「Challengers JapanはまるでTier1」でもそれが…―元SCARZコーチ Fadezisが海外インタビューで語る日本競技シーンの強みと更なる発展への提言

元SCARZコーチFadezis氏は、日本のVALORANT Challengersを「Tier1並み」と評価しつつ、その快適さゆえに課題が生まれていると指摘。意識改革と指導者の必要性を説いています。

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「Challengers JapanはまるでTier1」でもそれが…―元SCARZコーチ Fadezisが海外インタビューで語る日本競技シーンの強みと更なる発展への提言
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元SCARZコーチであるFadezis氏が、海外メディア「VALO2ASIA」のインタビューに登場。VALORANT Challengers Japanを「まるでTier1」と評価する一方で、その快適すぎる状況こそが問題を生んでいると提言しています。

FadezisコーチはBLUE BEES、SCARZと日本競技シーンで活躍、現在は「E-KING」のコーチとしてオセアニア地域のChallengersで活動しています。SCARZでは2023年に国内優勝を果たし、Ascensionトーナメントに出場、準優勝を収めました。Fadezisコーチのタイムアウトがラウンド取得に大きく寄与することから“アルティメットアビリティー”と称されるなど、コーチとして高く評価されました。

Challengers Japan 2023 Split2 Playoffの様子

◆「Challengers JapanはまるでTier1」でもそれが…

VALO2ASIAのインタビューでは、Challengers Japanについて「他のどのTier2サーキットと比べても、史上最高の環境が整っていると言えるでしょう。多くの視聴者、熱心なファン、数多くのプロチーム、資金、そして大規模なLANイベントでの素晴らしいプロダクション。Challengers Japanにいるだけで、まるでTier1の環境に身を置いているように感じられるはずです」と語ります。

この言葉から、Fadezisコーチ自身が日本で活動した際に感じた、シーンの熱量と充実ぶりがうかがえます。選手やコーチにとって、これほど恵まれた環境でプレイできることは、大きなモチベーションに繋がるはず。

しかし、この「快適さ」こそが、日本シーンの大きな課題を生んでいると、Fadezisコーチは指摘しています。通常、競技シーンは純粋な情熱や「自分が一番だと証明したい」という渇望から始まり、厳しい競争を経て成長し、徐々に環境が整備されていくものです。日本はその「ハングリーな成長段階」をスキップしてしまったのではないか、というのが彼の考えです。さらに、日本の才能ある選手がトップシーンへ昇格しづらい背景には、特有のファン文化や契約形態、代理人がいないなど、さまざまな問題があると指摘しています。

2023年のAscensionの様子

◆必要なものは「次世代を導く存在と、意識改革」

では、日本シーンがこの「快適すぎる環境」という課題を乗り越え、真の国際競争力を身につけるためには何が必要なのか。

「まず、選手一人ひとりのマインドセットの変革が必要です。そして、経験豊富な指導者の存在が不可欠です。次世代を導き、プレッシャーへの対処法を教え、プロフェッショナルとは何かを身をもって示せるIGL(インゲームリーダー)やコーチがもっと増えるべきです」

と、プロフェッショナルなリーダシップを持った人材が必要であるとしています。


そのほかインタビューでは、韓国シーンとの比較、キャリアパスとして存在するストリーミングの影響などが語られています。全文はVALO2ASIAをご覧ください。なおこのインタビューは前後編で構成され、近日公開される後編ではコーチになるまでの経緯や、コーチとしての役割や規模に関する考え方が明かされるとのこと。


《岡野 朔太郎》

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「最高の妥協点で会おう」 岡野 朔太郎

東京在住ゲームメディアライター。プレイレポート・レビュー・コラム・イベント取材・インタビューなどを中心に、コンソールゲーム・PCゲーム・eスポーツについて書きます。好きなモノは『MGS2』と『BF3』と「Official髭男dism」。嫌いなものは湿気とマッチングアプリ。

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