『VALORANT』がリリース5周年を迎えるにあたり、開発チームによるDEV UPDATESが公開されました。アビリティのバランス調整、スマーフアカウントへの対策強化、新マップ導入とマッププールへの追加、Premierの新機能、Unreal Engine 5への移行、そしてついにリプレイ機能の実装など、プレイヤーにとって注目の情報が満載です。
『VALORANT』は5周年を記念し、過去の楽しい思い出を振り返る特別な無料イベントパスを配信します。さらに、「5 Years // Beta リマスター カプセル」として、ベータ初期の懐かしいナイフが復刻。新たな変化するガンバディーやアニメーション付きプレイヤーカードも登場し、古参プレイヤーも新規プレイヤーも楽しめる内容となっています。
開発チームが発表した主なアップデート内容は以下の通りです。
◆アビリティのバランス調整:より健全なゲームプレイを目指して
『VALORANT』は5周年という節目に、ゲーム全体を包括的にレビュー。パワーバランスやデバフへのカウンタープレイの余地、サイト全体に影響を及ぼすアルティメットアビリティなどを検証し、改善の必要がある部分に調整を加えていく方針です。
既にミニマップのアップデート、ブリムストーンのモロトフのサウンド改善、レイズの爆発エフェクトの視認性向上、デッドロックの「バリアメッシュ」の体力インジケーター表示など、一部の調整は適用済みです。開発チームは今後もプレイヤーからのフィードバックを注視し、『VALORANT』のプレイ環境を継続的にモニタリングしていくとしています。
◆新マップのインセンティブ:コンペティティブへの早期参加を促進
パッチ11.00では新マップが登場。新マップはリリース初日からコンペティティブキューで利用可能になります。多くのプレイヤーがコンペティティブで初めて新マップを体験することを考慮し、マップ学習をサポートする施策として、最初のパッチサイクル期間中(2週間)は、新マップでのRR喪失量が50%低減されます。ただし、勝利時には通常通り100%のRRを獲得できるため、積極的に新マップへ挑戦できる環境が提供されます。
◆プレイヤー行動とスマーフ対策:多要素認証導入へ
アカウント共有の制限を強化するため、その第一歩として多要素認証(MFA)が導入されます。主に疑わしいアカウントアクティビティが検出された場合に、アプリやSMSによる認証が要求されるようになり、将来的には全てのコンペティティブアカウントへの適用も検討されています。これにより、アカウントの透明性を高め、セキュリティ対策を強化することが狙いです。この機能は年内に実装予定で、詳細は後日発表されます。
また、年内にはアカウントの行動評価状況をゲーム内で容易に確認できるようになります。自身のアカウントが警告やペナルティを受けているか、違反行為を繰り返した場合に次に受けるペナルティの重さなどが表示される予定です。
◆コンペティティブ:Premierの新機能とPick’Emsの復活
パッチ11.00のPremierでは、ウィークリーマッチに参加したプレイヤーはチームタグを利用可能になります。さらに、プレイオフトーナメントで勝利を収めた際には、それを祝う特別な方法も追加予定とのこと。
そのほか、競技シーンの最高峰であるMasters Torontoの開催前には、もう一つのアップデートとして「Pick’Ems」が復活します。Champions Seoulでの好評を受け、今後は全てのMastersおよびChampionsイベントで実施される予定です。
◆Unreal Engine 5への移行:次世代の『VALORANT』へ
『VALORANT』は開発から10年以上にわたりUnreal Engine 4で開発されてきましたが、ついにUnreal Engine 5へのアップグレードが決定しました。この移行は7月末頃にリリースされるパッチ11.02で実装予定です。
エンジン変更に伴い、この日のパッチは通常よりサイズが大きくなり、ダウンロードに時間がかかる可能性があるため注意が必要です。開発チームは、このアップグレードによってゲームプレイに違和感が生じないよう細心の注意を払っており、短期的にはゲームの見た目、操作感、エイムの精度などは従来と変わらないように調整されるとのこと。
長期的には、フレームレートの改善や今後のパッチダウンロードの高速化といった恩恵が期待できます。さらに、UE5移行を記念した特別なガンバディーも登場。パッチ11.02の期間中にログインした全プレイヤーが受け取れます。
◆待望のリプレイ機能:ついに実装へ
多くのプレイヤーから要望が寄せられていたリプレイ機能が、9月のパッチ11.06よりPC向けに実装されます。コンソール版については少し遅れて年内に実装予定です。初期バージョンでは、コンペティティブの試合を対象に、ライブパッチで最近プレイした試合を分析できるようになります。将来的には他のモードへの対応も検討されています。
◆VALORANT Esports:2027年に向けた構造改革
VALORANT Esportsは、各チームとのパートナーシップの第1サイクルが来年末に終了することを受け、2027年初旬に向けて大規模な構造変更を計画しています。
よりオープンな構造へ: パートナーシップは重要な要素であり続けつつも、VCTをよりオープンな構造に進化させ、ティア1とティア2、プロ大会とコミュニティ大会間の差を埋めることで、より多くのチームに大舞台で戦うチャンスを提供することを目指します。
より柔軟な構造へ: 世界各地で、より幅広い競技形式やイベント形式をサポートできるシステムを設計します。
エコシステムの一体感を強化: MastersやChampionsのようなグローバルイベントは、ゲーム、スポーツ、コミュニティ、カルチャーといったVALORANTを特別なものにする要素を結集させる重要な機会です。グローバルイベントの数は現状で適切としつつ、特に地域レベルでこのような一体感を感じられる瞬間を増やしていく方針です。