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謙虚で偉大なヨーロッパの王「Caps」—チームと地域のためにキャリアを捧げ、栄光と栄冠をもたらしたMIDレーナーの軌跡【Hall of Legends特集】

『LoL』の殿堂「Hall of Legends」入りを果たしたCaps選手のキャリアを功績を振り返ります。

ハル飯田

ハル飯田

LoLEsportsにおける功績を讃える「Hall of Legends」。2024年のFaker選手、2025年のUziさんに続き、2026年は欧州リーグ「LEC」で活躍を続けるCaps選手が選ばれました。

強豪「G2 Esports」の、そして欧州リージョン全体の象徴として第一線を走るMIDレーナー、Caps選手の功績と魅力を振り返り、殿堂入りをお祝いしましょう!

EU黄金期を築いたデンマークの新星

1999年生まれのCaps選手が競技シーンでの歩みを始めたのは2015年。16歳にしてトルコ地域リーグからLoL Esportsのキャリアをスタートさせると、2017年シーズンからは名門「Fnatic」の一員となり、トップリーグ「EU LCS(現在のLEC)」に出場します。

デビュー初戦からソロキルを獲得するなど見事なパフォーマンスで同年のWorlds出場に貢献すると、翌2018年には完全に覚醒。BOTのRekkles選手らと強力なキャリーラインを形成して国内タイトルを総なめにすると、同年の「Worlds 2018」では準優勝に。“欧州リージョンにCapsあり”をLoL Esportsのファンに知らしめました。

当時のCaps選手とRekkles選手

そして大きなターニングポイントとなったのは2019年シーズン。Fnaticからライバルチームである「G2 Esports」への移籍です。それも、当時のリーグを代表するMIDレーナーであったPerkz選手がBOTに転向してまでもCaps選手を迎える、驚きの移籍が実現したのです。

Wunder、Jankos、Caps、そしてPerkzとMikyx。最強のロスターを備えたG2は春シーズンのLECを制覇し実力を証明すると、そのまま「MSI 2019」で念願の国際タイトルも獲得。快進撃は夏シーズンも続き、Worlds 2019では決勝戦こそ「FunPlus Phoenix」に敗れたものの、準優勝となりました。

このMSI 2019は中国と韓国以外の地域のチームが制覇した最後の国際大会になっている

2019年のG2はシーズンすべての公式大会で優勝する「ゴールデンロード」まであと一歩と迫り、Caps選手は個人として「2年連続でWorlds決勝進出」の快挙も達成。このEU黄金時代を築きあげた弱冠20歳のCaps選手は多彩なピックと攻撃的な選択で相手を翻弄し、世界最強MIDのひとりに数えられるまでになりました。

Worlds2019決勝戦に臨むCaps選手らG2 Esportsのメンバー

LEC一筋で10年。積み重ねた記録の数々

しかし、2020年からは国内では強さを発揮するものの国際大会では奮わないシーズンが続き、2021年にはデビュー以来初めてWorlds進出を逃すなど、次第にチームとしても個人としても好不調の波と戦う時期を経験します。

「G2はもはやLEC最強ではない」「EUは国際大会で勝てない」と囁かれる時代もあり、チームも改革の時を迎えて少しずつ選手やコーチが入れ替わりましたが、「必ずトロフィーをヨーロッパに持ち帰る」と固い決意に突き動かされるCaps選手がチームを離れることはありませんでした

Worldsでは2022年大会から2024年まで、3年連続でベスト8の壁に阻まれる苦難の時期を迎えた

2021年には4年契約を結び、2025年にはチームの財政状況を鑑みて減俸を受け入れた上でさらに2年の契約延長を締結。厳しい視線や重たい期待を背負いながらも、強いチーム愛を胸に、世界を獲ることを目指して爪を研ぎ続けました。

そして2026年、遂に「First Stand 2026」で立て続けにLCKチームを撃破して2019年以来となる国際大会の決勝に進出すると、「MSI 2026」でも前年世界王者のT1を破ってベスト4に進出するなど復権。雌伏の時代を経て、2度目の全盛期を求める戦いに挑んでいます。

