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Eviを走らせ続けた原動力―「何もかも経験したい、僕は強欲かもしれない」配信インタビューで語る、現役時代からこの先まで

今シーズン限りで現役を引退し、11年間のプロ生活に終止符を打つことを発表したEviさんが、公開インタビューでさまざまな話題に回答しました。

えごいすと

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福岡ソフトバンクホークス ゲーミング(SHG)に所属するEviさんが2026年9月4日、今シーズン限りで現役を引退し、11年間のプロ生活に終止符を打つことを発表しました。

2014年にキャリアをスタートさせたEviさんは、「7th Heaven(7h)」や「Rampage(RPG)」といったチームを経て、「DetonatioN FocusMe(DFM)」に加入。DFM時代には2021年のWorldsで日本チーム史上初のベスト16に進出するなど、数々の記録を打ち立ててきました。

また、2023年シーズンからは日本人選手として初のTier1リージョンへの挑戦として、LECのTeam Heretics(TH)へ移籍を実現させるなど、日本の『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』シーンの顔として長年第一線で活躍してきました。

そんなEviさんに公開インタビューを実施し、11年間のプロ生活を振り返るとともに、引退を決断した理由や、今後の展望や日本の『LoL』シーンの未来など、さまざまなことを本人に直接お聞きしました。

※本記事は、「えごいすと」のTwitchチャンネルで実施した公開インタビューの内容を一部抜粋したものです。

「100%の情熱を持てる最後の年」―自然に決まった引退

――引退を発表されたばかりですが、率直に今のお気持ちを教えてください。

Evi:楽しみもありつつ、解放感もありつつ、ちょっと不安もありつつといった感じですかね。プロをやる未来は全く考えていないので。そこに関しての不安というよりかは、例えばコーチングするにしても、動画を作るにしても、今から新しく何かをすることに対して「うまくできるのかな」という不安ですね。

――いわゆるセカンドキャリアの部分ということですか?

Evi:やりたいことは決まっているけど、それらを自分が納得できるようにうまくできるのかなという部分ですね。

――なるほど。では、気持ちの整理という部分ではしっかりできている感じなんですね。

Evi:そうですね。「もう一回プロをやりたいと思ったらどうしよう」とかそういうのはないですね。それでいうと、今シーズン始まる前かな、そういう(プロとしての活動を終える)予感がしたのは。

――今シーズンの結果次第で進退を決めるという部分はありましたか?

Evi:いや、そういうのじゃなくて。今シーズン始まる前に「来年が100%の情熱を持って臨める最後の年だな」っていう予感があったので、スタートはそこからですかね。

――引退することを最初に伝えたのはどなたでしたか?

Evi:え、誰だろう…妻じゃないですかね。相談とかではなく「今シーズンで最後にするかも」という話をして、妻からは「そうなんだ」っていう話をされましたね。

――11年間という長いプロ生活でしたが、選手時代にできなかったけどやりたいこととかはありますか。

Evi:いくらでもあるとは思うんですけど、今のところ具体的に「こう実行しよう」というものはないですね。現役のシーズン中はとにかく時間がないので、シーズン終わったら「映画見たいなとか、本をたくさん読みたいな、演劇見たいな、ダイビングしたいな」とかめちゃくちゃいろいろな思いはありますけど……それで言うと、まだ全然休めてないですね。

――とにかく休みたい!という感じですか?

Evi:いや、休みたいではなく、休めてはないって感じですね。休みたい気持ちも少しはありますけど、その前に「配信をしたいな」とか生産的なことをしたい欲が多くて「休む」というところまでいけてないですね。僕は自分で能動的に休もうと思わないと休まないでしょうね。きっと。

――それは性格的にですか?

Evi:そうですね。プロの時もそうでしたけど、常に「一日一日、一歩一歩前に進む」という生活というか、プロはみんなそうでしょうけど、向上心を持ってやらないといけないので。何かを進めていないと自分が仕事をした気にならない感じがして、自分に満足できないんですよね。全く。

まあ、ただそれとは逆に休むっていうことも技術なんですよ。僕は休むのも仕事というか、休むのも技術だと思うので。

CerosとYutapon―「こんな面白いやつら、お裾分けしないともったいない」

――11年間の現役生活を振り返ったときに楽しかった記憶と大変だった記憶はどちらの方が多く思い浮かびますか?

