2024年12月14日・15日にKアリーナ横浜で開催された「Riot Games ONE 2024」。イベント内で行われたエキシビションマッチ、「VALORANT PRO INVITATIONAL」に日本のZETA DIVISION(以下、ZETA)が出場。同じく日本のDetonatioN FocusMe(以下、DFM) 、そしてAmericasのLeviatán、EMEAのFnaticといった海外の強豪チームと対戦しました。
14日のLeviatán戦では13-7と快勝。Fnatic戦は2-13の敗北となりました。続く15日に行われたDFM戦は13-4での勝利となり、大観衆を前にその力強さを見せつけました。
本稿では、CLZ選手へのインタビューをお届け。海外チームとの対戦となったイベントの感想や、現在のチーム状況について伺いました。※本インタビューは15日のDFM戦直前に実施したものです。
◆強豪を相手に力を見せたZETA
――試合お疲れさまでした。ステージからの雰囲気はいかがでしたか?
CLZ: 観客との距離が近くて、地響きを感じることもありました。盛り上がりもよくて、いい会場だと思いました。
――Leviatán戦は快勝でしたが、手ごたえはいかがでしたか?
CLZ: やりたいことはできていたと思います。ただ、練習でできていたことができなかったというシーンも多々あったので、修正したいと思います。
―― 一方で、Fnatic戦は大差をつけられてしまいましたが、どういった要因があったのでしょうか?
CLZ: ピストルラウンド(1stラウンド)と3rdラウンドを落としてから、マネー状況が苦しい状況が続きました。バイラウンドもやりたいことを伝えきれず、作戦を通しきれませんでした。
ただ、負けた理由は自分の中でわかっているので、すぐ良くできる感覚はあります。
――対戦した2チームについて、出身地域による差は何か感じましたか?
CLZ: そうですね。特にアタック(攻撃)側の戦い方が全然違うなと思いました。Leviatánはストレート気味で、Fnaticは揺さぶってくる印象でした。
◆ZETAの武器は“瞬時の連携力”
――チーム全体についてお伺いします。2024年10月の「Red Bull Home Ground 2024 APAC Qualifier」からの歩みを通じて、ZETAの今の強みや、これから伸ばしていきたい点はありますか?
CLZ: 瞬時の連携力はかなり高いほうだと思います。ただマクロ面の共通認識がまだ出来上がっていないので、そこを伸ばしてスムーズに試合を行えるようにしていきたいです。
――「瞬時の連携」ができる要因は何でしょうか?
CLZ: とてもシンプルなことで、「ここダブルピークしよう」といったコールや、味方とのコネクションをいかにつくるかを日々のスクリムから意識できています。
チームを組んだ当初からそれができていた理由は、FENNELで元々一緒にやっていた3人組が固まってZETAに入ったからだと思います。それに加えてSugarZ3roさん、Depさんの適応力が高かったことも大きいと思います。
◆コーチの役割と2025年の目標
――ZETAは今3人のコーチがいると思います。XQQコーチが以前、「EMEA(Johntaコーチ)の考え方と、Americas(Carlãoコーチ)の考え方が合わさって良いシナジーが生まれている」と仰っていましたが、CLZ選手自身もそれを感じていますか?
CLZ: たしかに2人の考えが違う部分は多くあって、お互いから良いフィードバックをもらえています。今はJohntaがヘッドコーチとしてほとんどを担っていて、僕が作戦を共有するといった感じです。
――FENNELの時から、JohntaコーチとCLZ選手で作戦を作り上げていく形は変わっていないのでしょうか?
CLZ: 外からだとそう見えるかもしれないですけど、実際は大きく変わりました。以前は、Johntaはその部分にあまり関与していなかったですが、ZETAに入ってからは全部やってくれています。
――現在は試合中のコーチ席にXQQコーチが座られていると思います。XQQコーチはどういった形でチームに関わっていますか?
CLZ: メンタル面でのケアを担ってくれています。試合中のタイムアウトは僕が欲しいときに取っているので、基本的に喋るのも僕だけといった形ですね。
――ありがとうございます。では最後に、CLZ選手は2025年をどういう年にしていきたいと考えていますか?
CLZ: Tier1に入ったばかりで、皆さんも期待してくれていると思います。Pacificは強い地域ですが、そこで勝ち切って世界大会でも優勝できるような1年にしていきたいと思います。
ZETAの次なる舞台は2025年1月18日から行われる「VCT Pacific Kickoff」。2025年最初の世界大会「Masters Bangkok」への出場権を懸けて勝負に挑みます。チームのIGLとしてのCLZ選手の活躍に、期待が高まります。
<取材・執筆:ばりー/監修:岡野朔太郎/撮影:松田和真>