『リーグ・オブ・レジェンド』の国内公式大会、Split2にあたる「LJL STORM」もいよいよ大詰め。予選を突破した12チームによる3ラウンド制のスイスドロー形式を3周する「ストームスイス」を勝ち抜いたチームによるノックアウトステージへと突入しており、ベスト4チームによる準決勝・決勝を残すのみとなっています。
「そうは言っても、ここまでの大会を見てないんだよな~」という貴方のため、今回はLJL STORMの終盤戦を今からでも楽しめる「ベスト4チームと見どころ紹介」をお届けします!
◆準決勝第1試合:REJECTvsDFM.A
唯一の“3冠”権利保持者、REJECT(1位通過)
LJL FORGEを無敗で制したREJECTの強さはSTORMでも健在。
スイスステージのセット1ではQTD相手にLJL初黒星を喫した(必見の好ゲームでした!)ものの、その後は順調に勝ち星を積み重ねて上位をキープ。セット3の最終戦ではQTDへのリベンジも達成し、ポイントでは並んだものの勝利時間の差で1位通過を成し遂げました。
もちろんメンバーはSTORMから全員続投。今季は時折レーン戦で後手に回るシーンも散見されますが、中盤以降のオブジェクトを絡めたウェーブ管理やアクションの駆け引きが抜群で、ダイブやキャッチでキルを奪われているはずが、気づけば時間と共に膨大なリードを築き上げてゲームをまとめ切ってしまう試合が増えたのも印象的です。

個人のミクロで相手を圧倒して見せるだけでなく、マップ全体でのマクロの押しつけや集団戦の判断で一歩も二歩も先をいく姿は「REJECT、こういう勝ち方もできますよ」と言わんばかり。FORGE・STORM、そして続くIGNITEでの「LJL3冠」へ向けたチャレンジ第2章の結末やいかに。
ノックアウトステージではフィアレスドラフトが導入されるため、明確な得意チャンピオンの傾向があるMIDのRecap選手やSUPのRaina選手の手札を含め、Vicalコーチがどのようなドラフトを見せるのかにも注目です。
アグレッシブを冠する若武者部隊 DFM.A(3位通過)
1位通過で準決勝での対戦相手の選択権利を持つREJECTが指名したのは、LCPへ参戦中のDFMのアカデミーチーム「DetonatioN FocusMe Academy」。ノックアウト初戦では「Yang Yang Gaming」との派手な撃ち合いを制してベスト4へ進出しています。

FORGEでは安定感を欠き不本意な結果に終わったものの、STORMからはJGにトップチームでの出場経験もあるNesty選手を獲得し、Tobi氏がコーチ専念となったことでまとまりあるチームへと変貌。
何と言っても特徴は全員が強い勢いで進んで行く超積極的なスタイルで、もはやDFM.AはアカデミーのAなのかアグレッシブのAなのか、と言えるほど。JGケインが飛び出すなど個人の自信があるピックを優先し、対面からリードを奪う戦い方を得意としています。集団戦になると突発的なファイトであっても各自できっちり仕事をこなすアドリブ力も高く、スイスステージで黒星を喫しているREJECTを倒しての王座を虎視眈々と狙っています。

注目プレイヤーはBOTのDeant9選手。ただでさえ相手チームから狙われる立場となりがちなADCですが、アグレッシブなレーナーに加えてSUPのKurahuto選手もエンゲージに回ると「守られないけどダメージは出してね」という非常に酷な状態になることもしばしば。それでも機動力やCCを駆使して役割を完遂し、DFM.Aの集団戦を成り立たせているプレイヤーです。
これはチームメイトへの信頼があるからこそなせる業……のはず!ドラフト段階では選手カメラに向けてのパフォーマンスにも注目で、Nesty選手いわく「決勝まで勝ち進んだら(普段は不参加の)BOTデュオもパフォーマンスしてくれる約束」とのことなので、その行方からも目が離せません。

◆準決勝第2試合:QTD vs BCT
可愛げのない強さで勢力図塗り替え QT DIG∞(2位通過)
長年LJLを牽引してきた「Sengoku Gaming」が超強力ロースターを引っ提げSTORMから参戦。大会中にリブランディングを遂げ「QTD」となり、再出発を果たしたチームに華を添えるためにも「STORM優勝」は譲れない立場にあります。

