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「LJLを最強のリージョンに」Inferno Drive Tokyo代表・Isuka氏が語る“執念”のチームづくり【インタビュー】

Inferno Drive Tokyo代表・Isuka氏にインタビュー。チーム結成の裏側からブランド戦略の意図まで、新進気鋭のチームの核心に迫ります。

えごいすと

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「LJL 2026 Winter Series」オープン予選において、12勝2敗という圧倒的な成績で首位通過を果たしたのが、今シーズンからLJLに新規参入した「Inferno Drive Tokyo(IDT)」です。

IDTは、韓国人の選手やコーチを擁しながらもインゲームのコミュニケーションを完全に日本語へ統一。さらには、YouTubeチャンネルやXでの情報発信も積極的に行っており、LJLチームとして初となる「公開スクリム」に踏み切るなど、これまでの常識を覆すアプローチで、注目を集めています。

今回は、そんなIDTへのインタビュー第二弾として、チームを率いるIsuka代表にお話を伺いました。チーム結成の裏側からブランド戦略の意図まで、新進気鋭のチームの核心に迫ります。


「仲間を強くできる選手が必要」チーム結成の裏側

――まずは簡単に自己紹介をお願いします。

Isuka:「Inferno Drive Tokyo」というeスポーツチームを立ち上げ、代表をしているIsukaと申します。

――Inferno Drive Tokyoというチームを作ることになったきっかけ、そしてLJLに参入しようとしたきっかけは何だったのでしょうか?

Isuka:まず、LJLに参入しようというのは個人的にずっと思ってたんです。昨年はBCTでサブコーチをしていたんですが、シーズン最後の試合で負けてから「次のシーズンは勝ちたい」と。

それで、来シーズンに向けてメンバーを集めてチームを作らなきゃなと思っていた時に、JustFocus選手からDMが来ました。BCTの時から、彼が僕のことを慕っているというか、信頼してくれていて「Isukaさんと一緒にLJLに出て、勝ちたいです」と言ってくれたことがきっかけでした。

――「Inferno Drive Tokyo」というチーム名の由来はどこから来ているのでしょうか。

Isuka: IDTというチームのテーマは“執念”です。僕自身、『LoL』の競技シーンを執念だけで生き抜いてきたところがあるので、このマインドはチームでも大事にしたいという思いがありました。

ただ、“執念”という言葉そのままでは「黒い炎」のようなネガティブな印象も与えかねません。そこで、よりエネルギッシュでポジティブな形に変換したいと考えました。

「胸の中で燃え盛る情熱の炎」を意味する「Inferno(インフェルノ)」と、その炎をエネルギーに変えて突き進む「Drive(ドライブ)」。この2つの言葉を掛け合わせることで、僕らのポジティブな“執念”を表現できると思い、「Inferno Drive Tokyo」と名付けたんです。

――「Tokyo」という地名には、何か意味が込められているのでしょうか?

Isuka:「Tokyo」という地名を付けた理由は、「世界に進出する」ことを視野に入れたチームだからです。

国際大会などに進出したときなどに「Tokyo」というワードが入っていると、海外の人が日本のチームであるということを認識できると思うんですよ。

ほかのeスポーツチームを見ても「Tokyo」というワードが入っているチームは少ないので、付けたかったというのもあります(笑)。

あと個人的な面でも、自分自身が東京という場所で成長したり、野心を育んだ場所でもあるので、思い入れのある場所でもあります。

――実際にチームをイチから作る上で、どのようなコンセプトで選手を集めましたか?

Isuka:ひとつだけ明確にあったのが、「仲間を強くできる選手」というコンセプトです。

例えば、選手一人が他の選手に比べて3倍強くなるよりも、その選手がいることで周りの選手のパワーが1.5倍になるような選手のほうが、チーム全体として生み出せるパワーが大きくなると思っていて。

これまでチームゲームを経験してきて、『LoL』においては特にこの要素が重要だと肌で感じていました。だからこそ、この軸だけは絶対にブレないようにと意識しましたね。

――周りを巻き込みながら、成長できる選手を集めたというイメージですか?

Isuka:そうですね。選手個人がそれを意識しているわけではないと思うんですけど、自然にそういったことができる選手を選びたいなと思っていたので、5人のシナジーや周りをバフできるような選手を集めたという感じです。

――選手を集めながら考えていた、チームのゴールや目標などはありますか?

Isuka:集めていた選手は、「LJL優勝」「LCP優勝」「Worlds優勝」まで挑戦し続けられるメンタルを持った選手たちだと思ったので、それを目標としていました。

――中長期的な目標設定だと思います。これほどのゴールを目指す、Isukaさんの原動力となっているものはなんでしょうか?

Isuka:これはまさに「執念」という部分にもつながるのですが、僕個人は『LoL』というゲーム自体は得意じゃないんです。プレイヤーとしてすごく強いというわけでもないですし、コーチ時代も上手く指導できたというわけでもないですし......。

ただ、負けっぱなしは嫌だなって。負けん気の強い雑魚みたいな感じなんですけど(笑)。シンプルに勝つまでやりたいっていうのと、LJLというリーグが「弱い」っていうイメージのままなのがイヤだったので!

全てをオープンに。IDTが大事にしていること

――新規参入のチームながら、SNSやYouTubeなどといったコンテンツの発信を積極的に行っています。チームとして、そういった点も重視しているんでしょうか?

