2024年6月15日(土)~7月21日(日)にかけて韓国で行われたVCT 2024 Pacific Stage2は、現世界王者でもあるGen.Gの優勝という形で幕を閉じました。
日本を拠点に活動する拠点に活動するeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe」は、惜しくもグループステージで敗退という結果に終わりました。
しかし、Stage1でのリーグ戦初勝利、Stage2では同じく日本を拠点とする「ZETA DIVISION」に勝利するなど、確かな成長と熱い試合をファンに見せてくれました。
今回はGameWithの編集部がDFMのAnthem選手とneth選手に独占インタビューを実施。
FISTBUMPの本記事は後編で、前編はGameWithで公開しており、1年の振り返りやお二人から見たDFMメンバーを語っていただきました。まだご覧になっていない方は、ぜひ前編もお読みになってください。
前編はこちら(GameWith)
※今回のインタビューは2024年7月22日に実施しています。
◆リーグで戦ったチーム・選手の印象は?
――PacificリーグのStage1・2を通じて全チームと対戦されましたが、特に印象に残っているチームなどありますか?
Anthem選手:自分はPaper Rex(PRX)ですね。戦っていて一番差を感じた試合だったので、かなり記憶に残っています。
――なるほど、比較的最近の対戦だったとは思うのですが、PRXの中でも特に印象に残っている選手はどなたですか?
Anthem選手:d4v41選手とmindfreak選手ですかね。チームを支えているポジションで大事なところでキルを取ったり、(戦略として)嫌なことをされてたのが印象に残ってます。
――neth選手はいかがですか?
neth選手:自分もPRXですね。全員のパフォーマンスがスクリムと同じくらい出ていて、敵ながらかなり魅力的でしたね。
あとはやっぱりZETA DIVISIONも印象に残ってます。試合は自分たちがギリギリ勝てたんですけど、硬くなっててパフォーマンスが出せてなかった様に感じましたね。チームとしてはもちろんですが、本番でどれだけ個人がパフォーマンスを発揮できるかも重要だなと感じました。
――ZETA戦はDFMファンにとっても忘れられない試合ですね。では印象に残っている選手はいかがですか?
neth選手:PRXは全員なんですけど、特にf0rsakeN選手は自分とロールが被っていることもあって、自分の目指すべきプレーみたいな戦い方をされて感動しましたね。
――その他にも「この選手注目してる!」みたいな選手はいらっしゃいますか?
neth選手:やっぱりTalon Esports(TLN)のPrimmie選手ですかね。TLN自体はまだ仕上げている途中だと思うんですけど、ああいう「フィジカル最強!」みたいな選手がこれからも出てくると思っていて、うまくマッチしたチームが出てきたら手に負えないかなと思ってます。
Anthem選手:自分は今年からリーグに入ってきたMeiyとかhiroronn君とか、結構若い選手たちですかね。
チームとしての結果は残せなかったかもしれないですけど、Meiyとかは特に戦えるなって時間は得られたと思いますし、これからもリーグで戦い続けられたら2~3年後にはもっと注目される選手になってると思います。
――私も1人のVALORANTファンとして若い選手の活躍は楽しみです!
――先日Pacificもプレイオフを含めた全試合が終了し、Gen.G(GEN)が優勝という結果になりましたが、視聴者目線では上位3チームのGEN、DRX、PRXが飛び抜けていたように見えました。実際に対戦したお二人から見ていかがでしたか?
Anthem選手:DRXに関してはシーズン中にメンバーを変えて、自分たちが対戦した時は負けてしまいましたが、それでもまだ仕上がってないなと感じたんですよね。
それでもしっかりとプレーオフに合わせて仕上げていたので、そういった所にもチームの強さが現れていて、基盤がしっかり出来てるチームはシーズンを通して強いと思いました。
neth選手:DRXはメンバーが変わったのもあってまだまだ伸びしろがありそうだなと思ってますね。GENとPRXは5人で戦ってる感じが凄いして、個人間の信頼とかも試合を見ていて分かるので、お互い信じ切ってプレーできているのも強さの秘訣かなと思いますね。
◆韓国での生活について
――では少しVALORANTの話から離れて、韓国での生活について伺っていこうと思います。Anthem選手は韓国生活が2年目でしたが、もうリーグ期間中の生活には慣れましたか?
