
- League of Legends
- インタビュー
10月17日、中国・上海にて開催されている「VALORANT Champions Shanghai 2026」のLower Finalが行われ、100 Thieves(100T)はTeam Vitality(VIT)と対戦しました。100TはVITのピックであるスプリットを大差をつけて先制したものの、続くサミット、ロータス、アセントでは接戦を演じながらも連取され、マップスコア1-3で敗退。今大会を3位で終えました。
EWC 2026優勝、VCT Americas Stage 2優勝と、新体制1年目で大きな結果を残した100 Thieves。本稿では試合後のプレスカンファレンスの模様をお伝えします。コーチ陣と選手たちが今大会のプレイスタイルや、チームとして歩んだ1年間について語りました。

――今大会ではAmericasのプレイスタイルが目立っていましたが、Team VitalityのようなEMEAの少し遅いペースのプレイスタイルに対して、今日はどのような難しさを感じましたか?
Vora:正直なところ、今日の試合ではどんなプレイスタイルにも慣れていて、適応できる自信がありました。Splitでは良いスタートを切れたのですが、その後少しペースが落ちてしまいました。相手がどうプレイしてくるかは予想していましたが、素早く適応しきれませんでした。相手が良いゲームプランを持ってきて、僕らがそれに十分に適応できなかった。それがすべてですね。今日は全員の力を発揮しきれませんでした。VITのプレイが見事でした。

――続けてコーチ陣に質問します。今日のVitalityのように、1マップ目でDerkeが、次のマップではSayonaraがチェンバーを使うといった、同じエージェントをマップごとに異なるプレイヤーで使ってくる場合、対策は変わるのでしょうか?
d00mbr0s:僕らはマップごとに準備をしています。だから、チェンバーがどのマップで誰に使われるかよりも、そのマップでチェンバーがどう使われるかに合わせて準備を調整しています。でも、今日はそれが十分ではありませんでした。
――チーム全体に伺います。今年の旅を振り返って、どのような1年でしたか? これだけ長く戦い、ここまで来られたことについてどう感じていますか?
Nbs:ありきたりかもしれませんが、歳を重ねるにつれて、大事なのは結果ではなく過程なのだと理解できるようになります。もちろん僕らは勝ちたかったし、勝てるチームだったと思います。それでも、今年のチームの成果には本当に誇りを持っています。2026年の100Tは、新しいコーチングスタッフとChallengers出身の新しいプレイヤーを迎えた、ある意味でリスタートの年でした。だから、非常に成功した1年だったと言えます。Championsで勝てなかったことは、僕らにまだ成長の余地があると教えてくれています。来年に向けて、まだまだ上を目指していきます。
Timotino:ルーキーとしてこの1年を始めて、EWCで勝ち、Stage 2でも勝ちました。そしてChampionsで3位という結果を残せました。僕は常にポジティブに物事を見るようにしています。今年は最初から最後まで本当に良いペースで進んできましたし、Championsで勝つ大きなチャンスもありました。負けたことはすごく悲しいですが、これほど素晴らしい1年を、素晴らしい仲間たちと経験できたことは本当に幸せです。
Asuna:僕も少しだけ付け加えさせてください。このゲームをプレイして6年になりますが、間違いなく今年が僕にとって最高の1年でした。そう振り返れるのは本当に素晴らしいことです。

――コーチ陣に伺います。今年から新体制が始まりましたが、来年に持ち越したい「最大の学び」は何ですか?
d00mbr0s:最大の学びですか……
Nbs:これは難しい質問だね……
d00mbr0s:そうだな……毎日たくさんのことを学んでいますからね。でも一番大きいのは、「お互いにどう協力し合うか」を学んだことです。チームが強くなる一番の理由はそこだと思います。特に僕とNbs、そしてNathan(アナリスト)の3人は、どうすれば効率よく協力できるかを探りながらスタートしました。最初は効率的な連携方法なんて微塵も分かりませんでした。でも、1年を通じて、よく理解できて、「よく油の差された機械(円滑に機能する組織)」のようになったと思います。
Nbs:この一年間の途中で、ある種の気づきというか、システムをより効率化し、物事への取り組み方をチームに適応させるような、そんな経験が何度もありました。今の課題は、その「よく油の差された機械」をどうすればさらに改善できるかを探求し続けることだと思います。
d00mbr0s:そうだね。
Nbs:ただ、それは来年に持ち越しですね。はぁ……遂にこの時が……(笑)
d00mbr0s:うん。僕たちはこれから睡眠について学びます。(笑)

――Asuna選手にお伺いします。今終わったばかりのこの大会について、まずどのように振り返っているかをお聞きしたいです。ご自身やチームにとって最大の良かった点や悪かった点は何だと感じていますか? また、この大会をご自身としてどのように受け止めていますか?
Asuna:正直なところ、この大会単体についての最大の良かった点や悪かった点は何か、と聞かれるとあまりよく分かっていません。それだけを振り返るのはちょっと難しいですね。というのも、直前のこの試合のことや、この1年のことをずっと振り返っていて、この大会そのものについてはそこまで深く考えていなかったんです。
それに、すごく長かったようにも、あっという間だった気もします。もう少しちゃんと考えてみると、一番良かった点は、みんなにとってVCTでの経験を積む良い機会になったこと、そして私自身も久しぶりにステージに立てたことだと思います。これほど多くのファンの前でプレイできて、みんなの顔が見られて、この空間の雰囲気を楽しめたこと、それが最大の収穫だったと思います。
悪かった点は特にありません。この大会に関してネガティブなことは本当に何も思い浮かばないですね。毎日が楽しかったですし、ここに来られて本当によかったです。
――今年は2つの大会で優勝するなど素晴らしい結果を残しましたが、以前のインタビューでは「どんなにゲームに尽くしても、ゲームからは何も返ってこないこともある」と語っていました。EWC優勝や今回のトップ3を経て、ゲームから何かが「返ってきた」と感じていますか?
Asuna:いや。もっと欲しいです。
Nbs:それが聞けて良かった。
――Asuna選手へ伺います。先ほどはキャリアで最高の一年だったとおっしゃっていたと思います。この6年という長いキャリアで常に成長し、更に輝けることを証明できたことはどんな気分ですか。
Asuna:場合によっては、6年もプレイしていれば、年齢を重ね、もうこのゲームに多くを捧げることができないのではないか、やる気を失ってしまうのではないかと考える人も多いと思います。でも僕は、幸運なことにも最高のチームがいて、みんなが常に100%の力を出し切ろうと努力してくれます。だからこそ、僕は新たな高みへと到達できたんです。Championsでトップ3に入り、EWCとStage 2では優勝できた今、こうしてみんなと一緒にいられることは本当に素晴らしいです。

