2023年のPacificリーグを4位で終えた「Gen.G」。今年に入ってからVCT Pacific Kickoffでの優勝、そしてMasters Madridでの準優勝と大躍進を見せています。
VCT Pacific Stage 1でもその勢いは衰えることなく、決勝でPRXに惜敗したものの準優勝を果たしてMasters Shanghaiへ駒を進めます。Lower bracketから決勝に進出したチームとしてマップBANの権利がないなか、PRXの得意マップであるロータスやバインドで勝利を収めました。
そんなGen.Gは、Lakia選手・Meteor選手・HSKコーチなど日本の競技シーンで活躍した才能が揃っているチームでもあります。そのリーダー兼IGLを務めるMunchkin選手も、過去にはCrazy Raccoonで活躍していたこともあり、国内『VALORANT』ファンにとっては馴染み深い選手です。今回はそんな彼に、決勝の振り返りとMasters Shanghaiへ向けての展望などを伺いました。
◆VCT Pacific Stage 1決勝で見えた課題
――試合お疲れ様でした。今日の試合の率直な感想を教えてください。
Munchkin:ラウンド差を離されることなく接戦できたのはよかったですね。ここまで頑張ってくれたチームメイトを誇りに思います。最後のもう一踏ん張りが足りませんでした。
――もう一踏ん張りとのことですが、何かうまくいかなかったことがあれば教えてください。
Munchkin:これは今回の決勝戦に限ったことではないんですが、負ける時はいつも個人技の面でうまくいっていないと思っています。
◆Gen.Gは“対策をあまりしない”
――Masters Shanghaiはスイスステージからの参加となりました。このフォーマットでのグループステージはマドリード以来2度目となりますが、プレイヤー視点でダブルエリミネーションとの違いを教えてください。
Munchkin:去年はダブルエリミネーションのグループステージにて早々に敗退してしまうことが多く、あまり印象がよくないというのが正直なところです。違いとしては、スイスは連勝したチームがいち早くグループ突破を決めることができるため、最後まで戦って突破したチームと比べて準備に使える日数に差ができやすいのかな、といったところですね。
――スイスステージでは、ダブルエリミネーションと違い対戦相手がランダムに決まると思います。そういった点についてはどう思いますか?
Munchkin:これはチームによって変わってきますね。Gen.Gはあまり試合前の時間を対策に割くことはせず、その場で対応していくスタイルなのでスイスでは有利に試合が運ぶと思います。チームごとの対策に頼っているチームにとっては苦しいフォーマットになるでしょうね。
――少し話は変わりますが、Gen.GのコーチであるSoloとHSKはたびたびマップのバンピック時に話し込んでいる姿を目撃されています。コーチ2人とはどのようにマップについての情報を共有していますか?
Munchkin:マップ関連の方針は対戦相手が決まり次第、みんなで話し合って決めています。どのマップをバンするかピックするか……などです。なので1・2マップ目は思い通りのマップをプレイできることが多いのですが、3マップ目に関しては私とコーチ陣でたびたび意見が対立することがあります。それも大した問題ではないんですがね。
SoloとHSKが話し込んだ結果、チームで相談した内容と大きく違うバンピックになる、といった事態にはなりません。最終的にはプラン通りに進みますね。
――マップ関連でもう1つ質問をさせてください。Gen.Gはロータスを得意にしている印象ですが、Paper Rexにとっても同じく高い勝率を誇るマップでした。どのように準備をしたか教えてください。
Munchkin:ロータスのGen.Gの構成はよくあるメタ構成なわけですが、それに対してPRXの構成はメタ構成のカウンターを狙った構成なのだろうと思っています。まずその構成の弱点を探し出すところから始めました。
まずセンチネルがいない点。そしてf0rsakeNのブリーチが重要になってくる構成のため、特定のポジショニングを取ることが必要になってくる点ですね。アーカイブを研究して、これらの弱点をいかに突けるかを研究して試合に臨みました。
――最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。
Munchkin:Crazy Raccoon時代から応援してくれているたくさんのファン、T1時代からのファン、Gen.Gに加入してからのファン、皆さん応援本当にありがとうございます。会場からでも日本からでも、応援してくれている方々には感謝してもしきれません。