• VALORANT
  • インタビュー

Medusa「MVPはダントツでツルギ」rion「優勝で恩返しできた」―優勝の裏側とrionのイベント哲学、Medusaへのアツい思いも飛び出した決勝後インタビュー【デビクラ杯】

「Devil Clutch杯 #5」を制したUIFのrionとMedusaコーチへインタビュー。強豪GOAへの勝因や柊ツルギの成長、プロ活動の傍らで支え続けたコーチへの感謝など、集大成となった激闘の裏側を語ります。

まっつぁん

まっつぁん

12月11日、横浜BUNTAIにて開催された「Devil Clutch杯 #5」決勝戦。「Up In Flames(UIF)」は強豪「Glory ONCE AGAIN」をマップスコア3-1で下し、約一年にわたる活動の集大成を見事優勝で飾りました。


本稿では、チームを牽引したリーダー・rionさんと、彼らを導いたMedusaコーチのインタビューをお届けします。強敵・GOA戦で見せた「焦らない」戦い方の裏側や、コーチ視点で見た柊ツルギさんの劇的な成長、そして無償の愛でチームを支え続けたMedusaコーチへの思いなど、優勝の立役者となった二人にたっぷりと語っていただきました。

◆紆余曲折のUIF、1年間を優勝で飾る

――「デビクラ杯」優勝おめでとうございます!まずは、率直な今の感想を教えてください。

rion:まずは安心という気持ちが大きいです。ファンの皆さんが僕等をたくさん応援してくれていると感じていたので、終わった瞬間、その恩返しができたことに一安心しましたね。

Medusa:昔一緒に『VALORANT』をプレイしてきたメンバーと一緒に、コーチとして優勝できるとは思っていませんでした。ここ最近は練習ができていなくて少し不安でしたが、これまで頑張って積み重ねてきたものがあり、無事に優勝できて本当に嬉しいです。

――予選が終わってから、GOA戦に向けた対策の時間を作ることも難しかったんですね。

Medusa:特に対策はできていませんでした。ピストルラウンドからの流れを少し練習したくらいですね。本当に忙しくて時間が作れなかったです。

―― rionさんはいかがでしょう?

rion:他のチームのみんなも条件は同じだったので、特に心配はしていませんでしたね。週3回に決められていたチーム練習もしっかりできて、チームで話し合いをしている時間も多く、むしろ他のチームよりも練習できている感覚がありました。

――決勝の相手は#3、#4と連覇した強敵のGOAでした。実際に決勝の舞台で対決してみて、どう感じましたか?

rion:GOAは個人的に対戦しやすい相手でした。マクロもミクロもしっかりしていて、1人で無理に詰めてくることもなく、イレギュラーが起きにくい“決まった動き”をするチームなので、全体の流れを把握しやすかったんです。

また、ある程度固まって動かれても、僕たちにはそれを覆せるフィジカルがありました。チームメンバーのRasやツルギも撃ち合いは強いですし、僕を含めBiju、zepherといった撃ち合いに強い元プロメンバーが揃っていたので、GOAに対して苦手意識はなかったです。

――コーチ目線でいかがでしたか?

Medusa:僕もGOAはそこまで怖くはありませんでした。GOAはチームプレイを大切にしている印象で、“チームプレイ”という目的で動いている相手だと、コーチとしても動きが読みやすかったんです。

rion:対策しやすかったりは実際あったよね。

Medusa:タイムアウトで「こうやれば勝てる」というのが伝えやすい相手でした。個人的には「Gokujo Busters(極上BUSTERS)」が来たらワンチャン負けるんじゃないかなと思っていました。結果的にGOAとの対戦で、試合の流れも上手く進んでよかったです。

――優勝を決めたアビスでは、序盤で6-0と大きなリードをしたものの、最終的には接戦となりました。

Medusa:6本先取したあたりで「ほぼ勝ち確だな」と思っていました。相手のほうが絶対に焦っている状況だと考え、そこからはタイムアウトも一切取りませんでしたね。自分たちは1マップ落としてもまだ優勝が残っている状態だったので、焦らずにプレイできました。

◆Medusa「断トツでツルギ」、rion「全員」―それぞれのMVP

――大会ではzepherさんがMVPを獲得しましたが、お二人からみた今日のMVPはどなたでしょうか。

rion:選べないなあ。Rasは最終マップで撃ち合いが本当に強かったし、元々使っていたジェットで伸び伸びプレイしていて、撃ち合いの面で助けられました。

ツルギはオフライン組が焦っちゃっていた中で一番落ち着いていて、励ましやコールなどしてくれました。僕がMedusaから「焦らないで。rionがしっかりしなきゃいけないところだよ」と言われていたんですが、ツルギのおかげで自分はすごく助けられていました。

Bijuは「絶対勝つだろうな」というシーンが結構ありましたね。Bijuがいるからこそ割り切って守れる場面も多かったです。彼は“破壊”と思われがちですが、ラウンドを取るプレイが本当に上手いんです。それを考慮して配置を決めていたこともあるくらいです。

zepherはもう言わずもがなで「俺が(サイトに)行くわ。俺がドライで行くから絶対勝てるから」といった無敵なコールも入れてくれました(笑)

なので……MVPは本当にみんなですね。冗談抜きでそう思っています。

――Medusaさんはいかがですか?

