Riot Gamesは6月23日、『VALORANT』の新たなマップ「カロード」を発表しました。6月26日より開幕するSeason 2025 // Act IV(パッチ11.00)にて登場します。
舞台は、かつてフランスの美しい城下町であった場所に建設されたレディアナイト塩の採掘施設。「カロード」は、複数の階層と入り組んだ通路によって構成される“多重構造”な防衛ラインが最大の特徴です。これまでのマップ以上に立体的な射線管理と、緻密な情報戦が勝利の鍵を握ります。
本稿では、実装に先駆けて一足先に公開されたマップの全貌を、エリアごとに徹底分析。新たな戦場で輝くのは、どのアビリティ、そしてどのエージェントなのでしょうか。
◆ミニマップから見るマップ「カロード」の全体像
まずはミニマップでマップ全体を確認してみます。

サイトは2つのサイトが存在し、A、ミッド、Bの3レーンの構造になっています。マップ全体の印象は既存のマップだと「サンセット」と「スプリット」、「アビス」の構造に近い印象です。
防衛側のスポーンからAサイトへは「Aクレーン」と呼ばれる区画から、Bサイトへは「Bエルボー」「Bタワー」の2つの区画からアプローチできます。
既存のマップでいうとAサイトは「サンセット」の「A路地」、Bサイトは「バインド」の「Bホール」と「Bエルボー」というイメージに近いです。
攻撃側のスポーンからは「Aメイン」を通ったあと「Aヤード」を通ります。ここで「Aサイト」に直接向かうか「Aポケット」「Aエルボー」を経由して「Aサイト」に向かう選択を迫られます。これが「カロード」のコンセプトである“多重構造”となっている部分だと感じました。
続いてBサイトです。こちらはサイトに向かうまでは「Bメイン」しかありません。イメージとしては「スプリット」のBメインに近いです。Bサイトの“多重構造”はサイトに入ってからになります。ミニマップからはわかりにくいためこちらは後述のインゲーム画像で詳しく見てみましょう。

そしてミッドです。ミッドはラウンド開始時のバリアを見ると「サンセット」が一番近い印象です。サイトが複雑な分、ミッドはオブジェクトが少なく、シンプルな形になっています。
防衛側はバリアとの距離が遠い分、「スプリット」のミッドのように開幕センチネルのアビリティ一つでミッドを管理するということは難しい印象。ミッドを取得してから設置するか、「サンセット」の「トップ」のように「ミッドウィンドウ」の抜けだけを管理するアビリティをおくことはできそうです。
逆に攻撃側はボトムにアビリティを使えばミッドをプッシュされたときの警戒はできそうです。縦に長いマップであるため、ミッドを使った裏詰めでもかなり時間がかかる印象を受けました。
◆インゲームでみる「カロード」
■ミッド

通路自体は狭めですが、ミッドウィンドウのバリアに張り付くと「サンセット」のトップと同じように防衛側が先に射線を通すことができます。

オブジェクトも少なく「Aヤード」が取られていなければ「スプリット」のミッドのように攻撃側は「ミッドボトム」の左右からしかピークできません。攻撃側がミッド進行する場合、「ミッドウィンドウ」もしくは「ミッドトップ」へのスモークは必須でしょう。
防衛側は開幕「ミッドボトム」にスモークを炊くと守りやすいかもしれません。

ミッドとAサイトをつなぐ「Aリンク」も重要なポジションです。防衛側はここからもピークが可能です。


しかし、「Aリンク」へ滞在するときは防衛側に注意が必要なポジションとなっています。「Aヤード」を攻撃側にとられた場合、ミッドにしか逃げ道がなく、挟まれてしまう可能性が高いためです。チェンバーやヨル、オーメンなど移動力のあるエージェントが担当すると良いでしょう。
また攻撃側はミッド挟みで「Aリンク」を取得することにより、防衛側のリテイクを「Aクレーン」のみからに限定することができます。これは攻撃側の大きなアドバンテージになります。
■Aサイト
Aサイト内は攻撃側がたどり着くまでは複雑ですが、単純な構造になっています。

サイト内には箱が2つしか配置されていないのでサイト中で耐えるというのは現実的ではありません。
しかしこの「Aヤード」、「Aエルボー」と隣接しているAサイトを囲う壁は貫通力が“高”に設定されている武器であれば壁を貫通してダメージを与えることができます。
つまり、ソーヴァのリコンボルトやフェイドのホウント、サイファーのワイヤーなどと合わせれば壁抜きが成立してしまうのです。エルボーが取れていない状態でAサイトに設置しようとするときついお仕置きが待っているかもしれません。
しかもこの壁はAメインの正面に当たるため、一昔前の「アセント」Bメインの壁抜きの感覚が蘇るかもしれません。この情報を聞いたソーヴァ使いはウキウキでしょう。


■Bサイト


Bサイトはサイト手前まではシンプルな構造ですが、サイト内がかなり複雑です。高低差、ボックス、小屋のようなものと身を隠す部分がたくさんあります。1人のイニシエーターでクリアリングすることは難しく、サイト内にいることがわかっても、エルボーやミッドトップ(ミッドが取られていない場合のみ)に簡単に引くことが可能です。オブジェクトが多いため耐えスモークをもらえばサイト内で立ち回ることもできそうです。

敵がサイトをクリアリングしている間に防衛ラインを下げ、安全に引いてリテイクに備えることができる部分がこのマップのコンセプトである”多重構造”となっている印象を受けました。

