1年前に、DRXを下してアジア最強の座を手に入れた「Paper Rex(以下、PRX)」。VCT Pacific 2024 Stage 1決勝にてGen.Gをフルマップの接戦の末に退け、Kickoffのリベンジを果たすとともにその玉座を取り戻しました。
Kickoffとは異なり、“1勝ごとにチャンピオンシップポイントが付与される”というフォーマットが採用されたStage 1で見事に連勝を重ねたPRX。現在はPacificで最もChampionsに近いチームとなっています。
今回はそんな勢いのあるPRXよりsomething選手へインタビューを実施。昨年Sengoku GamingからPaper Rexに移籍し、名実ともにPacific最強のデュエリストとなった同選手へ、決勝の振り返りやMasters Shanghaiに向けての心持ちを話してもらいました。
◆最強になるために”恐れは不要”
――試合お疲れ様でした。今日の試合の率直な感想を教えてください。
something:ヒヤヒヤする瞬間も多々ありましたが、楽しい試合でした。
――シード権を勝ち取ったチームとして、Masters Shanghaiではプレイオフの初戦の相手を選ぶ権利を得ました。公式放送では「100 Thieves」と戦いたいと話していましたが、その理由があれば教えてください。
something:特に理由があるわけではなくて、Boostioが好きなので選んだという感じですね。彼の人柄や他の選手との関係が面白くて。
――Alecksコーチは試合前に「Fnatic」や「Team Heretics」と戦いたいと話していましたね。
something:それらチームとも戦ってはみたいですが、結局最強になる為にはどんなチームとも戦わなければいけないわけで。対戦相手に対する恐れの感情は不要だと思っています。
――今回の決勝が去年の対DRXの決勝以来、約1年ぶりのBo5での勝利となりました。今までのBO5と何か違いなど感じましたか?
something:試合前チーム内で「1マップ目さえ勝ってしまえばこっちのもの」みたいな雰囲気がありました。実際の試合は1マップ取られてからのスタートだったわけですが、チーム全体のメンタルの成長もあって一切ティルトすることなく立て直せました。そういった面での成長が逆転に繋がったのではないでしょうか。
◆新パッチでPaper Rexはどう変わるのか
――アイスボックスはリーグを通して少し防衛有利、特にGen.GとPaper Rexにとってはかなり防衛に偏ったマップでした。にもかかわらず、決勝では攻撃で7本獲得しての折り返しとなりました。どのようにGen.Gの防衛の対策をしたのか教えてください。
something:そこまで準備をした、というわけではないですね。Alecksにだいたいの傾向……例えばKAY/Oのナイフやゲッコーのフラッシュの癖、使ってくるセットアップのパターンなどを事前に教えてもらいましたが、ほとんどはその場で適応して対応しました。
――今回Stage 1のプレイオフではDRX・T1・Gen.Gと韓国チームとの連戦となりました。韓国チームの戦い方に何か共通点、もしくは相違点など感じましたか?
something:昔の韓国チームは規律に忠実で、積極的なピークをしない作戦通りに動くところばかりでした。しかし、最近はかなりアグレッシブな動きが目立ちますね。去年と比べても、ずっと攻撃色が増したと思います。
――最近、コミュニティの論調として「Pacificのレベルが上がっている」という話をよく耳にするのですが、Pacific1位のチームのメンバーとしての意見を聞かせてください。
something:もちろんレベルは上がっていると思います。僕たちに届きうるチームも出てきているわけですから。例えばTeam Secretですね、数週間前に何もできずにボコボコにされたばかりです。
最近の選手は、努力し続けなければいつか自分の席がなくなることを分かっているのでしょう。より熱心になっているような気がします。
――Masters Shanghaiはヴァイパーとサイファーの弱体化後のパッチで行われます。Paper Rexの構成や個人としてのプレイスタイルなどに何か影響は出そうですか?
something:出るでしょうね。そして僕たちはあまりヴァイパーやサイファーを使わないので、その2エージェントを多用するチームと比べて分があると思っています。ですが、例えばバインドで僕たちは現行の構成を使うのに対し、相手は弱体化にも対応してきた新しい構成を出してくるわけなので、そういった部分には調整する必要があります。
――最後に全然関係ないですが、新しい髪型は気に入っていますか?
something:...…スキップで。
――大変失礼しました(笑)。では気を取り直して、日本のファンへのメッセージをお願いします。
something:いつも応援やサポートありがとうございます。Masters Shanghaiで優勝できるよう全力を尽くします。