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「2XKOは達成感を味わえる格闘ゲーム」JPKO初代王者いこあん選手が語る、デュオ対策の難しさとそれを乗り越えた「いつも通り」のマインド【インタビュー】

見事優勝を掴み取った、いこあん選手へインタビューを実施。リセット後の心境やデュオと戦うことの難しさなどをお伺いしました。

松田和真

松田和真

11月23日、『2XKO』日本初のコミュニティ大会「JAPAN KNOCKOUT Presented by PLAYBRAIN(JPKO)」のオフライン決勝が開催されました。

決勝では、いこあん選手と、2WINz Toshi選手/Haru選手が対戦。ルーザーズから勝ち上がってきた2WINzがリセットに成功するものの、最終的には3-1でいこあん選手が勝ち切り、優勝を果たしました。

FISTBUMPでは試合後に優勝を掴み取った、いこあん選手へインタビューを実施。リセット後の心境やデュオと戦うことの難しさなどをお伺いしました。

「いつも以上のことはできない」から「いつも通りに」

――優勝おめでとうございます。まずは本日を振り返っての感想をお願いします。

いこあん:ウィナーズファイナルを3-0というすごいいい形で取れて、自分の中では「勢いがあるな」という状態だったんです。

でも、2WINzのお二人がとても強かったので、グランドファイナルでリセットされてしまって。やっぱりアドバンテージ(ウィナーズ側の優位)があって、心が浮ついていた部分もありましたね...。実際にリセットされてしまった後は、一度気を引き締め直そうと思い、キャラクターセレクトで心を落ち着ける時間をつくりました。

そうやって落ち着けて、なんとかグランドファイナルで勝てた、という形ですね。

――優勝が懸かった場面で、どのように心を落ち着けたんでしょう?

いこあん:

大会では緊張などもあって、普段やっているネット対戦以上の動きはできないと思うんです。だから、「いつも以上のことはできない」という意識で、「いつも通りの動きをしよう」と心がけました。

逆に何か難しいことや思い切った行動をして、それが裏目に出た時に、さらに自分の中で「うわ、これどうしよう」と心がブレてしまうのも怖かったですし、いい意味で「いつも通りに」していく、という感じでした。

――うまくやろうとしない、と。

いこあん:そうですね。そこはもう、「なるようにしかならない」みたいなところはやっぱりあるんで、「いつも通りやって、それで負けちゃったのなら、仕方ない。自分の実力だった」と。

「悔しいけど、そこは諦めてまた練習しないといけない」というある意味の「開き直り」みたいな形が取れたのはすごく良かったと思います。

――『2XKO』の特徴の一つとしてデュオがあります。2WINzと対戦していてデュオならではの強みだと感じる部分はありますか?

いこあん:大会中に思ったのが……僕がラウンドを取られた時に、「よっしゃ!」みたい盛り上がってるのが、なんかちょっと寂しいなって(笑)

メンタル的に、二人(デュオ)の方が有利だと思うんです。「二人いる」ってなると、なんか「力合わせて相手倒すぞ」みたいな。「なんかちょっと羨ましいな」と思いながら、僕は一人で「頑張るぞ」って(笑)。

あと、キャラごとにプレイヤーが違うので、もちろん癖も違うんです。なので二人を相手にしていると「こういった行動に対して、これを返してくるのはどっちだっけ?」となりますね...。

2WINzの場合、例えばHaru選手はこの行動に対してこの回答をしてくるけど、「あれ? この動きToshi選手だっけ?」と対策が難しいんですよ。そこは、今後詰めていけるところかなと。

――二人分の対策をしないといけない難しさがあるんですね。

いこあん:やっぱり格闘ゲームって、ある程度キャラクターの対策ができてくると次は「相手の癖を読む」っていうフェーズになるんですよ。デュオ相手だと、単純にそれが2倍になるんですよね。

読みが成功すればいいんですけど、やっぱり「人読み」となってくると裏目を引いたりすることもあるので、二人分の対策は難しいことが多いなと。

これは今までの格闘ゲームでは絶対なかったですね。これまで「相手は絶対一人」っていうのが常識があったので、そういう常識がないっていうのが『2XKO』の良いところだと思います。

手に馴染んでいき、成長を実感できるのが『2XKO』

――いこあん選手として、そのデュオ以外で『2XKO』の面白さはどこに感じますか?

いこあん:

他の格闘ゲームをやっている人とか結構に勧めたりはしたんですけど、まず毎回言われるのが「ちょっと難しい」と。特にコンボですね。やっぱり昔から格闘ゲームをやっている人に教えても、「いや、ちょっとこれ難しすぎない?」みたいなことを言われるんで。僕は逆にその難しさが面白いと感じますね。

コンボは難しいんですけど、やっぱりできた時の達成感というか……。人間って慣れていくものなので、最初はすごく難しいし「こんなの実際の試合ではできないだろう」と思ったコンボも、意外と時間が経てば、すごい手に馴染んでいくんです。

特に始めたての頃、「これできたら相当差が出るよな」みたいなのを意識して、とにかくひたすら練習していったら、難しいコンボとかもミスが少なくなっていったので。そういった達成感がすごいあるゲームだなと思いました。トレーニングモードもやっぱり面白いですし。

――手に馴染んでいく感覚が面白いということですね。

いこあん:

そうですね。やっぱりできなかったことができるようになるっていうのはすごい嬉しいんで。昨日はこれできなかったけど今日はできるようになって、しかもミスらなくなったとなると、明確に「成長した」と感じられますし、「じゃあこれをどんどんやっていけば強くなれる」と、自分の自信にもなります。

特に『2XKO』は結構いろんな動きができるゲームなんで、そういう意味でもすごく面白いです。

――最後に、1月にアメリカで開催される「Frosty Faustings」も控えていますが、今後の目標を教えてください。

いこあん:1月どころか、もう来週にはタイで『2XKO』の大会があるんで、そちらにもエントリーしてるんですよね。なので、あんまり休む暇もなく(笑)

これ終わったら急いで名古屋へ帰ってまた練習をしないといけないんですよ。大会を頻繁に開いてくれるのはすごい嬉しいんで、いい意味で「嬉しい忙しさ」だなと思います。

直近だと、そのタイの大会に参加すれば、一旦一区切りするので、それが終わったら……、アメリカの大会に向けて練習しつつ、他のキャラとかも色々試していけたらなとは思ってます。

ただ、その間もやっぱり2WINzのお二人は絶対強くなってると思うんで、負けずに僕もひたすら練習していきたいと思ってます。

――ありがとうございました!


「JPKO」で優勝したいこあん選手は、1月にアメリカで開催される「Frosty Faustings XVIII 2026」へ招待されます。賞金総額が50,000ドルへとアップグレードされた本大会は、2026年1月29日~2月1日(現地時間)に開催予定です。

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