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2025年11月9日、中国・成都のDong'an Lake Sports Parkにて『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の国際大会「Worlds 2025」のGrand Finalが開催され、T1とKT Rolsterが対戦しました。
決勝の対戦カードはLCK第3シードにして、ここまで大会を15勝1敗と抜群のパフォーマンスで勝ち上がってきた「KT Rolster(KT)」と、同じくLCK第4シードにして、今大会はプレイインからの参戦ながらギリギリの場面を何度も乗り越えて勝ち上がってきた2連覇中の「T1」。
T1のFaker選手を象徴する2013年の「ゼドvsゼド」のシーンでも知られる両チームの顔合わせ。世界最高峰の舞台で伝統の“テレコムウォー”が繰り広げられます。


Worldsのグランドファイナルを彩る盛大なセレモニーで幕を開けた決勝で先手を取ったのはT1。Game1ではファーストブラッドこそKTのBdd選手に献上しますが、集団戦になるとT1が連携力の高さを見せつけ、KTの狙いを打ち砕くファイトを繰り返し大きくリード。丁寧にオブジェクトを取る盤石の試合運びで、完成度の高さを印象づける勝ち方で1-0とします。

Game2は一転、KTが攻勢に。T1がドラゴンコントロールでリードする展開となりますが、KTはタワーを中心にゴールド有利を築く形で対抗し、Bdd選手が早々にピックしたメルを軸にスノーボールに成功。最後はオールインファイトとなりましたが、ヘクステックソウルの恩恵を受けたKT PerfecT選手のレク=サイがフロントを張ってネクサス破壊まで辿り着き、1-1のタイスコアに。

T1がブルーサイドを選択し、これまでとサイドが入れ替わってのGame3はKTがMIDに“Bddクラシック”の異名も持つ得意ピックからシンドラを、そしてJGには今大会話題を呼んだドクター・ムンドを投入。序盤からキルが発生するハイテンポな幕開けとなりますが、スケールで上回るKTが後半から圧倒。最後はオブジェクトを巡る駆け引きでT1を揺さぶってエンゲージを決め、ゲームエンドに成功します。

Game1こそT1が得意の集団戦でのアグロピンポンを成功させ主導権を握ったものの、Game2からはKTがBdd選手とJG・Cuzz選手の高連携が決まり、先にKTが王手をかける形となりました。
Game4、追い込まれたT1はカリスタとレナータ・グラスクのコンボピックで勝負に出ると、JG・Oner選手がスマイトでドラゴンを立て続けにスティールするなど高い集中力を発揮してソウルのスタックに成功。Bdd選手もカシオペアのR「石化の魔眼」をクリティカルに決めて対抗しますがFaker選手のアニビアによるゾーニングが最後まで効果的に働き、29分でゲームエンド。これでお互いに2勝2敗となり、勝負の行方は最終戦に委ねられることに。


『Silver Scrapes』が流れる中、運命のGame5ではKTがヨリック、T1がカミールとTOPを強く見たピックを選択すると、Oner選手のガンクをきっかけにT1 Doran選手が大きくリードを握るスタートに。KTも中盤でBdd選手もシャットダウンを回収して反撃に出ますが、21分、JGのCuzz選手がトップサイドに見えている情報を機にT1がアタカンラッシュに成功すると、これを止めようと強引なエンゲージに出たKTのメンバーもまとめて飲み込みエースを獲得します。

KTはBdd選手のスモルダーにファームを集め果敢に逆転を狙いますが、高いキャッチ力を持つT1の狙いから逃げ切ることは出来ず、最後はエースからネクサスへとなだれ込み歓喜の瞬間に。フルゲームに及ぶ熱戦を制したT1が3年連続6度目の「Worlds制覇」の栄冠に輝きました。

この結果によってT1は2023年大会から史上初の3連覇を達成。「SK Telecom T1」時代を含め、2015年と2016年、そして2023年と2024年にかけての2連覇を自ら更新する前人未到の記録となりました。
一際大きく喜びを表したのは、3連覇中で唯一のメンバー変更として今シーズンからTOPでプレイしているDoran選手。名門の一員として過ごした今シーズン今大会のプレッシャーは想像に難くありませんが、個人初の決勝でも持ち前の安定感を武器に優勝を成し遂げ、試合後のインタビューでは感激のあまり言葉を詰まらせる姿も見られました。

そしてFinalsのMVPにはADCのGumayusi選手が選出され、名ADCとして活躍し、今年Hall of Legends入りも果たした憧れの存在であるUzi氏からトロフィーを受けとりました。今季はSmash選手との併用も経験するなど決して順風満帆とは言い切れないシーズンを過ごしたGumayusi選手ですが、Keria選手との抜群のコンビネーションを武器に今大会も見事な活躍。Game5でのミス・フォーチュンは出色のパフォーマンスでした。
LoLEsportsの15周年という節目を祝して開催された今大会。世界中からの期待を一身に背負いながらもLCK第4シードでプレイインからの参加と、決して前評判は高くなかったT1ですが、いざ試合が始まれば安定感ある試合運びを披露。スイスステージでは1勝2敗と敗退の瀬戸際に立たされ、ベスト8でも「Anyone's Legend」に先に2勝を許す展開となりながら、土壇場になると「勝負強さ」という言葉でしか説明できない強さを発揮し、チームとして6度目の栄冠を勝ち取りました。
29歳にして未だ向上しつづけ充実期にあるFaker選手を擁し、前人未到の記録を打ち立てたT1。新たに「DOFGK」としてLoLEsportsの歴史に名を刻んだ彼らの伝説は、果たしてどこまで続くのでしょうか。