Anthem選手:そうですね。慣れたと言うか飽きたくらいで(笑)。ご飯はトレーナーさんがいてくれたおかげで飽きなかったんですが、もしいなかったらしんどかったと思います。
――トレーナーさんはどんな料理を作ってくださっていたんですか?
Anthem選手:なんだろう…肉料理? 和食とかって言うよりは何でもありって感じでしたね。
――neth選手は始めての韓国生活はいかがでしたか?
neth選手:結論めっちゃしんどかったです(笑)。kinnikuさん(トレーナーさん)が料理作ってくれたのが本当に嬉しくて、あれがなかったら……。
あとはみんなといるのが嫌とかは無いんですけど、自分は1人の時間が欲しいタイプなので、共同生活がちょっと落ち着かなくて、あんまり休まらないまま韓国生活が終わった感じはしましたね。
――韓国のご飯はいかがでしたか?neth選手は辛いものとかは大丈夫なタイプです?
neth選手:自分は韓国料理とかも出てくる家庭だったので、辛いのが苦手とかは無かったですね。ただSSeeSとかMeiyは辛いものが得意じゃなくてしんどそうにはしてましたね(笑)
Anthem選手:あとはやっぱり共同生活だとそれぞれの性格だったり、生活リズムがあるので、自分だけのリズムで生活するのが難しくて気を使う部分はありましたね。
neth選手:自分もトイレのウォシュレットが無かったり、日本と違うちょっとしたことが積み重なってストレスになってたのはありましたね。
◆Championsの注目チーム・優勝予想
――少し脱線してしまいましたが、VALORANTのお話に戻ろうと思います。Champions2024の出場チームが全て決定しましたが、お二人の注目チームを教えて下さい。
neth選手:自分はTeam Vitality(VIT)で、特にデュエリストのSayfがヨーロッパで一番強いんじゃないかと思っていて、Championsでどれくらい活躍してくれるのか楽しみにしてます。
あとは中国のTrace Esports(TE)はよく知っているチームなのでどこまで戦えるのかも気になりますね。AmericasだとG2 Esportsは試合を見てて良いなと思っているチームの1つなので注目してますね。
Anthem選手:nethさんも言ってたけどVIT Sayfがプレーが強いのもそうなんですが、どちらかというと性格が好きで。結構トキシックって言われてるんですが、しっかりと結果を残していてキャラクターも強いので、VITは気になってますね。
――続いて発表されたばかりのトーナメント表なんですが、こちらはご覧になっていかがですか?
neth選手:やっぱりグループBはMasters Madridで結果を残したチームが集まっているので注目ですよね。グループCはLeviatánのaspas、TLNのPrimmie、VITのSayf、TEのKaiって感じで突出したデュエリストが集まっているので、力比べみたいな試合になって見てて楽しそうですよね。
Anthem選手:もちろんBは気になるんですが、グループDもEDward Gaming、FUT Esports、PRXと個人技の結晶みたいなチームが集まっていて、そこに対してチーム力のG2がどこまで戦えるのか、自分がG2好きってのもあって気になってますね。
――やっぱりグループBは要注目なんですね。Xなどでも死のグループとして話題になっていました(笑)。では気になるチームを上げて貰ったんですが、お二人の優勝予想もお聞きしたいと思います。
neth選手:自分はGENかFnatic(FNC)ですね。最近のFNCの試合を見るまではGENが優勝すると思っていたんですが、EMEAのプレーオフを見たらFNCの新メンバーのhiroがかなりマッチしてて、両方チーム力が高くてどっちかが優勝だと思ってます。どちらかというと……やっぱりGENかなぁ……。
Anthem選手:GENが勝ちそうな気はしてますね~。IGLをしつつフィジカルも劣ってないMunchkinがいて、t3xtureもaspasとかに全然負けないデュエリストだと思うし、総合力がとにかく高いのでGENかな~と思いますね。
――GENが優勝すると1年間の成績がとんでもないことになりますし、やはりPacificのチームには頑張ってもらいたいので期待してしまいますよね!
