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競技シーンから普段のソロランクまで、昨今の『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』のメタを賑わせ続けている話題と言えば「メイジBOT(APC)」の台頭です。メイジBOTは国際大会「MSI」の序盤戦から急激に増加しており、メタの開拓が進んだ今では、そのレーンカウンターとしてプロシーンでタンクBOTやアサシンBOTまでもが選択されるようになりつつあります。

長年ADCとして活躍してきたプロ選手が予想外のピックを使いこなす意外な光景は面白さに繋がっている反面、ソロランクでも圧倒的にメイジが強力な存在となっており「クラシカルなマークスマンが排除されすぎている」と反発の声も上がっていました。
直近のいくつかのパッチでも一部のチャンピオンが弱体化されたのみでメイジBOTブームが続く中、7月30日に『LoL』ゲームデザイナーが現状に対する見解と対応方針を投稿しました。
今回Xに投稿を行ったのは、パッチノート予告なども行っているリード・ゲームデザイナーのMatthew Leung-Harrison(@RiotPhroxzon)氏。
同氏はこれまでも投稿内で「メイジBOTはレーンにおける選択肢のひとつ」として一定支持する方針を表明。やや勝率が高い点についても元来ポーク系SUPと組み合わせればマークスマンに対してレーン有利が取りやすいマッチアップであり、習熟曲線が浅く少ない練習でもパフォーマンスを出しやすいことなどが原因であるとの見方を示してきました。
しかし、同時に「マークスマンをBOTレーンの主要なクラスと位置付けたい」とも考えており、MSIでは20%ほどだったメイジBOTのピック率がさらに上昇しているここ数週間でのプロシーンでの状況やプロプレイヤーからの声も踏まえて「現状は行き過ぎた状態にある」として調整に反映していくと明言。
中にはメイジとマークスマンのパワーバランスを均一にすることを求める声もありますが、それは「クラスごとの個性を失う」ことに繋がるため、SUPの独創的なアクションも含めて尊重するよう、慎重なバランス調整を行っていく方針を示しています。
今回の投稿で示された次回パッチ「26.16」におけるメイジBOT現象に対する調整案は以下の通りです。
レーンを離れている際のSUPクエストのペナルティを引き上げ(レベル3まで25%→レベル5まで33%)
フリートフットワーク、バーサーカーブーツなど、ADC向けアイテム・ルーンの強化
ADCチャンピオンの基本MRを増加し、MR成長量を低下(序盤はメイジに対抗しやすく、終盤は従来と同じ状況にするため)
サモナースペル「ヒール」の強化
同氏はこれ以外にも「様々な試験的な試みをテスト中」であるとしており、方針が固まり次第さらに共有することを約束しています。
今でこそレーンにメイジを残してSUPカミールとSUPシェンがローム合戦を繰り広げている光景が日常的に見られますが、Matthew氏の投稿にも「僅か3ヶ月前まではエンチャンター&ハイパーキャリーメタだった」と書かれている通り、エンチャンターが弱体化されるパッチ「26.11」の直前までのプロシーンではナミやルル、そしてユーミがSUPの中心となっていました。そこから如何にして現在のような状況となったのか、投稿に書かれている内容を元に少し振り返ってみましょう。

前述の通り、エンチャンターSUPやメイジSUPにキャリー系ADCを組み合わせてレーンで勝ってスノーボールを目指す戦術が主体となっていたところから、「26.11」でルーンやアイテムが大きく弱体化。かなり圧迫される状況が続いていたタンク系SUPが活躍できるよう調整が行われました。
そして、同時にSUPのロームが流行し始めます。2026年シーズンは昨年の過度なスワップメタを抑制するために各ロールにクエストが導入されましたが、レーンから離れるとクエストの進捗が遅れるため、ロームがあまり効果的でなくなったと考えられていました。しかし、そんなクエストを捨ててでも最序盤からレベル1~3のままSUPがロームを続けて他レーンに有利を築いた後に、大きくレベルが遅れたプレイヤーが得られる「カムバック経験値」を得ることでレーンに居たのと変わらないレベルに到達するという手法が広まり始めたのです。
この研究が進んだことでバフを受けたタンクSUPだけでなく序盤から強力なCCを持つファイター勢がSUPとして運用されるようになり、1レベルから敵のJGに入り込む大胆なロームアクションがあちこちで見られるようになりました。

SUPがロームするようになると、残されるBOTレーナーには1vs2になっても遠距離からウェーブクリアができてタワーダイブにも強いメイジが置かれ、マークスマンvsメイジの構図が頻発し始めます。ここで問題となったのが「序中盤のパワー差」でした。多くのマークスマンはクリティカルアイテムが揃う試合終盤に本領を発揮しますが、メイジは1コアからある程度バーストダメージが出せてスキルレベルが上がる恩恵も高いため、早い段階からメイジ側が優位に立ちはじめます。

キャリー系のマークスマンで対抗しようにもエンチャンターが弱体化されたばかりで、それ以前の“TOPレンジドブーム”に対するアイテムや性能の調整もあり、主要なマークスマンがパワーを落としている時期になっていたのも、ADCにとって逆風でした。
メイジBOTにも「他レーンでDPSを補わなければタンクを溶かし切れない」などの欠点があるものの、強い時間帯にポークでマップを制圧できるメリットや、テレポートを活かしたマクロ面での利便性の高さは圧倒的。いくらスケールで勝っていてもレーンでファームできなければ意味がない……と、次第にメイジvsメイジへとBOTレーンは様変わりしつつあります。

プロシーンではメイジ相手にマークスマンでレーンを上手く過ごしてから逆転するシーンも多く見られますが、そこまで連携した構成やプレイが起きづらいソロランクにおいては序盤のパワー差は特に重大な問題。レーンが崩れてそのまま負けてしまうことも多く、何よりマークスマン同士でプレイしたい人にとっては好ましくない状況であることは間違いありません。
僅かな調整の積み重ねが世界中の『LoL』プレイヤーによって新たなメタへと昇華されていくのはこれまでにもあったことで、今回の調整を受けても「MRを調整したらMIDマークスマンメタに戻るのでは」という懸念の声も。果たして、現在の大APC時代はいつまで続くのでしょうか。調整については公式の続報をお待ちください。