Medusa:自分は断トツでツルギです。どうしてもそう思ってしまいます。今まで一緒にやってきた期間も長くて、ずっとツルギの成長を真横で見てきた立場としては、本当に今日のパフォーマンスは良かったです。チーム内のVCでも一番落ち着いていて、何か言われたらすぐ行動に移すのも早くて、本当に偉いなと感じていました。

――大きく成長しましたね。

Medusa:今まで教えてきたものが積み重なって、今日それを発揮してくれました。試合中でもさらに成長している姿もありましたし。

デビクラ杯を通じて、特に感じるのは『VALORANT』自体が上手くなったなことです。キャラコンは「人が変わった」と思うくらい良くなりました。
あと撃ち合いもですね。ただマウスを動かすだけではなく、撃ち合いの勝率を上げるための考え方を教えていたんですが、すぐに吸収して成長し、次の階段に上がっていく。そこがツルギの良いところです。

――ズバリ、今日の柊ツルギさんにどんな言葉を送りたいですか?

Medusa:本当に…「上手くやった」と言いたいです。

◆「100%満足して帰ってもらいたい」rionを変えた加藤純一の背中

――rionさんに伺います。予選前のインタビューで「盛り上げでも試合でも全部で上に立つ」と宣言されていました。有言実行できた今の心境を聞かせてください。

rion:正直、有言実行できたとは思っていません。Medusaに言われた通り、試合では焦ってしまっていた部分も結構ありました。盛り上げるといってもあまりたくさんのファンサもできませんでした。今日は本当に、みんなに助けられたと思います。

――加藤純一さんが「rionさんのイベントに向き合う姿勢」を評価するクリップがバズっていましたが、ご覧になりました……?

rion:見ました!

――今日も積極的に会場を煽るなどされていましたが、rionさんのなかにイベントに臨む際の哲学のようなもの、あったりするんでしょうか?

rion:加藤純一さんの周りの方達は、本当にイベントを盛り上げようという意識が高いんですよ。規模に関わらず「100%満足して帰ってもらいたい」という気持ちでみなさん臨まれてるんです。初めて加藤さんのイベントに呼んでいただいたとき、それを肌で感じ、自分が何もできなかったし、舐めていたな…と思いました。加藤さんに間接的に(自分を)変えていただきました。今日も来ていただいた方に100%満足して帰ってもらおうと、全力で挑みました。

◆勝利へ導いたのは“無償の愛”―元チームメイト同士が抱くリスペクト

――最後に、ここまでの戦いを見届けてくれたファンへメッセージをお願いします。

rion:メンバーがかわったり、喧嘩っぽい話し合いがあったり、チームとして紆余曲折ありましたが、UIFはとても多くの応援をいただいたからこそ、優勝することができました。日頃から配信やSNSで「観に行くね」と声かけてくれるファンのみなさんにも、優勝という形で恩返しができて、本当に嬉しいです。UIFの活動はこれで一区切りですが、また集まってなにかしたいし、Medusaも含めて個々人の活動も応援してほしいです。ありがとうございました!

Medusa:1年弱ツルギとずっとやってきて、最後を優勝で終われて本当に嬉しいです。そして今回優勝できたのはファンの皆さんの応援のおかげです。感謝しかありません。

rion:Medusaって配信していないので収益がもらえるわけでもないにも関わらず、プロの活動終わってる僕等に有料級コーチングしてくれてたんですよ。すごくないですか?

――確かに。

rion:Medusaの「本当にこのチームを勝たせたい」という気持ちが僕等にも伝わっていて、それが優勝に繋がったと思います。チームみんな、同じ気持ちです。Medusaとは2021年に同じCrazy Raccoonとして優勝しましたが、そのときの懐かしい気持ちも思い出しつつ、改めて「すごいな」と感じました。改めて尊敬できるプレイヤーだなと感じました。

――Medusaさん、いかがですか?

Medusa:……ありがとうございます(笑)でも本当に、厳しい言葉しか吐かない僕と一緒にやってくれたメンバーには感謝しかないです。

rion:普通できないですよ。8時間以上のプロとしての活動を終えて、すぐに僕等の活動に来て何時間もコーチングしてくれるなんて。俺だったら絶対辞めてます(笑)Medusaってやっぱり人として尊敬できるなと思いましたね。

――アツいお話しをありがとうございました!改めて優勝おめでとうございます!

<取材:まっつぁん/取材、監修:岡野朔太郎/編集、撮影:松田和真>


SPECIAL CONTENTS ここだけの特別な記事