【Worlds 2024 決勝直前】T1の連覇か、BLGの初優勝か!? 決勝を楽しむために2チームの歩みと試合の見どころを紹介

11月2日に行われる「Worlds 2024」決勝戦を前に、対戦する2チームの歩みと注目ポイントをまとめました。

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【Worlds 2024 決勝直前】T1の連覇か、BLGの初優勝か!? 決勝を楽しむために2チームの歩みと試合の見どころを紹介
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『リーグ・オブ・レジェンド』の世界最強チームを決める「Worlds」の決勝がいよいよ11月2日(日本時間)に迫っています。

9月末にスタートした大会も残すはBo5で行われる決勝戦を残すのみ。

そんな年間最大のビッグマッチにして『LoL』プレイヤーの祭典でもあるWorldsのファイナルを存分に楽しんでいただくため、本稿では決勝に駒を進めた2チームのこれまでの歩みと見どころを紹介します。

◆中国リーグの絶対王者「Bilibili Gaming

ロスター

  • TOP:Bin

  • JG:Wei

  • JG:XUN

  • MID:knight

  • BOT:Elk

  • SUP:ON

最初に決勝へと名乗りを上げたのは、LPL(中国リーグ)第1シードの「Bilibili Gaming(BLG)」です。今年のLPLでは、Spring・Summerの両シーズンを1敗のみで優勝し、春の世界大会「MSI」では、決勝でGen.Gに敗れ準優勝。つまり、世界大会には2季連続で決勝進出しています。

そんな絶対的なLPL王者として優勝候補の一角にも推されていたBLGですが、今回の「Worlds 2024」ではスイスステージ初戦こそ勝利したもののLNG EsportsとT1に連敗し、早々に“あと一敗で脱落”という崖っぷちに立たされてしまいます。

ここでBLGは、スタメン選手の変更という思い切った采配に踏み切り反撃を開始。スイスステージの最後には地元開催の期待を一身に背負ったLEC代表「G2 Esports」とのBo3で大激戦を繰り広げ、辛くも勝利。G2が制したかに思われた集団戦を的確なスキルショットで逆転して魅せたElk選手のエズリアルは、今大会のハイライトシーンのひとつでしょう。

続くノックアウトステージでは、LCK(韓国リーグ)第1シードの「Hanwha Life Esports(HLE)」を3-1を下して復調を印象付けると、準決勝ではLPL第4シードの「Weibo Gaming(WBG)」との同地域対決に3-0で快勝。奇しくも昨年の「Worlds 2023」の準決勝と同じ顔合わせとなった対戦を制し、初のWorldsタイトルに王手をかけています。

今季のBLGは、JGとしてXUN選手とWei選手の2名が在籍しており、国内リーグの夏シーズンは「XUNからWeiへ」とスタメンを交代してからパフォーマンスが安定し、リーグ優勝に繋がったという背景があります。しかし、Worldsでは一転して「WeiからXUNへ」と交代。敗退がかかった試合でメンバーを入れ替える大胆な起用が功を奏しており、異なるスタイルのふたりのジャングラーを上手く使い分けてきたシーズンの集大成をこのまま飾ることができるのか、期待が高まります。

注目ポイント:BinのジャックスがKnight&Elkのキャリーラインを活かす

決勝での注目ピックは、TOPレーナーのBin選手操るジャックス。なんと今大会では、14ゲーム中8ゲームでジャックスをピックして7勝1敗と圧巻の戦績を誇っています。かといってTOPへ多くBAN枠を使えば、ここまで12体のチャンピオンをピックする多彩さを誇るMIDのknight選手を抑えられなくなり、ドラフト段階からソロレーンを軸に試合を組み立てられてしまいます。

1vs1で無類の強さを誇るジャックスをサイドレーンに出して圧をかけ、焦って前のめりになった相手にXUN選手やON選手がエンゲージを決めるのが定番の形。乱戦になればTPから相手のキャリーへBin選手が突撃するプレッシャーもかなりのもので、集団戦ではBin選手の立ち位置に注目です。

Bin選手がジャックスやナーで飛び込んでから「ゾーニャの砂時計」で耐えきることで時間を作り、相手陣形を崩壊させればBLGのパターンに

近年、LPLで好成績を収め続け強豪チームとしての地位を確固たるものにしているBLGですが、ここ数年の国際大会は

  • MSI 2023 準優勝

  • Worlds 2023 ベスト4

  • MSI 2024 準優勝

と、僅かなところで頂点を逃し続けています。全員が20代前半という若いチームながら、個人では国際大会優勝経験を持つプレイヤーも在籍しており、遂に念願のWorlds制覇へ体制は整いつつあります。

◆3年連続7度目のFinal進出「T1」

ロスター

  • TOP:Zeus

  • JG:Oner

  • MID:Faker

  • BOT:Gumayusi

  • SUP:Keria

BLGと相対するのは、LCK第4シードの「T1」。言わずと知れたレジェンドのFaker選手を擁する昨年王者ですが、今季のT1は決して盤石とは言い難い道のりでした。

Summerシーズンでは、序盤から「JGにメイジ、MIDレーンでマークスマン」を配置するメタが大流行。さらにはTOPとBOTが入れ替わるスワップメタも登場したことで、JGと連携してレーンから着実に有利を築いていくT1の強みを発揮させてもらえない環境に。

