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『2XKO』開発陣に直撃! シーズン1のバランス調整、新チャンピオン「ケイトリン」の設計思想、日本の格ゲー文化を尊重するeスポーツの未来とは【インタビュー】

『2XKO』はシーズン1でバランス調整や新キャラ設計、日本の格ゲー文化を尊重したeスポーツ展開に取り組む。

いーさん

いーさん

Riot Gamesの基本プレイ無料格闘ゲーム『2XKO』のシーズン1が開始しました。本稿ではシーズン1開発のキーマン3名に、ゲームバランスの核心、新キャラクター「ケイトリン」のゲームデザイン、そして日本やアジア地域における競技シーンの未来についてお話を伺いました。


開発トップが語るバランス調整の難しさと、プレイヤーと共に歩む進化の過程

――強力なキャラクターやバックダッシュ、タッグやパリィといったシステムが複雑に絡み合う中で、ハイレベルなプレイにおけるバランス調整にはどのように取り組んでいますか?

Alex Jaffe氏(リード・チャンピオン・デザイナー): ハイレベルなプレイにおける『2XKO』のバランス調整は非常に困難です。その大きな理由は、本作のシステムが非常に動的で柔軟性に富んでいる点にあります。チャンピオンチームの視点としては、ローンチ時点でのキャラクターのパワーレベルを慎重に検討し、バランス調整チームと密接に連携しながら、最終的にどの程度の強さに落ち着くかを評価しています。

新チャンピオンはまだライブ環境に出ていないため、その作業の大半は社内でのプレイテストと分析に基づいています。特にゲーム分析チームが徹底的にプレイを重ねていますが、実際にリリースされてみないと分からないことも多く、私たちが想定していなかったコンボが一つ見つかるだけで、キャラクターのパワーバランスが完全に崩れてしまうこともあり得ますから、リリース後の調整も不可欠です。

これが『2XKO』におけるバランス調整の核心だと思います。私たちはこのゲームの予測不能な部分を愛していますが、同時にそれが、物事がどう転ぶかを確実に予測することを難しくしている要因でもあります。

――「アルファラボ」やアーリーアクセスでのプレイヤーからのフィードバックは、これまでのゲーム開発にどのような影響を与えましたか?また、そこから何を学びましたか?

Alex: プレイヤーからのフィードバックは、私たちにとって非常に大きな原動力となっています。プレイヤーは多種多様で思慮深い視点をもたらしてくれますし、彼らの言葉だけでなく、実際にどのようにゲームをプレイしているかからも多くのことを学んでいます。

フィードバックによって、私たちが既に認識していた問題の深刻さを再認識することもあれば、新たな問題に気づかされることもあります。時には、あるプレイヤーの要望を満たすと他のプレイヤーの要望と対立してしまうケースもあります。最終的には、全てのプレイヤーが同じものを求めているわけではないため、「このゲームは何なのか」「誰のためのゲームなのか」という明確なビジョンを貫く必要があります

ただ、解決策がシンプルなときは本当に嬉しいものです。例えば、シーズン1でのコアルールの変更が良い例です。多くのプレイヤーから「飛び道具を撃った相手本体に攻撃をヒットさせたのに、飛び道具の判定が残って当たってしまうのがカオスすぎる」という意見がありました。私たちはこの仕様を変更した場合の影響を検討しましたが、変更する価値は明らかだったのでシンプルに修正しました。これにより、ほとんどの飛び道具は本体への攻撃を成功させれば消滅するようになりました。結果として、ゲームプレイはより洗練され、理解しやすいものになったと思います。

――プレイヤーの「タッグシステム」に対する理解はどのように進化していると感じますか?

