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2025年も残すところあとわずか。『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』では1年を通じてサモナーズリフトをはじめ数々のアップデートが到来し、プレイヤーを楽しませてました。今回は1年の締めくくりに、2025年シーズンのアップデート内容を振り返ってみましょう。
1月8日に配信されたパッチでスタートしたシーズン1では「ノクサス」がテーマとなり、サモナーズリフトは荒野のような雰囲気に包まれました。

アップデートの目玉としては「アタカン」と「力の偉業」が登場。特にアタカンは試合の中での総ダメージ量によって出現形態が、チームに経験値とアダプティブフォースを付与する「災禍のアタカン」か、制限時間付きで「一度復活できる」バフを与える「貪欲のアタカン」に変化するギミックが印象的でした。

スローテンポな試合になりがちなプロシーンでは「貪欲」形態が圧倒的に多く出現するなどの背景もあり、特に復活バフはあまりにも強力なため何度も調整されましたが、2025年シーズン初頭を象徴する新システムだったと言えるでしょう。

また、ブーツをもう1段階強化できるようになる新システム「力の偉業」は、3つの条件のうち2つを達成したチームが恩恵を受けられるシステムで、タワーやエピックモンスターの討伐などがクエストになっていることでゲームの進行が分かりやすい反面、JGの判断にかかるウェイトが重たくなったシーズンとも言えました。
こちらも当初は「ファーストブラッド」が条件のひとつとなっていましたが、Lv1ファイトであっという間に達成されてしまうケースが多く、後に「先に3キルに到達したチーム」へと変更されました。
シーズン1の新チャンピオンは、アニメシリーズ『Arcane(アーケイン)』からの逆輸入となる「メル・メダルダ」。先駆けて実装されたアンベッサの娘であり、ノクサスの名家に生まれながら魔法の力に目覚めたメイジとしてデザインされています。

何と言っても特徴は「すべての投射物を反射する」という規格外の性能を持ったWスキルの「反駁」。跳ね返したスキルが相手に向かって飛んでいく仕様もあり、多くのチャンピオンにカウンターできる存在として大きな話題を呼びました。パッシブによるCSの取りやすさもあり、初心者向けのポークチャンピオンとして高い人気を誇る存在に。
実装から日が経つにつれBOTでの起用や“E上げメル”など戦い方の研究も進み、競技シーンでも活躍するチャンピオンとなりましたが、対面した際の「対処の難しさ」もあり、今なお調整が続けられています。
その他、シーズン1ではプロシーンで大流行となった「スワップ」を制限するため、レーンの入れ替えを自動で検知するシステムも登場。さまざまに調整が重ねられましたが、2026年からは各レーン別クエストの登場によって、お役御免となる模様。また、シーズン1終盤にはクライアント内ゲームとして「悪魔の手」がプレイ出来たり、エイプリルフールスキンと限定リフトが実装されたりと、ユニークな施策が盛りだくさんでした。


▲人気スキンの「バトルアカデミア」シリーズも登場
パッチ「25.09」からは、シーズン2へ。舞台はアイオニアへと変わり、サモナーズリフトは一転して神秘的な雰囲気に。シンガーソングライターの幾田りら氏とコラボレーションした楽曲『Here, Tomorrow』を使用したシネマティックムービーと共に「精霊の花祭り」が幕を開けました。
このシーズンでは期間限定モードとして「ブロウル」が実装。短時間のプレイで本格的な集団戦が楽しめ、使用するチャンピオンを指定できることもあり、練習用や『LoL』初心者への入門用として当初の予定から期間を延長するほど人気のモードとなりました。

また、このタイミングでアタカンは「呪縛のアタカン」1種類のみに。加えて「JGへのスマイト、SUPへのワールドアトラスの自動割り当て」など利便性に関するアップデートが多く行われた期間でもありました。
Act2「乱咲」ではARAMでのマップローテーションが導入され、今でも続く好評の要素に。チャンピオンをカードで選択するシステムなど、久々の大規模アップデートでARAM勢にも嬉しいシーズンに。そして今年の殿堂入り「Hall of Legends」には、伝説的なBOTレーナーとして活躍したUzi氏が選出。カイ=サとヴェインに記念スキンが作られ、イベントでもその偉業が讃えられました。


パッチ「25.14」で171体目のチャンピオンとして実装されたのが均衡の守人の修行を積んだマークスマンの「ユナラ」。
Rスキル「自己超越」で自身を強化して戦うクラシカルなAA中心の戦い方がデザインされており、近年はスモルダーやゼリ、ニーラなど一癖あるADCの追加が続いていたこともあり、ベテランBOTレーナーからは喜びの声も大きくあがりました。

ユナラの登場に伴い、クライアント上では横スクロール型アクションゲームの「コーシンの戦い」もプレイ可能に。このシン・ジャオとユナラの共闘が、後々に思わぬ展開へと繋がっていくのでした……。
パッチ「25.17」では遂に大詰めのシーズン3へ。超越した力を持ちながら堕落し、その能力を武器へと封じられた「ダーキン」がテーマとなりました。
同パッチではPvEモードの「ドゥームボット」が復活し、以前と変わらぬどころかむしろ凶悪さを増した強さのAIも話題に。あまりにも上手すぎる動きをする相手に多くのプレイヤーが悲鳴を挙げることとなりました。

一年の総決算となるWorldsパッチを経て、次の「25.21」からはARAMにオーグメントを加えた新モード「メイヘム」が実装。これが今までにないプレイ感を生み出すとして、多くのプレイヤーに愛されるスマッシュヒットに。
とんでもない硬さのタンクになったり、何もかもを一撃で吹っ飛ばす驚異的な敵チャンピオンに出会ったりと、チャンピオンとオーグメントの組み合わせが生み出す無数の可能性が愉快なカジュアルモードとして愛されています。

今年最後の新チャンピオンとなったのは、ダーキンと超越者の狭間に位置する存在「ザーヘン」。かつて自らを封じたものの、窮地に陥ったシン・ジャオがアタカンを倒すため自身の体を依り代として復活させるムービーも印象的で、「シン・ジャオが使えなくなるの!?」という不安の声も。なお、今のところシン・ジャオはビジュアルアップデートを経て元気に活躍中ですので、ご安心を。

ザーヘンの特徴はやはり固有スキル「戦威修養」で、「不退転」スタックによって攻撃力が上昇し、最大スタックとなると一時的な復活能力を得るという驚異的なもの。かつてのエイトロックスを彷彿とさせる能力で現在も暴れ回っており、Rスキル「無慈悲なる裁き」のパッシブ効果によってタンク相手にも強いため、来年の競技シーンでもトップメタになると予想されています。

振り返れば、12ヶ月とは思えないほど激動と言える内容だった2025年シーズン。新チャンピオンだけでなく既存チャンピオンのVGU(ビジュアルアップデート)やプチリメイクが盛んに行われるようになっており、メタの移り変わりも非常に激しいものとなりました。
記憶に新しいところでは「WASD操作」がテスト実装されているほか、既に2026年シーズンのアップデート内容もいくつか告知されており、アタカンや力の偉業システムは今年限りになることも判明しています。来年もまた大きな動きのあるシーズンとなるのではないでしょうか。