7月にサウジアラビアで行われた「Esports World Cup」で見事に優勝を果たしたものの、過密日程の影響もあってかリーグ戦はまさかの4位フィニッシュ。プレイオフでもWorlds出場権を確定させるには至らずリージョナルファイナルへ進むと、最後の1枠を巡る「KT Roster」とのBo5でフルマッチの激戦を演じ、辛くも挑戦権を手にする形となりました。

シーズン中盤の低調なパフォーマンスもあって不安を抱えたまま迎えたWorldsでしたが、新たなパッチへの素早い適応、そして大舞台での勝負強さによって瞬く間に“T1らしさ”が復活。スイスステージを3勝1敗で突破し勢いに乗ると、ノックアウトステージ初戦でも一度敗れていた「TOP Esports」を3-0であっさりと撃破。さらに準決勝では国内戦でとにかく苦手としていたGen.Gを3-1で下し、遂に決勝の舞台へと返り咲いてみせました。

注目ポイント:固定ピックを必要としない強固なチーム「Gumayusiは倒れない」

今大会はヨネやスカーナー、ジャックスが強力なピックとして注目されていますが、T1は12試合を戦ってすべてのレーンで6体以上のチャンピオンが使用されており、特定のピックに頼らない戦い方で勝ち進んでいるのが特徴です。

特にハイパフォーマンスを見せているのはADCのGumayusi選手で、ここまでのKDA9.3は大会トップのスコア。殆どの試合でザヤやカリスタと言った逃げ性能の高いチャンピオンをBANされながらも「倒されずにダメージを出す」プレイを実行し続けています。隣に立つSUPのKeria選手もパイクやバードなど持ち前の個性的なピックを繰り出しており、どんな組み合わせでも戦える強さを遺憾なく発揮しています。

現在のメタでは、BOTの組み合わせで不利を背負いたくないチームがレーンを入れ替えて苦しい時間帯をやり過ごそうとする「スワップ」戦術によってソロレーナー、特にTOPのZeus選手がタワーダイブを狙われるなど苦しい立ち位置を強いられています。しかし、レーンでADCをソロキルしてみせるなど相手の狙いを破壊するプレイも飛び出しており、序盤から目が離せない戦いになりそうです。

僅か6分でBFソードを持ったドレイブンを相手に巧みなアルティメットからの反転でキルした印象的なシーン

T1は「SK Telecom T1」時代の2015年から2016年にかけて2連覇を達成していますが、今回は昨年と全く同じロスターでの決勝となり、DRXに敗れた2022年から3年連続同ロスターでの決勝進出は既に驚異的な記録。今大会で優勝し「同メンバーでの連覇」となれば、今後二度と並ばれることもない偉業達成となるのではないでしょうか。

◆どのレーンを見ても注目の対決!セレモニーからお見逃しなく

敗退まであと1ゲームという逆境から勝ち上がってきたBLGと、苦しいSummerシーズンを過ごしてきたT1。LPL第1シードとLCK第4シードで立場は違えど、今回のファイナルはどちらも“這い上がって来たチーム同士”の対決と言えるでしょう。

直接対決成績では、今大会のスイスステージ1勝1敗ラウンドで対戦しており、このときは接戦ながらもT1が勝利。しかしBo5で見れば、MSI 2024で2度対戦し3-1、3-2でいずれもBLGが勝利しています。Esports World CupのBo3では2-1でT1が勝利しているため、2024年の総合戦績は五分五分といったところでしょうか。

FakerはWorldsのBo5でLPL勢に負けたことがない」という不敗神話も継続していますが、BLGもLCK第1シードのHLE相手に快勝を収めており、目まぐるしくレーンを入れ替えながらタワーをトレードするLCKチームのマクロに対する苦手意識は決して高くないはず。

どのレーンを見ても注目のマッチアップが展開されていますが、やはりMIDレーンの「Faker vs knight」は、お互いにどんなチャンピオンも使いこなしてチームを勝たせられるプレイヤーの対決として目が離せません。

そんな両チームの決戦の舞台となるのはロンドンのO2スタジアム。Worlds Finalと言えば、試合前のセレモニーにも注目でリンキン・パークが手掛ける今大会のアンセム「Heavy Is The Crown」が披露される大規模な演出が予想され、こちらも必見です。


BLGが念願のWorlds初優勝を手中に収め、中国勢として2021年のEDG以来の優勝カップを持ち帰るのか。それとも「T1不在の大会」を迎えつつあった、昨年王者がまたしても「T1の大会」にしてしまうのか。あらゆる意味で“王冠の重さ”を知る2チームの対決は激戦必至です。

決勝戦は11月2日23時(日本時間)開始予定。大会を通じて応援を続けてきたファンの方はもちろん、この一戦だけは見てみようというプレイヤーも少なくない大舞台ですので、普段あまり大会を見ない方や最近始めたばかりの方もぜひご注目ください!

《ハル飯田》

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ハル飯田

1993年、大阪府生まれ。一旦は地元で公務員になったものの、ゲームが好きすぎて気付いたらフリーライターに。他メディアではeスポーツ選手や競技シーンの魅力を発信することに注力したり大会でキャスターを務めたりもするのだが、インサイド&ゲムスパではもっぱら好きなゲームについて語ることで安らかな気持ちになっている。

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