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DFM Pazコーチ「結果が振るわず申し訳ないが、先週とは比べ物にならないぐらい良くなっている。これからも勝ちに行く」―強敵TSWに敗戦も、成長へ前向き【LCP 2026 Split 1】

DFMのPazヘッドコーチにインタビュー。チームの成長やコーチボイスの印象を聞きました。

ハル飯田

ハル飯田

2026年1月30日、『リーグ・オブ・レジェンド』のアジア太平洋地域リーグ「LCP」2026 Split 1 レギュラーシーズンのWeek 3 Day 2の対戦が行われ、「DetonatioN FocusMe(DFM)」が、VCS地域の「Team Secret Whales (CFO)」と対戦しました。

Game1ではTSWが選択したTOPボリベアが的中。レーンのソロキルを足がかりにスノーボールすると、並外れたサステインでファイトでも大きな存在感を発揮します。その有利でマップを掌握したTSWがDFMのアクションを跳ね返し、23分でゲームを畳み切り1-0とします。

続くGame2でも積極的なアクションを止めないTSWはJGとTOPを軸に押し込み、キルをきっかけに大きくリードを築きます。DFMもKeine選手のオーロラとCitrus選手のキヤナを絡めたキャッチで反撃しますがゴールド差は縮まり切らず、そのまま押し切ったTSWが2-0で試合に勝利しました。

試合後、DFMのPazヘッドコーチにインタビュー。Week 3に入り折り返しとなったLCP Split 1のチーム状態や新システムの印象を聞きました。

練習とフィードバックの成果は着実。コーチボイスの効果も

――まずはPazコーチの目線から試合の内容を振り返ってコメントいただけますか。

Paz:結果は良くなかったんですけども、チームの動きや実際のVCの内容は正直に言ってWeek 1とは比べ物にならないぐらい良くなっていました。

TSWは勢いある若い選手、個人技が高い選手が集まっていて、個人的にLCP内でも1番アグレッシブなチームだなと思っています。そのフィジカルで押されたら戦いづらい、最も相性が悪いチームだなとは思っていたんですが、その部分が出ちゃったかなって印象ですね。

――特にGame1は相手がフィジカルを押し出してどんどんJGに入ってきて押されるという、その典型的な展開になりました。言える範囲で、そのVCで良くなっていた部分などを具体的に教えていただけますか?

Paz:チームとしてレーニングの強化と言いますかマッチアップの整理にも取り組んでいて、Week 1、2で崩れてしまったBOTのレーニングは今日安定させられていましたね。ウェーブ管理もHP管理も2試合通してできていて、まずはその点がすごく良くなったと思います。

あとはGame1でCitrusがあまり良くなかったんですが、ゲーム間のフィードバックで「スクリム通りに今までやってきたこういうことをやろう」と話して、そこでしっかり持ち直せました。Game2もスコア的にはキヤナにとって苦しい展開でしたけど、コミュニケーションの内容や狙うプレイはすごく良くて、こうした改善点が実際に試合の中で可視化されて現れたというのはコーチとして良かった部分だと思っています。

――実際にMID JGラインでのキャッチアクションが何度も決まっていました。昨シーズンもそうでしたが、Citrus選手のピックの中でもキヤナは本当に光るシーンがあって、珍しいピックではありつつもコーチとして信頼がおけるのではないでしょうか。

Paz:そうですね。アサシンJGはすごく上手いですし、最近は他のチャンピオンもかなり扱えるようになってきたので、個人的に今シーズンはKakkunとCitrusがすごく成長してるかなと思います。去年のSplit 3と比べても、2人の成長はコーチとして目に見えています。

劣勢からもQとRを巧みに使いキルアクションを起こしたCitrus選手

今は結果が出ていないのでこういうことを言うと無責任かなとも思いますが、チームとして良くなっている部分は本当にしっかりあって、Week1とは全く別のチームになれているとは思います。明後日と来週の試合に向けてもコーチとしても修正できるところは修正して、しっかり勝ちに行ってSplit 1を戦い切りたいなと思ってますね。

――昨年は「チームとして目標を1つに決め、それに向けて全員で足並み揃えて動く」ことを重要視しているというコメントもありました。ここまでの試合では劣勢でも中盤のキャッチアクションやオブジェクトファイトで巻き返すシーンもあり、そこを徹底してきた効果が出ているのかなと思うのですが。

