VCT Pacific 2025 Stage 2 DAY 12にて、日本のZETA DIVISIONとPaper Rex(PRX)が対戦し、マップカウント2-0でZETAが勝利。Stage 2でなかなか掴めなかった一勝を、元世界王者相手に掴みとりました。
本稿では、試合直後に行われた合同インタビューの模様をお届け。XQQコーチとDep選手がPRX戦の感想や、ロータスをピックした理由、ゲーム内でのコールの変更について語りました。
◆良くない部分を全部リセットして戦うことができた
――本日の試合の感想からお願いします。
Dep:今日はシーズン中にあった良くない部分を一旦全部リセットした状態で挑むことができ、そのおかげでみんなのパフォーマンスが上がっているなと試合中に感じました。とにかく、まず一勝できて良かったです。
XQQ:T1戦でプレイオフに行けないことが確定してから、この2週間をどう過ごすかチームで話し合いました。残りのPRX戦とBOOM戦にどういうメンタルで挑むかという中で、今回はPRXの得意マップであるロータスに挑戦しようとみんなで決めました。たくさんの時間を使い、僕たちの持てる全てをかけて戦いました。
「意味のない試合」という見方もあるかもしれませんが、プロである以上、全ての試合に意味を持たせて戦わなければいけないと思っています。Depも言っていたようにシーズン中は色々な問題がありましたが、その上でここで本領発揮できたのかなと。少し遅かったですが、良かったなと思います。
――XQQコーチに質問です。今回、PRXの得意マップであるロータスをあえてピックして勝利しました。また、いつもはアセントをBANしていますが、今回はアイスボックスをBANしています。このBAN/PICKの変更について、どのような話し合いがあったのでしょうか?
XQQ:PRXはアイスボックスよりもアセントの勝率が圧倒的に低く、いつもアセントを1st BANか2nd BANで消しているのはわかっていました。なので、ある程度のギャンブルではありましたが、相手にアセントをBANさせることを狙ったマップの駆け引きでした。
ただ、ロータスのピックに関しては、もしこれを選んで負けたら“無能”呼ばわりされるだろうな…と思いながらのピックだったので、勝ってくれた選手たちには本当に「ありがとう」と言いたいです。
――Dep選手に質問です。普段のZETAはかなりスローテンポでプレイしている印象ですが、今回はそれに比べて非常に早いテンポの攻めが目立ちました。どういった変化があったのでしょうか?
Dep:それでいうと、今日の試合までは一人のコールをベースにゲームメイクしていたので、攻めに速い、遅いの波がなく一定だったと思います。今は「誰のコールでもオッケー」という形にしているので、速い攻めが好きな選手がコールすればそのまま速い攻めになるんで、そう感じたんじゃないですかね。
――XQQコーチに質問です。先ほどDep選手からコールの話が出ましたが、これまでの試合との違いはどこにあると考えていますか?
XQQ:一番大きな違いは、Depが話したように、一人のIGLを決めてそのコールに合わせる形から、できるだけ全員でファーストコールを行う形に変更した点です。これはシーズン中にどちらも試した上で、一人のIGLに従うスタイルを選んできた経緯があります。ただまあ今日は………上手くいきすぎましたね。
本当に勝ってほしい撃ち合いに全部勝ってましたし、PRX側からすればf0rsakeNがここで勝ってくれていればラウンド獲れたよなという場面が何度もありました。今回は僕たちが一方的に勝ち続けていたので、かなり上手くいきすぎた例ではあると思います。
このスタイルが自分たちに本当に合っているのか、次のBOOM戦に向けてどうしていくのかを改めて考えていきたいです。
――Dep選手に質問です。インタビューの冒頭で「良くない部分をリセットして臨めた」とおっしゃっていましたが、具体的にどのように気持ちを切り替えたのか、お聞かせいただけますか?
Dep:他の選手が何を思っていたのかは本当にわからないんですけど、プレイオフはもうないよねとなったことで吹っ切れたんだと思います。
来シーズンやこれからの選手活動をする上で「やっぱ自分に自信をつけたいいんじゃない?」という話をちょいちょいしていたので、それもデカかったなと思いますね。今日は各個人の撃ち合いが明らかに上手くいっていたなと。
――ありがとうございました!
コールの変更やBAN/PICKなどコーチ陣の見事な采配もあり、元世界王者・PRXを相手にStage 2初勝利を上げたZETA DIVISION。最終戦となる次戦は8月9日(土)のBOOM Esports戦です。