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NFX BlackWiz「相手の分析はしない、自分たちのプレイをする」BlackWiz・TRYがオフライン決めたREJECT戦、メインスモークの変更、好成績の裏側を語る【Challengers Japan 2025 Season Finals 合同インタビュー】

VCJ 2025 Season Finalsでオフライン出場を決めたNOEZ FOXX。オフライン出場決定後に行われたBlackWiz選手とTRYコーチの合同インタビューの模様をお届けします。

佐藤 颯哉

佐藤 颯哉

8月23日(土)24日(日)に京王アリーナTOKYOで開催される「VALORANT Challengers Japan 2025 Season Finals」に出場する3チーム(RIDDLE ORDER、FENNEL、NOEZ FOXX)が出揃いました。本稿では3チームのうちの1つ「NOEZ FOXX」BlackWiz選手、TRYコーチの合同インタビューの様子をお届けします。

2025年シーズンは安定した成績を残し、Season Finals出場を決めたNOEZ FOXX。長期的にリーグ戦を戦っていくために「相手チームの対策をしない」ことが好成績につながったとBlackWiz選手は語ります。インタビューではチーム内のMVP、オフライン出場を決めたREJECT戦やBlackWiz選手のロール変更などが語られました。

◆メインステージ好成績の立役者はeKoとBlackWiz

――BlackWiz選手に質問です。オフライン出場が決まった時、オーナーのふぉいさんとどのような会話をされましたか?

BlackWiz:オフラインが決まった時は「マジでお前ら最高~!」という感じでした。長くは話せていませんが「ありがとう」と話しました。

――Split3を通してチームのMVPを選ぶとしたら誰を選びますか?

BlackWiz:試合の活躍的にもeKoです。REJECTとの試合前、eKoがリーグにいた時にコーチから教わった“チャンピオンズマインド”を「こういうマインドを持ってたら今日の試合は絶対勝てるよ」と伝えてくれました。一番練習もしていますし、こういった試合のスコア以外でも活躍してくれました。

――オフラインで注目してほしい選手を教えてください。

BlackWiz:ちょける人がいたら、この人に注目してください!とか言えたんですけどね(笑)YowamuとXiaonuoがそういうのをやりたがるタイプではあるんですけど、恥ずかしがってやらない可能性があるので……一応、その2人にしておきます(笑)

――TRYコーチから見てチームのMVPは誰だと思いますか?

TRY:MVPは2人います。一人は雰囲気が悪くなったり、みんなが落ち込んでる雰囲気を変えてくれるeKo選手です。もう一人は色々なポジションを担ってくれるBlackWizさんです。IGLとは別でチームリーダーとして、また一番年上としてチームを引っ張ってくれています。この二人がMVPだと思います。

◆REJECTの対策はあえて“しない”―NOEZ FOXXがオフライン進出のためにたどり着いた一つの答え

――今シーズン、REJECT相手に白星がない状況でしたが、Season Finals初戦では見事勝利を収めました。この初勝利について、チーム内でどのような対策があったのか教えてください。

BlackWiz:REJECTに対する“対策”をせず「自分たちにフォーカスする」ことだけ考えていました。Split1を含めてこれまで、REJECTに勝ちたいが故に対策しようとした結果、空回ってしまったんです。僕たちが事前に対策したことを「相手がやってこない」状況が起きた時、自分たちのやりたいプレイができずに勝てていませんでした。

今回は事前にREJECTの試合を全く見ずに「自分たちがやりたいことをやろう」と意識して試合に臨みました。それが対策と言えば対策かもしれないですね。

TRY:少し前まで、相手の状況や様子を意識し過ぎてしまうことがあったので、「相手が何をしても構わず、私たちが準備した戦略を見せよう。相手が私たちのプレイに合わせるようにゲームの主導権を取り戻す練習をしよう」とアドバイスしました。

これがうまくいかなくて負けることもありましたが、今回は上手くいき、厳しい状況ではありましたが勝利できました。

――BlackWiz選手に質問です。ラウンドを連続で取られた後のタイムアウト後には、しっかり持ち直していた印象があります。タイムアウト中どのような話し合いがあったのか教えてください。

BlackWiz:うーんと……何話したかな。すいません、タイムアウトで何を話したか全く覚えてなくて。TRYさん、タイムアウトで何話したか覚えてる?

