北米やラテン地域などのプロゲーミングチームが出場する『VALORANT』リーグ「VALORANT Champions Tour 2024 Americas League(以下、VCT Americas)」にて、マッチ中に出場選手のマウスの充電が切れてしまうハプニングが発生。しかし、とっさの機転でチームを勝利に導きました。
◆マウスが動かないならデコイになればいいじゃない
事件が起こったのは、「VCT Americas Stage1 Week3」の100 Thieves(以下、100T)vs Cloud9戦。試合後半のラウンドスコア9-6の状況のなか、100TのBoostio選手が操作するゲッコーはナイフを振り続けていました。この行動に、実況陣も「マウスの充電が切れた?」と気付きます。
『VALORANT』を含めたたいていのFPSゲームでは、マウスは視点の移動と射撃を担っており、マウスの充電切れは敵への攻撃はおろか、見たい場所の確認すら難しくなることを意味します。
既にこの時点でラウンドの残り時間は40秒ほどでしたが(1ラウンドは1分40秒)、充電切れのBoostio選手を含む全てのプレイヤーが生存しており、100Tはサイトにスパイク設置に成功しました。
その後、充電が切れたBoostio選手はキーボードだけで可能な“移動”を使って、敵の視線を誘導するように不可解な動きをし、自らがデコイ(おとり)となったのです。Boostio選手は倒されたものの、その謎の動きに視線が向いた敵をチームの仲間が倒して、そのラウンドを無事に勝利しました。100Tはその後マップスコア:2-0で勝利を収めています。
もしそれ以外のプレイヤーが倒され、Boostio選手だけが残った場合は勝つことが難しい状況でした。咄嗟の機転であえて、あえて「自らがおとりになって味方に倒してもらう」ことによってラウンドを勝利に導いたと言えます。
いずれにせよ、この行動ができたのはプロ選手だからこそ。試合の前にはマウスを含めデバイスの充電状況をよく確認しておきましょう。