Alex: 長期的な視点で見ていて興味深いのは、他のタッグ系格闘ゲームの経験者が、本作の「ハンドシェイクタッグ(交代)」に適応していく過程です。初めてプレイする人を見ると、特にデュオプレイではタッグの使用頻度がかなり低い傾向にあります。

しかし時間が経つにつれ、アクションを行っていない待機中のキャラクターに切り替えることがいかに強力であるかに、皆さんが気づき始めているようです。そのため、立ち回りでより積極的にタッグを使ったり、タッグを利用した興味深いコンボルートを開拓したりする動きが見られます。それに伴い、2回のハンドシェイクタッグが可能になる「フリースタイル」の人気と評価が高まってきています。私自身、柔軟性と創造性、そして時には理不尽なほどの強さを発揮できるため、ずっとフリースタイルの熱心なユーザーです。こちらの確定反撃から2回もタグで逃げられる相手を咎めるのは至難の業ですからね!

──格闘ゲームにおけるスキンの開発やリリースのペースにはどのようにアプローチしていますか?また、『リーグ・オブ・レジェンド』など他のRiotタイトルとの違いはありますか?

Alex: 私自身はスキン開発の担当ではありませんが、これだけは言えます。開発者たちの芸術性にはいつも驚かされています。彼らはチャンピオンの限界をギリギリまで押し広げています。

重要なのは、スキンを変えても「そのキャラクターであること」が明確であり、他のチャンピオンの領域を侵さず、技の視認性を保ちながらも、全く異なるファンタジーを探求している点です。時として、良いスキンとの出会いが、そのキャラクターを好きになるかどうかの分かれ目になることさえあります。私自身、『ストリートファイターV』でキャミィを使っていましたが、彼女の見た目にはそこまで惹かれていませんでした。ですが、「ハロウィン・キャミィ」を見た瞬間に考えが一変し、そのキャラクターを愛するようになった経験があります。

ケイトリンに込めた“スナイパー×格闘ゲーム”の想い

──なぜケイトリンは『2XKO』に適していると考えたのでしょうか?また、ライフルを主体とする彼女のアイデンティティを、どのように格闘ゲームに落とし込みましたか?

Caroline Montano氏(ケイトリン チャンピオン・デザイナー): ケイトリンが適任だった理由はいくつかありますが、最大の理由は彼女が非常に明確なアイデンティティを持っているからです。彼女は「スナイパー」であり、正確で、慎重で、常に先を読んで行動します。罠やボーラーを使って相手の行動範囲を狭めていく戦い方を得意とします。

彼女のライフル主体のアイデンティティを格闘ゲームに落とし込むにあたって、手動でのエイムやリロードといったスキルテストの要素を取り入れ、ライフルを使ったゲームプレイ自体が楽しくなるようにすることを目指しました(ケイトリンの射撃はエイム角度を変更でき、頭に当たるとヘッドショットダメージボーナスが発生します)。

しかし同時に、彼女を「遠距離から撃って逃げ回るだけのキャラクター」にはしたくありませんでした。近距離での崩しの選択肢も持たせています。実際、彼女の最も強力なコンボのいくつかは、射撃と近距離攻撃を組み合わせたものになっています!

格ゲー大国・日本とアジアの独自性を尊重するeスポーツ展開

──日本およびアジア地域全体における競技シーンの展望についてどのようにお考えですか?

Michael Sherman氏(eスポーツ・ディレクター): 私たちは、日本およびアジア地域全体が『2XKO』の将来にとって非常に重要であると考えています。これらの地域には格闘ゲームの深い歴史があり、強力なローカルトーナメントのエコシステムが存在します。

私たちの焦点は、単一のグローバルな構造を押し付けることではなくすでにそのシーンを支えているイベントや主催者を支援することにあります。ゲームの成長とともに、各地域から学び、それぞれの市場のプレイヤーにとって意味のある方法で競技をサポートしていきたいと考えています。

具体的には、「2026 コンペティティブシリーズ」のようなグローバルプログラムに加え、地域のチームと連携し、各地域における格闘ゲームの在り方やニュアンスに合わせたローカルプログラムを構築できるよう支援していきます。


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