『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の世界大会「Worlds 2024」の決勝戦を控えた11月1日(日本時間)、会場となるロンドン「O2アリーナ」にてメディア向けイベントが行われました。
本イベントでは、「LoL Esports」の展望やRiot Gamesのキーマンへのインタビューをはじめ、テーマソングを担当した「Linkin Park(リンキン・パーク)」のトークショー、そして決勝に挑む「Bilibili Gaming(BLG)」と「T1」のチームインタビューが行われました。
本稿では、「T1」に向けて行われた合同インタビューの様子を一部翻訳してお届けします。
◆Worldsは時間的余裕があり、オフメタを出しやすい
――Faker選手、あなたは『リーグ・オブ・レジェンド』のトップレベルで戦うことに飢えていることで知られています。今回、5度目の世界タイトルを獲得した場合、「ああ、もう十分だ」となりますか。それともプレイできる限り、トップを目指し続けますか?
Faker:たとえWorldsで優勝できたとしても、これが最後ではないので努力し続けます。決勝自体も私がプレイできる試合のひとつとして必ず全力を尽くします。
――Keria選手への質問です。今回のWorldsでは、あなたのパイクをはじめ、FlyQuestのヌヌやフィドルスティックスなど、ユニークなチャンピオンたちがプレイされました。ご自身も革新的なプレイヤーとして、プロ選手がWorldsの舞台でオフメタや新しいチャンピオンを出すことについてどう思いますか。また、これが今後のプロ選手の創造性を刺激すると思いますか?
Keria:Worldsでポケットピックが多くみられている理由は、国内リーグに比べて、どのチームもメタ分析や読みを非常に早く終わらせる傾向にあるからだと思います。そのため、選手たちは時間的な余裕があり、オフメタなピックなど練習することができて、創造性が生まれるんだと思います。こういったオフメタを観客のみなさんが楽しんでくれてよかったと思います。
――Worlds期間中にFaker選手の祖母が飛行機で来日し、あなたを応援してくれているそうですね。そのような応援は、あなたにとってどのような意味を持つのでしょうか?また、ご家族がどのようにあなたを応援してきたかなど、何か面白いエピソードはありますか?
Faker:私を応援するために12時間以上も飛行機に乗ってきてくれたことにとても感謝しています。たくさんの元気と応援をもらっています。また、家族と一緒に過ごす時間はあまり取れなかったけど、試合中も試合後も支えてくれていました。たとえば、地元のレストランから差し入れを持ってきてくれるなど、とても嬉しかったです。
――Faker選手は準決勝で次世代のMIDレーナーとして最も注目されているChovy選手を破りました。明日はもう一人の世界最高のMIDレーナーであるknight選手と対戦することになります。この対戦にはどのぐらい自信がありますか?また、明日の対戦相手への一言ありますか?
Faker:そうですね、私は次の決勝でknight選手と対戦することになります。すでに多くの国際大会で何度も対戦してきましたが、時には彼に負けることもありました。だから今回は、準備の面でベストを尽くすことしかできないし、結果はあとからついてくると思うので、残りの時間で頑張りたいと思います。
◆Faker「昔よりも試合を楽しむことに集中している」
――Faker選手とkkOmaヘッドコーチへの質問です。Faker選手は、2023年の決勝に向かう前、「4つ目のトロフィーはチームメイトのためにある」と言いました。前回の優勝にはどんな意味があったのでしょうか?そして5つ目(今回)のトロフィーは、あなたにとってどんな意味を持つのでしょうか?
また、kkOmaコーチにも同じ質問です。あなたにとって前回の優勝はどのような意味を持つのでしょうか?SKT T1からFaker選手とともに多くのトロフィーを獲得してきたあなたにとって、2024年に再び優勝することはどのような意味を持つのでしょうか?
kkOma: それぞれのタイトルの意味を考えたことはありません。ただ、みんなが一生懸命頑張ってきて、優勝できたときはその苦労が報われたような気がして、とても嬉しいです。T1に戻って、また7年ぶりのWorldsの決勝に来ることができました。だからまず、それを実現させてくれたすべての選手に感謝を伝えたいです。そして、私たちを支えてくれたT1側のスタッフにも。
T1にとって5度目のトロフィーも何か新しい意味があるかどうかはわかりません。ただひとつ確実に言いたいのは、選手全員が最高のパフォーマンスを発揮し、悔いを残さないよう、ひたすら試合に集中して欲しいということです。
Faker: 昔はタイトルやキャリアに集中していました。でも最近、時間が経つにつれ、試合を楽しむことに集中し始めました。だから、今度の決勝でもそのことに集中し、それを提供できるようにベストを尽くすつもりです。
――Faker選手はとても長い間、選手を続けています。何があなたを突き動かすのでしょうか? また、若い選手たちにも長いキャリアを歩んでもらえるために、若い選手に伝えたいことはありますか?
Faker:他のチームや選手と競い合い、プレイし続けることに喜びを感じているし、その過程で自分自身を成長させることに意味があると思っています。今は私自身、若い選手と一緒にプレイすることが多いので、彼らのおかげで大きく成長することができたと思います。だから一番大事なのは、常に向上心を持つことです。
――明日、あなたたちは5度目のタイトルを獲得する日になるかもしれないと同時に、チームとして一緒に戦う最後の機会になる可能性もあると思います。それを踏まえて、明日の抱負をお聞きしたいです。そして、再びWorlds決勝の舞台に立つことに関して感じることがあれば教えてください。
Faker:私たちにできることは、練習を通して磨いたパフォーマンスを最大限に発揮して、ベストを尽くすことだけです。もちろん最終的に優勝を目指していますが、一番大事なのはみんなで楽しくプレイし、試合を楽しむことだと思っています。
<翻訳協力:eiko>