Isuka:僕は「LJLを最強のリージョンにしたい」という思いがあります。ただ、それを実現させるためには、選手たちが『LoL』で生活していけるようにならないと厳しいと思っています。ストリーマーさんたちが良い例だと思いますが、メンバーの一人ひとりにファンが付けば、『LoL』の選手をやめたり、IDTを退団したりしても、個人の資産になると思うんです。

そういったファンづくりのためには、選手個人、そしてIDTというチームとしてのブランドが育っていくことが大事だと思っているので、コンテンツづくりや発信に積極的に取り組んでいます。

――実際に参考にしているチームなどはありますか?

Isuka:選手インタビューでEnapon選手が言っていましたが、海外LoLストリーマー・Caedrelさんがオーナーを務める「Los Ratones」の“全てをオープンにしていく”という姿勢が印象に残りました。

個人的にですが、こういった部分が今までのLJLに不足していた要素なのかなと思っていたので、練習の様子もオープンにする「公開スクリム」などに取り組んでいます。

もちろんチーム内の情報をオープンにすることでデメリットなどもあるとは思います。ただ、それ以上に自分たちの情報を見て、攻略しようとすることでLJLや競技シーン全体のレベルが上がる可能性もあるんじゃないかなと思っているんです。

その強くなったチームたちと切磋琢磨することで、さらにLJLを強くするきっかけになるんじゃないかと。この流れを成り立たせるためには自分たちも強くないといけないので、頑張らないといけないなと思っています。

――公開スクリムを他のチームに申し込む際、障壁などはなかったんでしょうか?

Isuka:今シーズンは「公開スクリム」をやろうとしていた雰囲気がベースにあったので、そんなに困らなかったです。当然と言えば当然なのですが、ロスター発表前のチームからは断られました(笑)

――Isukaさんから見て、IDTに入って意識が変わったと感じる選手はいらっしゃいますか?

Isuka:JustFocus選手とImagine選手は、元々SNSの運用をしっかりしている選手だったので、そこまで大きな変化は感じませんでしたが、日本人選手であるPink選手、Enapon選手、wanan選手は、かなり意識が変わったなと思います。

発する言葉がファンの皆さんを意識したものになってきていると思いますし、プレー自体も「ここで諦めちゃダメだ」というのが滲み出るようなプレーになっていると思います。

――選手のSNS運用について、チームからアドバイスをすることもありますか?

Isuka:IDTの公式Xのポストを「リポストしてね」くらいのお願いはありますけど、特に自分から何か言うことはないですね。選手個人の意識の変化が大きいんだと思います。

LJLを最強のリージョンにするためなら、何でもしたい

――「LJLを最強のリージョンにする」というお話がありましたが、現在のLJLをどう見ていますか?また、どのようなビジョンを持っていますか?

Isuka:「日本のLoLの盛り上がり」というものをすごく感じていて、それに呼応する形で今年のLJLは昨年以上に盛り上がっていると感じます。

今シーズンは若い選手がたくさん台頭していたり、僕たちのようにSNS活動を活発に行うチームも出てきたり、日本のシーン全体が盛り上がっているという印象もあり、すごく嬉しいです。LTKなど、ストリーマーさんたちの活躍のおかげですよね。

将来のビジョンについては、先ほども軽く触れましたが「LJLを最強のリージョンにする」ために、できることは何でもしていきたいと思っています。

公開スクリムなどもそうですが、福岡第一高等学校のeスポーツ部である 「D1GT(ディーワンジーティー)」と 教育的パートナーシップを締結したり、学生などの若手たちの『LoL』を盛り上げるというところで関わっていきたいですね。

――5年後、10年後、チームとしてどのような存在になっていたいか、将来の構想をお聞かせください。

Isuka:何年後でも「ファンの皆様に愛され続けるチーム」になっていたいですし、そのための努力をし続けられるチームでありたいです。

もちろん、各トーナメントでの優勝は狙っていきますが、挑戦し続けるためには「強さ」だけではダメだと思うので「ファンの皆さんと共に歩み続ける」という気持ちをこの先も忘れずにしていきたいです。

――ありがとうございます。短期的なものよりも中長期的なビジョンを重要視しているのですね。

Isuka:そうですね。これも執念の話に繋がりますが、達成するまでやるというのが、僕の『LoL』人生だったので「諦めずにやる」というのを大事にしています。

――改めて、IDTの“ここを注目してほしい”というポイントがあればお願いします。

Isuka:親バカみたいな感じなんですけど、IDTは心が優しい良い子たちが集まりました。そういった面を届けられるようにShorts動画などでたくさん発信をしているので、選手たちの内面に注目してほしいと思います。

――最後に応援してくれるファンの皆様へメッセージをお願いします。

Isuka:僕たちはファンの皆さんのことを僕たちの心に火を点けてくれる存在ということで「IGNITER」と呼んでいます。「IGNITER」の皆さんだけではなく、僕たちIDTのメンバーも「IGNITER」の皆さんに火を灯せる存在になっていきたいと思うので、これからもお互い熱く頑張っていきましょう!

――本日はありがとうございました!

Isuka:ありがとうございました!

<取材・執筆:えごいすと/編集:松田和真>

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