◆リーグプレイヤーから見た現在のVALORANT Challengers Japan
――続いては日本の国内シーン、VALORANT Challengers Japanについて少しお話できればと思うのですが、お二人はリーグ期間ということもありあまり試合はご覧になられてないですかね?
neth選手:でもちょうど練習前とかに試合が始まるので、チラチラみんなで試合や結果を見たりしてましたね。ガッツリは見れてないですが。
――ではそのチラチラっと見ていた中で、このチームいい感じだなとかありますか?
neth選手:RIDDLE(RID)は自分たちも結構知っていて、最初の方はまだまだ纏まって無くて、パフォーマンスが出せてないなって感じでしたね。でもStage2ではかなり仕上がってたし、1位通過も納得の強さだったので、それが初めてのオフラインでどう出るのか楽しみですね。
あとはFENNEL(FL)も自分たちの中で話題になってて。今回は駄目なのかな…と思ってたんですが、いつも通り結局オフラインに進出してて、調子を上げてきていたのでやっぱり強いなと思いましたね。
――Anthem選手はいかがですか?
Anthem選手:RIDはJoxJoが入ってから纏まりが出てチームとして強くなったなと感じますね。FLもTENNNさんが入ってメンバーが変わったのもあって少し苦戦していたのかなと思ったんですが、プレーオフまでの短い期間で仕上げて来てたのは流石だなと思いました。
あとはSengoku Gamingもチーム力だけじゃなくJinboongとGwangboongの爆発力が凄いので、本当にどのチームも見ていて面白いなと思いますね。
――ちなみにお二人は国内リーグからインターナショナルリーグへ参戦されて多くのチームと対戦されていますが、同じ国のチームと戦う時と海外のチームと戦う時っていうのは、もちろんチーム力やフィジカルなどの差はあると思いますが、それ以外に大きな違いなどは感じられていますか?
neth選手:Challengersでやっていた頃と比べるとプレッシャーが凄いなとは思いますね。敵のレベルとは関係なく、上手く自分のパフォーマンスを出せなかった様に感じます。
逆に国内リーグだと知っているプレイヤーが多くてクセとかもわかっていたので、やりやすかった部分はありますね。VCTだと普段は戦わない選手との試合なので、プレッシャーのかけられ方が違ったかなと思います。
Anthem選手:自分は国内であまり結果を残せてないんですけど、見ていて思うのは5人全員の戦術理解度とかチームとしてのシステムの差が大きいと思いますね。
日本国内だとスクリムでは「エイムで勝てばいいでしょ」って感じでも本番だと自身を失くしてそうな撃ち合い方とか多くて、海外の選手はプレッシャーに負けない自身を持ってて、自分の強みや弱みをしっかり理解している人が多いのを感じます。
◆2025年シーズンに向けて
――最後になりますが、2025年に向けたお話を少しさせてください。まだどうなるかはわからない部分が多いとは思いますが、来シーズンに向けた意気込みを聞かせていただけますか?
neth選手:全員が全員どうなるかまだ決まってないですが、それでもチームとして成長のさせかたはコーチや裏方の人たちも今年でかなりわかったと思うので、来年はもっと行けるんじゃないかなと思ってます。
個人としては今年が一番成長できた年だと思ってて、もっと成長できるとも感じているので、どのチームでやることになるかはわからないですが、今年の伸ばした部分を発揮できるという自身はありますね。
Anthem選手:正直2024年をまだこのチームで戦いたかったってのが先に有って…。でも自分たちはもう節目を迎えたので、2025年はどうなるかまだわからないですが、変わることがあれば受け入れて頑張っていこうと思います。
個人としては来年もまたリーグに挑戦したいですし、やれるならもっとチームを勝たせたいですね。
――ありがとうございます。来シーズンもお二人の戦う姿を見れるのを楽しみにしています!本日はインタビューを受けてくださりありがとうございました。