――ベテランのbang選手、Cryocells選手、Asuna選手に質問です。今年、Challengersから加入したvora選手やTimotino選手と一緒にプレイして、最も良かったことは何ですか? また、これから最高峰の舞台に上がってくる選手へのアドバイスはありますか?
Asuna:新しいプレイヤーと組むときは、何が起こるかわかりません。Challengersの時と同じプレイができるのか、プレッシャーに強いのか、Challengersでは見えなかった問題が出てくるのか。でも、彼らと一緒にプレイして、険悪なムードになったり、誰かと力を合わせることが出来なくなるといったネガティブな要素はまったく出てきませんでした。ただただ本当に良かったと思います。
Jordan(Vora)は非常に厳格で規律正しく、自分自身にも、チームにも高い基準を求めています。Tim(Timotino)は陽気で、誰かに「人生を謳歌している」と言われていました。本当にそうだと思います。だから、彼らと共に戦えたのは素晴らしい経験です。誰であれこの舞台にいる人たちへ、どんなアドバイスができるか分かりませんが、とにかく良い手本を示すことが大事ですね。 それが一番簡単なことだと 思います。遅刻をしないこと 。社交的であること。それは 誰にとっても、とても簡単なことだと思います。
Cryo:Jordan(Vora)とTim(Timotino)は人間としても、選手としても本当に素晴らしい人間で、この一年間、彼らはただただ素晴らしかったです。彼らがこれほど素早く学び、吸収したことにも本当に誇りを感じます。私からのアドバイスとしては、できる限り毎日100%の努力をすることですね。
bang:彼らは最初から本当に頼りになりました。ルーキーだからといって臆することなく、自分たちの力に自信を持っていました。彼らと一緒にプレイできたのは、僕にとっても信じられないほど幸運なことでした。Challengersから上がってきてこれほどの自信と実力を持っている選手は珍しいです。

――Timotino選手とVora選手に質問です。この激しいアップダウンから優勝まで経験した一年を振り返って、シーズン開幕前の自分にアドバイスをするなら、どんなことを伝えますか?
Timotino:僕は「失敗しても大丈夫だ」と自分に言い聞かせます。今年一年、僕は自分自身に対して厳しすぎたと思います。先ほどSean(bang)が「最初から自分の力に自信を持っていた」と言ってくれましたが、そんなことは全然ありませんでした。決して本当ではありません。Challengersから来た選手は必ずどこかで自分を疑うものです。自分がこの舞台にいられるのか、成功できるのか、一番になれるのかと疑うはずです。でも、そんな自分の心の声を遮断して、毎日、前に進み続けるしかない。毎日、「お前はもっとうまくなれる。成長できる」と自分自身に証明しなきゃいけないんです。疑念はずっとそこにありますから。だからこそ、自分に対しては、「前進し続け、改善し続ける限りは、悪い結果が出ても問題ない、失敗しても大丈夫だ」と伝えてあげたいです。
Vora:僕は、コールやルーティン、スケジュールなど全てを一貫させ、よりポジティブに、そしてエネルギーをもたらすことですね 。今年の始め、僕はエネルギーやポジティブさをもっと一貫させることができたはずです。一年を通して、このことを学ぶことができました。ですから、もし年始の自分に教えられるなら、そうします。

――Asuna選手とbang選手に伺います。2026年シーズンが終わりましたが、この舞台を去る前に、観客には皆さんをどのようなチームとして記憶しておいてほしいですか?
bang:シンプルに、「良いチームだった」と思ってもらえれば嬉しいです。今年は複数の大会で国際タイトルを争い、実際に勝つこともできました。キャリアの中で、2つの大会で「絶対に勝てる」と思えたのは今年が初めてです。1つは勝ち、もう1つは勝てませんでしたが。これまでのキャリアで、そういう特別な感覚を持ったことはありませんでした。だから、この感覚を得られたことを嬉しく思います。1年の後半を良い形で締めくくれて、今はただ嬉しいです。
Asuna:僕は「2026年で最高の北米チーム」として覚えておいてほしいです。それは間違いないと思いますから。
――ありがとうございました。(拍手)

2026年シーズン前半は、Kickoffで5位、Stage 1で4位と思うように結果を出し切れなかった100 Theives。しかし、EWC予選突破からブレイクを果たし、パリで行われたEWCで初の世界王者のタイトルを掴むと、続くStage 2では念願の優勝を成し遂げAmericasを制しました。2026年シーズンはChampions 3位入賞と100Tと共に『VALORANT』に全てを捧げてきたAsuna選手が報われた素晴らしい結果で幕を下ろしました。
それでも「まだ足りない」という彼らは、十分な睡眠と休養を経て、来る新時代でどのような活躍を見せるでしょうか。