今季はオープン予選からの出場となりましたが、スイスステージセット3の最終戦でREJECTに土を付けられるまでは18連勝と、まさにLJL STORMに嵐を呼ぶ勢いで勝ち進み、早々に“RC一強論”に終止符を打ちました。
歴戦のメンバーが揃っているQTDですが、中でもMIDのDICE選手は過去のLJL在籍時から名だたるKR戦士を含めても“最強”の呼び声も高かったキャリータイプのMIDレーナー。その腕前は衰え知らずで、曲者揃いの現LJLでもチームを勝利まで送り届け、喜びのネオンダンスを披露してくれています。

他レーンも強力ではあるものの「DICEに何のチャンピオンを持たせるか」はQTDのゲームプランを決める上で非常に重要なファクター。唯一の黒星となった試合ではカサディンを選択しながらもレイトゲームまで持ち込めないという、やや“もったいない”印象のゲームになってしまっており、改めてBO3、BO5でのドラフトをどう進めるのかは要注目です。
年齢・キャリアも近いメンバー構成からか雰囲気の良さも伺えており、チーム名は「キューティー」ですが、ひとたび試合となればまったく可愛げのない強さで相手を飲み込んで行く姿を見せてくれるでしょう。チームHPの選手紹介もおもしろいので、是非一度チェックしてみてください。
鮮度抜群!富山のLR砲が炸裂なるか BCT(4位通過)
富山から世界を目指す若きチーム「Burning Core Toyama」もFORGEに続いてベスト4へ進出。ただしチーム内容はガラリと変わり、MIDを務めていたEnapon選手がSUPへと転向し、MIDには新たに韓国のOK BRIONアカデミーからR0SEが加入しています。

メンバーも変わり新体制適応までに時間を要する……かと思いきや、Enapon選手のコンバート直後とは思えない的確なピール・エンゲージに、ゼドやリー・シン、果てはヴィエゴまで飛び出すR0SE選手の個性的なピックを武器に序盤から「ファイトやるしかない!」と言った顔つきでサモリフを暴れまわるオフェンシブなチームに生まれ変わり、新鮮な戦いぶりを披露しています。

FORGEでも圧倒的な破壊力を見せたBOTのL1mit選手と、飛び道具的なプレーが光るR0SE選手の“LRキャリーライン”の火力は間違いなく全チーム中でナンバーワン。しかしレーンの有利を他へと還元してスノーボールをしていく段階でチーム全体のズレやミスが起こることもあり、ベスト6での「Dream in 24」戦も壮絶なシーソーゲームに。ある意味最後まで気を抜けない試合を見せてくれるチームと言えるでしょう。
勝利試合を見るとTOPのtol2選手が集団戦で活躍できていることが大きな条件となっており、LRコンビにフォーカスが集中するからこその勝ち筋を切り開けるかが勝敗の鍵を握るでしょう。今でこそアンベッサの印象が強いものの、アカデミー選手だったころからTOPレンジドも使いこなすタイプなだけに、R0SE選手の読めないピックと組み合わせた意外なドラフトが飛び出すやもしれません。
惜しくもベスト4とはならなかったものの、グループ最終戦でカサディン&キンドレッドによるキャリー構成をやり切ってみせた「Yang Yang Gaming」や、Ramune選手の競技シーン復帰、そしてTOPレーナーのp1ing選手の活躍も話題を呼んだ「Dream in 24」など、オープン予選のLJLならではの個性派チームのパフォーマンスも目立ったLJL STORM。
FORGEで準優勝を果たした「VARREL YOUTH」が同率ながらゲーム時間の差でグループステージ敗退となる波乱も起こり、オープン予選ならではの先の読めない大会となっています。今季のノックアウトステージからはフィアレスドラフトも導入され、準決勝は4月29日(火祝)、そしてSTORM王者が決する決勝戦は5月6日(火)祝日と、ゴールデンウィークの余暇に楽しむにピッタリのスケジュールで、決勝戦はパブリックビューイングも予定されています。
LJL STORMの優勝チームが決まり、今季のLJLからLCP入れ替え戦を目指すためにも大きなウェイトを占める本大会。アツい戦いを是非ともリアルタイムで一緒に楽しみましょう!