Paz:そこはもうずっと徹底しています。目標をしっかり決めて、それに向かって「どうやってやるのか」「何が必要か」をみんなで考えて話すように取り組んでいるので、中盤以降のアクションが上手く決まるシーンは練習の成果が出てますね。

ただ、やっぱり序盤のファイトはランダム要素やフィジカル的な要素が強く、チャンピオンによって「もっとこうやったらうまく戦えるよね」というアイデア力も求められるので、そこはチームで数をこなして息を合わせたり、知識と実力をもっと伸ばしたりする必要があるのかなと思いますね。

――先週のGAM、今週のTSWとベトナムチームは綺麗なチーム構成というよりも、レーンの強さ優先と言いますか、あるいはTierの高いチャンピオンを揃えるようなドラフトをするイメージです。台湾勢と比較してPazコーチの目線からはどのような印象でしょうか。

Paz:仰る通りで、ベトナムチームはレーンの主導権を何よりも重視してるイメージが強いですね。ブレないコンセプト的なものはあって、そこを守りつつレーンの主導権を取りに行くのがベトナム地域のカラーかなと思います。

逆に台湾チームは相手の構成に対するカウンターを取ることも多いですし、多少レーンの主導権がなくてもしっかり自分たちの構成の強みを貫き通す意識みたいなものを感じるので、地域によってその特色がある所はやっぱり面白いなと思いますね。

――そして、今日はTaNaコーチが担当されていた「コーチボイス」システムですが、チームによって活用法がかなり異なる印象です。DFMとしての活用法やPazコーチの感想を聞いてみたいです。

Paz:試合中はコーチ同士で次の試合に向けてBAN&PICKの話し合いもしたいんですよ。LCKだとコーチ2人でブースに入れるのでドラフトの相談をしつつコーチボイスで選手にアドバイスを送ることも出来ているようなんですが、LCPはひとりしか入れないんですよね。Week 1は僕がコーチボイスに入ったんですが、どうしても次に向けたドラフトを考える時間が無くて、そこで良くないBAN&PICKになってしまったので、その反省からドラフト担当とコーチボイス担当を分ける施策を試しています。

コーチボイスに対する海外の評価では、強いチームは選手だけでインゲームのアイデア出しや作戦の話し合いが完結できるのであまり必要ないんじゃないかという見方もありますね。ただ僕らもまだ未熟な点がいっぱいあるので、コーチボイスがあることの有用性は高いと思います。

3分台という早い段階で使用するシーンも

特に今はMomoさんがデビューしたばかりで経験不足ですから、TaNaに入ってもらってTOPのアドバイスをしてもらいつつ「こういう話が足りてない」と気付かせることができますよね。あとはアナリストのGismoさんは「相手の動きにこういう特徴がある」というのをピックアップしてくれているので、そのアイデアがチームから抜けている時にコーチボイスから改めてリマインドすることもできて、うまく利用できているのかなと思っています。

――なるほど。見ているだけでは分からない点なので、非常に興味深いです。今日は残念な結果ではありましたが、改善されている点もあるとのことですし、Keine選手の見事なキルも印象的でした。次の試合以降に向けてコメントをお願いします。

Paz:今のところまだ結果が振るわず、応援してくださる方や見てくださっている方にすごく面目ないと言いますか、申し訳ない気持ちがあるんですが、やる以上にはしっかり勝ちに行きます。僕としてもこうして国際戦の舞台に立つチームを率いるヘッドコーチとして、指導者の立場として、本当に最後まで諦めずに少しでもチームの状態を上げていくために精一杯頑張るので、引き続き応援していただけたら嬉しいです。

――まだ長いシーズンは始まったばかりですから、これからも応援しています。インタビューありがとうございました。

Paz:ありがとうございました!


台湾・台北で開催されている「LCP 2026 Split1」は全8チームによるBo3対戦のシングルラウンドロビンでレギュラーシーズンが行われ、上位6チームがBo5形式のプレイオフへと進出。プレイオフで優勝したチームはブラジルで開催される「First Stand」への出場権を手にします。

DFMの次戦は中1日で2月1日(日)、Match2で「Ground Zero Gaming(GZ)」と対戦予定です。

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