です。