Evi:感覚的に難しいんですけど、辛かったこと=ネガティブというわけではないです。味方に暴言吐かれたとかも、良い思い出や青春だったなと思いますし。でも、良かった出来事や楽しかった出来事は他人に言われると思い出しますね。

X(旧Twitter)でたまに、めっちゃ昔のツイートをいいね!されるんですよ。CerosとかYutaponとかの会話内容を僕が投稿するみたいなやつで。

――例えば、どんなものがありますか。

Evi:焼肉屋の出来事で、僕がCerosに「このコップ右に回して」って言って、コップを渡すんですよ。そうするとCerosが「右に回してる、右に回してる」って言って、コップを自分の手で回転させ始めるんですよ。ああいうの、めっちゃ面白かったなと思って。

Evi:Yutaponとかも。荷物持ってって言っても、Cerosだったら絶対持ってくれないんですけど、Yutaponに「ちょっとだけ荷物持っててくんない?」って言ったら、何にも文句言わずに持ってくれて。ありがとうって思ってたら、Yutaponがなんかボソボソ喋ってるんですよ。それで、聞いてみると「100円…200円…」って課金されてて、こいつ面白すぎだなと思って。

――Eviさんはそういった発信というのを積極的に行っていた選手だったと思うのですが、意識してやっていた部分なんでしょうか。

Evi:もちろん意識してやってました。RPGのときからやってましたけど、そもそもメンバーが癖強くて、やっぱり面白いです。マジで何?みたいな。ゲーマーって良い意味で変な人ばっかりですけど、それが表に出る機会がないというか。

――まずは知ってもらわないと、という感覚ですか?

Evi:知ってもらわないと、というよりは「こんな面白い奴らをお裾分けしないともったいない」という感覚です。だから僕的には、こんなバカみたいな面白いやつら、ちょっとみんなにもお裾分けしないとみたいな。

だって、Cerosのあれ面白すぎないですか? (笑)

――ファンからしても、そういった情報を手に入れる術がないので、Eviさんがそういう発信をしてくれてすごく嬉しかったです。

Evi:僕自身、もともとCerosやYutaponを見て育った世代なんですよ。だから一人のファンとして、『こういう裏側のエピソードがあったら面白いのにな』ってずっと思っていました。そういった外からの目線、つまりコミュニティが何を求めているのかが分かるのは、やっぱり大きいですね。

「より良くなりたい」―Eviの11年間を支えた原動力

――11年間プロを続ける中で、一番の原動力になったものは何でしょうか。

Evi:めっちゃいい質問ですね。でも、なんだろう…それで言うと、より良くなりたい、かな。人として多くのものを得て、多くのものを体験して、何もかも食べたいし、何もかも経験したいですよね。僕は強欲かもしれないですね。

――でも、その貪欲さが、Eviさんをここまでの存在に引き上げてくれたというところがあると思います。

Evi:うん。ありますよ。僕は別に悪い意味では全く思ってないです。

でも、「なんで強欲なの?」「なんで貪欲なの?」っていう質問をされると、まあそれが好きだからになるんですけど。

――根底には『LoL』をプレイするのが楽しいというのがありますか?

Evi:『LoL』をプレイするのは面白いんですけど、それよりも『LoL』でどんどんうまくプレイできることが楽しいですよね。自分が成長してるっていうのを実感するのが楽しいですよね。

TOPレーナーの転換点となった存在―Zeusのすごさとは

――11年間で最も印象に残っている対戦相手、TOPレーナーは誰ですか?

Evi:Zeusかな。それまでの世代のTOPレーナーや韓国の選手より、レベルが違うなと思いましたね。

僕はそれまで、LCKの選手と対戦しても「負ける気はない」「簡単にはやられない」「チャンスがあったらやれる」という気持ちはあったんです。

でもZeus以降というか、Zeusからは「あ、こりゃきついわ」って感じました。

Eviさんは2022年のMSIでZeusと国際大会で初対戦

――どこがそこまで違ったんでしょう?

Evi:それまでのプレイヤーとは一個ティアが違うんですよ。それまでの韓国のTOPレーナーよりも一個上のランクですね。藤井聡太とか、大谷翔平とか、五条悟とか。そういう感じです。

――ではもう一度、大会で対戦できる相手を選ぶとしたら?