Bタワーからはサイトが一望できます。小屋の中と裏以外はすべて射線が通ってしまうのでリテイク対策には真っ先にスモークを炊きたいです。
Masters Torontoで行われたショーマッチでもBサイトでジャッジが暴れていました。
◆「カロード」攻略の糸口は…?攻撃側はミッドを使え!防衛側は情報を取ってとにかく生きろ!
攻撃側はミッドに人数を割きつつ、エリアを少しずつ広げて戦うのがベターな戦術だと考えられます。
防衛側は高めの位置で情報をとり、相手にアビリティを使わせて引くことを繰り返し、相手のリソースを消耗させて最後の最後で勝負を仕掛けるかリテイクに備えるのが無難です。
特にBサイトはミッドが取られておらず「Bエルボー」が守れていれば「Bエルボー」、「Bタワー」、「Bリンク」と3方向からリテイクに臨めるため、生存して味方をしっかり待つ行動ができると勝率もアップするでしょう。
「カロード」は索敵箇所が多いためどうしてもドライでの勝負になる場面が多いと考えられます。防衛側は最初の接敵で倒されてしまうともったいないため、“生き残ること”が大切です。
◆「カロード」おすすめエージェントは?
オペレーターマップになりそうな「カロード」において、フラッシュはかなり重要そう。チョークポイントが狭いこともありジェット、レイズ、ヨル、ウェイレイなどのエントリーして射線を増やせるエージェントも重宝されるでしょう。
イニシエーターは、マップ全体として角が多いため細かく索敵できるエージェントが使いやすい印象です。
センチネルは、メインの攻撃を1回止めることができるとかなり防衛しやすいと考えられるため、エリア管理よりも、ヴァイスやデッドロックなどの遅延能力が高いエージェントが適していると考えられます。
コントローラーはどこからでもスモークを炊ける上、遅延も可能なアストラが使いやすそうです。2コンであればハーバーも“あり”な選択肢です。
▼デュエリスト
・ジェット
射線を広げるエントリー役としても必須レベルです。オペレーターとの親和性もgood。
・ヨル
フラッシュを持ちながら、ゲートクラッシュでのエントリーと高速ローテートも可能。
ディメンショナルドリフトでの索敵も便利。
・ネオン
エントリーの時に切るべき射線をカーテンで遮断できます。Bサイトにおいてタワー以外の射線は比較的交戦距離が短いためショットガンとの親和性も高めです。
▼イニシエーター
・ゲッコー
エリアを分けて索敵する構造になっているため、回収できれば繰り返し使えるディジーやウィングマンによる索敵が優秀です。メインを取ることができれば、アルティメットオーブも拾えるため設置とあわせてスラッシュが回りやすいでしょう。
・フェイド
ホウントを使った広範囲の索敵、角が多いため2回使えるプラウラーでの細かい索敵が優秀です。ナイトフォールで掌握できる範囲もベストマッチ。
・ブリーチ(2イニシエーター構成)
フラッシュ持ちで通路が狭いためカウンタープレーでのフォールトラインが強力です。アルティメットのローリングサンダーもサイトを取得するには十分です。
▼センチネル
・ヴァイス
シアーによって攻撃を一度止めるだけで防衛側は守りやすくなります。特にB守りが強そうな印象。スチールガーデンも多くの重要な範囲を捉えられるので強力です。
・キルジョイ
ロックダウンが攻守共にとても強力です。ただし、ミッドとサイトを守ろうとするとアイスボックス並みに動ける範囲は狭くなります。
・チェンバー
ランデヴーを使って高めの位置やオフアングルで勝負して安全に引くということができ、Aリンクを守っていても安全にサイトに帰ることができます。オペレーターの適性も高く、2センチの構成であれば問題なく運用できそうです。
▼コントローラー
・アストラ
広いマップのため、どこからでもスモークを炊けるアストラはかなり相性が良く、グラビティウェルによる遅延やコズミックディバイドもうまく機能します。
・オーメン
ブリーチと同様、狭い通路に対するパラノイアがとても強力。警戒すべき場所が多いマップであるため、シュラウドステップでアングルを増やせるのも強みです。
・ハーバー(2コントローラー構成)
エリアを分けてとる性質上、カスケードの取り回しが良いうえに、ゲッコーと同様に、設置と合わせてレコニングも回しやすいでしょう。
◆「カロード」をお散歩
かつてフランスの美しい城下町であった「カロード」は、物語の舞台であるオメガアースを襲った過酷な気候変動により荒廃し、現在はレディアナイト塩の採掘施設として再利用されています。中世の建造物と、産業設備が混在する対照的な風景が特徴的です。
塩の採掘現場ということでマップ内の建物には大小さまざまな大きさの結晶のようなものが見られます。また舞台がフランスということもあり、フランスにゆかりのあるものがマップに散りばめられています。


『VALORANT』のストーリーに少し関わりますが、スパイクの設置場所の近くにはその世界線で「大事なもの」が配置されています。この大事なものに相当するものは多くのマップでレディアナイトクレートという緑の箱なのですが、オメガアースのマップということもあり、「カロード」では見当たりませんでした。

その代わりAサイトにはレディアナイト塩を加工したような見た目をしている装置が見られます。

そしてBサイトにはそれを出荷しているような場所がありました。

こういったストーリーの背景を知りながらマップをお散歩してみるのもまた違った楽しみができるでしょう。

「カロード」にはマップのいたるところに「ソルトマン」というキャラクターが存在しています。
ぜひ「カロード」が実装された際にはお散歩して見つけ、数を数えてみてください!おなじみの戦略ベアやペンギンもいます!




新マップ「カロード」は、6月26日(木)より実装されます。新たなマップではどのような構成、攻め方、定点、メタが生まれるのでしょうか?『VALORANT』の今後の展開に注目です!