TRY:私も具体的な内容は覚えていませんが、「このラウンドはこれをしよう」というより「相手はここが弱いから、ここの部分を攻略すればよい」といったような“1つのラウンドのみではなく、試合の後半まで続けられる”ような内容を話すタイムアウトの取り方をしていました。

――NOEZ FOXXは、Split2に続いてSplit3も好成績を収めました。長期戦となるメインステージを安定して勝ち続けるための対策や秘訣を教えてください。

BlackWiz:先ほどの話と被りますが、相手に合わせた対策をするのは限界があるとリーグ戦を通して感じました。

相手との対戦が1日後だったり、相手が選んでこないマップだったり、僕らみたいに毎週構成が変わるような敵だったりと、理由は色々あります。それら全てを対策していくのは限界があり、やってくるか分からないことを対策し続けるのは、自分たちの勝ち筋を潰してるなと。僕たちが自信を持てるものを磨いていき、僕たちの戦い方が出せる状況であれば、どの相手でも関係なく勝てるということがわかりました。

よくないように聞こえるかもしれませんが「コーチだけ敵チームのアナライズをして、自分は“アナライズをしない”」ようにしています。

以前はコーチだけでなく、IGLの自分もたくさんアナライズして「試合中に敵の動き読んで…」と相手について考えてプレイしていましたが、それをやめました。「試合中困ったらコーチに頼る、それ以外は自分たちのできる技量でやる」を徹底したことで、いい順位まで行けたと個人的には思ってます。

TRY:BlackWiz選手とほぼ同意見ですが、重要なことは「相手チームが何をしてきても、私たちがやりたいことをやる」ことです。相手チームをアナライズすること自体、あまり意味がないと個人的には思ってます。私が選手だった時からずっとこう考えていました。

選手たちがインゲームの中で考えて判断するところに正解があると思うので、そういった判断がうまくできるように練習し、それを育てるのがコーチの仕事です。

◆BlackWizのロール変更―IGLとしての成長

――BlackWiz選手に質問です。Split3からXiaonuo選手が加入したことで、BlackWiz選手のロールが幅広くなったと思います。難しかったポイントやIGLの役割とうまくハマったところがありましたら教えてください。

BlackWiz:ロール変更はうまくいったと思います。僕はスモークしかやってこなかったので、スモークの理解度はありますが、他のロールの理解度はありませんでした。

コンペティティブでプレイしたり、大会で他ロールの選手の動きを見たりはしていましたが、組織的にプレイしたことはなく、実際にプレイしてどういうプレッシャーを感じるかや、どういうコールができるかは全く分かりませんでした。

ですが、イニシエーターやセンチネルを経験したことで、自分がプレイしていないマップでも、そういうエージェントを使ってる人にフィードバックが出せるようになりました。IGLとしてスモークにしかできないコールもありますが、逆に他のロールでないとできないIGLのコールもあって、「コールの幅」が広がったと思います。

プレイをするエージェントが増えたことで「各エージェントの熟練度」はまだ足りていないと思いますが、「ゲーム理解度」は伸びました。結果的に、僕がメインスモークを譲ったことがプラスには働いたと考えています。

――TRYコーチに質問です。この先、アセンションやPacificリーグを目指していくと思いますが、NOEZ FOXXが世界に通用すると考えている部分、または足りてないと感じる部分があれば教えてください。

TRY:通用すると思います。Gen.GやPRXのようなトップレベルのチームでなければ、レベル差は大きくないと考えています。私たちのゲームをちゃんと見せることができれば、私たちの戦略は通用すると思います。

――オフラインに向けての意気込みをお願いします。

BlackWiz:シーズン通して色々厳しいところはありましたが、Season Finalsでオフラインまで来れたことはよかったです。相手はリベンジしたいFENNELと絶対的王者のRIDDLEなので、ちゃんと勝ちきってアセンションに行きます!

TRY:メインステージでは練習通りうまくいったところも、そうではなかったところもあります。オフラインでは絶対に優勝するために頑張って準備します。


いままで続けてきたコントローラー以外のロールを経験することでゲームの理解度が高まり、コールの幅も増えたと語るBlackWiz選手。自分たちの戦い方ができれば世界にも通用するとTRYコーチは語ります。

NOEZ FOXXは8月23日(土)のローワーファイナルで「FENNEL」と対戦。相手チームの対策ではなく、「自分たちのやりたいことを貫く」戦い方でNOEZ FOXXは日本の頂点を目指します。


<取材、執筆:佐藤颯哉/編集:岡野 朔太郎>

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