デビュー10年目に入り、これまでWorldsに8度出場するなど戦った国際大会は200試合超国内では実に17度のLEC優勝を経験しており、通算2500キル超えをはじめ打ち立てた記録の数々で「LECの通算記録はすべてCapsが持っている」と表現されるほど、LECを代表するプレイヤーとして休まず戦い抜いてきました。

その実力と継続した努力で欧州シーン、そしてLoL Esportsの魅力を生み出し続ける存在として3人目のHoLに選定。西欧から最初の殿堂入りプレイヤーはこの人しかいないでしょう。

かつてのライバルでチームメイトだったPerkz氏は現在コーチとなってG2へ“帰還”し、再びCaps選手との共闘がスタート

繊細かつ柔軟。時に奇抜な万能MID

そんなCaps選手のプレイスタイルの特徴と言えば、デビュー当初から「Baby Faker」の異名でファンから愛されてきたテクニック。オフェンシブなプレイで対面にプレッシャーをかけていくスタイルで知られており、巧みなスキルショットを見せるオリアナやメタ外であっても飛び出すほど得意としているルブランが象徴的なピックで、キャリアでも高い勝率を誇ります。

他にもトリスターナやコーキと言ったマークスマン系も得意としており、チームがTOPキャリーを狙う際にはタンクやユーティリティ系まで、幅広いチャンピオンを高い水準でプレイ可能。優れたキル嗅覚で何度もペンタキルを獲得してきました。

「MSI 2019」のT1戦でのペンタキルはCaps選手が最も印象に残っているシーンに挙げるほど

そして時には予想もできないピックが飛び出すのもCapsらしさであり、ヴェインやザック、パイクと言った非常に珍しいチャンピオンを繰り出し、フレックス性の高さでドラフトから相手にプレッシャーをかけられるのも強みのひとつ。G2、そしてLECのメタに固執しない柔軟な発想を象徴するプレイヤーでもあります。

TOPのBrokenBlade選手もフレックスピックを得意としており、これが現在まで続くG2の持ち味に

また、マップの中央からタクトをふるう司令塔としての能力にも優れており、対面だけでなく味方のサモナースペルやスキルも把握しながら状況を判断。ドラフトからレーン戦、そして集団戦に至るまで試合のあらゆるシーンでチームに影響力を発揮できる、MIDレーナーとしての総合力の高さが傑出した存在としてチームを支えています。

△チームメイトとのコミュニケーションで見事なキルを獲得するシーン

その誠実さで愛される謙虚なキング

そんな圧倒的な実績を誇る一方で、ゲーム外では穏やかかつ謙虚な人柄で知られているCaps選手。チームVCで常に楽しそうにコミュニケーションしている姿や、LECの試合後インタビューでキャスターと和やかに試合を振り返る姿もお馴染みで、笑いながらえげつないプレイをするギャップも魅力のひとつ。

ファンが彼のプレイヤーネームをもじって遊ぶのも定番であり、スーパープレイ時は「Claps(拍手)」と呼ばれたり、対面との差が開くと「Gaps」と呼ばれたり、新チャンピオンのロックを使用した際には「Caps Lockだ!」と盛り上がりました(正確にはロックのつづりは「Locke」)。ずば抜けた実績を誇りながらもどこか身近に感じられる存在であり、こうしたファンのノリを受け入れる寛大さもまた情熱的なLECファンダムに愛され続けている要因でしょう。

△LoLEsports公式からもイジられる、愛されキャラクターでもある

そして、Caps選手を紹介する際には彼の最も心強く熱狂的なファンであるマイケルさん、つまりCaps選手のお父さんのことも忘れてはいけません。キャリアの序盤から頻繁に試合会場に足を運んでCaps選手を応援するマイケルさんの姿はLECのファンにとってすっかりお馴染みの光景で、Caps選手もファンの応援と家族のサポートが前進し続けられるエネルギーになっていると常々発言しています。

かつては「Baby Faker」とレジェンドになぞらえられた若者も、次第にレジェンドと呼ばれる側へ。10年を迎えるキャリアのすべてをEUのために捧げ、地域を愛し、地域に愛されたヨーロッパの謙虚な王が築き上げた栄光に、この度「Hall of Legends」が加わります。

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