Evi:それもZeusかな。大会で戦いたいですね。

今シーズンを振り返って―「最後には沈没しました」

――今シーズンを振り返ってみて、感想はいかがですか?

Evi:特にSplit1とSplit2は、結構うまくやったなと思いますね。

――シーズン後半にかけて、チームの調子は下降していった印象もありました。

Evi:チームを船に例えるなら、組み上げたばかりの最初の出来はめっちゃいいんですよ。でも、進めているうちにどんどんパーツが剥がれていって。修復しながら進むんですけど、壊れるスピードの方が早くて……最後には沈没しましたね(苦笑)

――Eviさんはウィークサイドを任されることが多かったと思うのですが、それはチームの方針だったのでしょうか。

Evi:チームの方針ですかね。メタも関係しますからね。『LoL』っていうゲームはそもそもがBOTメタではあると思っているので、そんなもんじゃないかなと思ってます。

僕が別にウィークサイドを常に担当してるみたいな感覚は特にないですけど、僕がタンクやった方が、僕自身もチーム的にも楽だし、早いなみたいなのはありますね。

――もう少し詳しく教えてもらえますか?

Evi:エンゲージって結構難しいというか、ビビっちゃう人が多いんですよ。戦闘を仕掛けたり、視界を取りに行ったり、前に体を入れてタンクするとか。でも、そういうのを自分は全く気にしないし、KDAとかも気にしないので。

ミスすることをマジで恐れないので、サイオンとかでとりあえずエンゲージみたいなのが本番でも全く変わらずに僕はできるので、自分がエンゲージを持っていれば、難しい場面で他の人がエンゲージできずにモヤモヤすることがないので、その点はタンクをやっていたら楽ですね。

日本の『LoL』に足りないもの―「体系化された知識」と「情報量」

――日本人選手がもっと世界で活躍するためには、何が必要だと思いますか?

Evi:初心者から中級者になるステップアップの部分で、体系化された知識が少なそうだなって感じますね。例えば「ワードを置いた方がいい」ということは知っていても「どこに置けばいいのか」「バロンを取った後、どういうローテをした方がいいの?」というような。そういうのが、あまり分かりやすく広まってない気がするんですよね。

ポツポツはあると思いますけど、もっと数も必要ですよね。初心者から中級者になる人が自分で情報を得たり、自分で考えてやろうとしたときに、本当にうまくなりたかったら、海外の動画を見ないといけないので、そういう動画が増えるのが大事だなと思います。

――Eviさん自身も『LoL』の解説動画を投稿されていますよね。

Evi:僕の動画も初心者向けではないので。『LoL』に慣れてきて、初心者を超えた人たちからはいいんですが、もっと前の段階で基礎的なこと、根本的なことを教えるものが必要なんじゃないかと思います。

しゃるるさんなども言ってますが、「土」ですよね。「土」を耕さないと実らないので、プロ選手を育てるためには、まずその土台となるコミュニティ全体を豊かにする必要があると思います。

今度は自分が「お裾分け」―11年間の先にある新たなスタート

――引退後は主にどのような活動をしていきたいですか?

Evi:まだふわっとしていて、具体的にはあんまりないですね。でも、KRブートキャンプみたいなのもまたやってみたいし、いろんな人にコーチングしてみたいなって気持ちもあります。主催の大会とかもやってみたいです。

Eviさんが選手時代に行っていたKRブートキャンプ

――最後に、今まで応援してくれたファンにメッセージをお願いします。

Evi:一旦プロとしては終わりですが、また違う形でこれからも関わっていきたいです。僕が作るコンテンツやお見せするものを楽しんでいただけたらと思いますね。

プロだったからこそできなかったこととかもいっぱいあるので。プロのレベルで見えてたものっていうのを、今後は皆さんにもお見せできると思います。

まあ、僕もお裾分けする感じですね。


11年という長い現役生活の中で、日本の『LoL』シーンの顔として走り続けたEviさん。彼が11年間で残してくれた感動と功績は計り知れないものがありました。

今、一つの区切りとして競技シーンを離れることになりましたが、彼の代名詞でもある「サムズアップ」が今後もさまざまな場所で見られることを楽しみにしています。

<取材・執筆/えごいすと、編集:岡野朔太郎>

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