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シャープは9月3日、同社の独自技術「プラズマクラスター」に、『VALORANT』プレイヤーのパフォーマンスを向上させる効果があることを実証したと発表しました。この結果は、西日本工業大学、九州産業大学、そしてeスポーツチーム「QT DIG∞(キューティー ディグ)」との共同研究によって明らかになったものです。
同日、シャープとQT DIG∞はスポンサー契約の締結を発表しました。
今回の実証実験は、「QT DIG∞」に所属するプロのeスポーツ選手を対象に行われました。選手たちにはプラズマクラスターイオンを「照射している」か「照射していない(送風のみ)」かを伝えない状況で『VALORANT』をプレイしてもらいました。
その結果、プラズマクラスターを照射した環境では、照射なしの場合と比較して、ADR(平均ダメージ量/ラウンド)がチーム平均で18上昇、K/D(キルデス比)がチーム平均で0.17上昇。パフォーマンスが向上したとのこと。
さらに、選手たちへのアンケート調査でも、「集中力」「冷静さ」「瞬発力」といったeスポーツに不可欠な能力が向上したと主観的に感じていることが確認されました。
この実験結果を受けて、QT DIG∞のikedamaruコーチと実験を行った西日本工業大学 工学部の古門 良亮 准教授は以下のようにコメントしています。
<ikedamaruコーチのコメント>
eスポーツは通常のスポーツに比べても練習や試合の時間が長いため、持続的な集中力はもちろん、長いプレイ時間の中で瞬時にパフォーマンスを発揮する必要があります。プラズマクラスターイオンを導入するだけで、選手の認知力や判断力が直に反映されるADRやK/Dが上昇したことは驚くべき結果ですし、このスタッツの上昇力は、試合を決める1ラウンドの取得を左右するほどの効果があることを表していると思います。今回の検証や今後の取り組みを通して、eスポーツへ広く応用できるよう技術開発が進むことを期待します。
<古門 良亮 准教授のコメント>
熟練したeスポーツ選手は、オフィスワーカーの3~4倍程度のキーボードやマウス操作をおこなっており、その回数は1分間に500~600回とも言われます。さらにその操作量と複雑さから、eスポーツのプレイには高度な集中力と判断力が求められることがわかります。今回、プラズマクラスターイオンの導入後に、高水準のスキルを安定して発揮できるプロ選手において、一部のパフォーマンス指標に向上が見られた点は極めて注目に値します。今後、プラズマクラスター技術がeスポーツだけでなく、集中力や判断力を要する他の競技や教育現場、日常業務などでも応用されることを期待します。
シャープはこれまでにも、プラズマクラスター技術が学習効果や作業効率の向上に貢献することを実証してきました。また、8月30日、31日に行われた「VCT Pacific Stage 2 Finals Tokyo」でプラズマクラスター技術を用いたサポートを行っていました。
今回の結果は、プラズマクラスターイオンが作り出す空間が、極度の集中状態にある選手の認知能力をサポートし、より高いパフォーマンスを引き出す手助けをしている可能性を示唆しています。詳しい実験の内容は以下から確認できます。