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「本田翼さんとはファイトしがちでした」しゃるる × たかやスペシャル × Qooが振り返る「LTK」―苦難の道だからこそ腹を割れた、STの歩みを聞く

「Sorcery Tiara(ST)」のしゃるるさん、たかやスペシャルさん、Qooさんにインタビュー。敗北を喫する中で、どうやって士気を保っていたのかなど、「LTK」について振り返っていただきました。

オクドス熊田

オクドス熊田


9月より始まった『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』のリーグ「League The k4sen(LTK)シーズン: 黄昏の試練」。その決勝トーナメントである「シーズン: 黄昏の試練 プレイオフ」が、2025年12月23日(火)に東急ドレッセとどろきアリーナにて行われました。

FISTBUMPでは、惜しくも敗退してしまった「Sorcery Tiara(ST)」のしゃるるさん、たかやスペシャルさん、Qooさんにインタビューを敢行。苦しい展開の中でも、チーム全体がどうやって打ち解けていったのかを聞きました。


「LTK」に必要なのは“削ぎ落とし”。STコーチ陣の語る成長とは

しゃるる:ここが謝罪会見会場ですか。

たかやスペシャル:0-7の謝罪をね(笑)

――いえ、決してそういうわけでは……! 改めまして、本日は惜しくも負けてしまいましたが、「シーズン: 精霊の花祭り 幽明の境」から比べてご自身やチームの成長した点などを伺ってもよろしいでしょうか。

たかやスペシャル:やっぱりサポートの知識量が増えたことですかね。コーチがQooさんだったこともあって、すごく細かい……なんというかオタク的な部分まで教えてもらえたので。

あとチームメイトで言えば、やっぱりメイカちゃん(※歌衣メイカさん)ですね。最初はもう本当に、SoloQプレイヤーって感じだったんですけど(笑)。いまはちゃんとチームゲームのできるプレイヤーになったなと思いました。今日のパフォーマンスもすごくよかったですしね。

――おふたりとも、この半年で間違いなく成長されていました。コーチ陣はどうでしょうか。

しゃるる:僕はそうですね……なんか、苦手なことをさせなくなったなって。前回のシーズンのときはとにかく理想の構成を追い求めてたんですよ。「これが強いから、これをやろう」みたいな。でも、“できないことは、できない”んです。無理にやらせるのは選手のメンタルにもよくないんですよ。

多少構成が難しくなっても、選手のやりたいことを優先させる。そうすれば仮に負けたとしても、前向きに受け止められるんですよね。そういうのもあってか、チームは雰囲気よく練習できて、勝ちも重ねられたのかなと思います。

――NEXTを教えるうえで、やり方を変えていったと。

しゃるる:そうですね。でも、けっきょくはCOREも同じなんだと思います。できないものはできないし、やりたくないことをやらせたらパフォーマンスが下がるんです。「シーズン: 黄昏の試練」はそういうところに意識を向けられたので、比較的うまくいったんじゃないかなと。

――ありがとうございます。逆にNEXTからCOREのコーチになった、Qooさんにもお話を伺えれば。

Qoo:……あんまり成長してないかも。NEXTはできることが少ないぶん戦略を決め打ちして「これをやろう!」という感じで教えられたんですけど、COREだとそうはいかず……全体的に、取捨選択がうまくいきませんでした。応用のきかなかったシーズン序盤に比べたら成長はできたんですが、個人的には退化と言ってしまってもいいかもしれないですね。

――納得いっていない部分が多いと。

Qoo:すごく迷ってしまったシーズンだったなと思います。でも、チームの成長はすごかったんですよ! 移籍が多かったこともあって、最初は……マジで見てられないレベルでしたけど(笑)

一同:(笑)

Qoo:でもそこからどんどん地力が上がっていって、シーズン中盤にはもう少しで勝てそうな試合もたくさんありました。それこそ今日の2試合目も、正直勝てていたと思うんですよ。“勝ち”というゴールが見えていない中で、個々のレベルがこれだけ上がったのはすごいことだなと。

……僕はあんまり成長できてないな。(レベルは)上がってないですよ、多分。

しゃるる:いやこれ、補足があるんですけど。ふつう成長って、“新しいことができて、それがチーム全体に広がっていく”っていう状態だと思うじゃないですか。新しいキャラやって、新しい構成やって、みたいな。

でも「LTK」って、削ぎ落していくほうが強いんですよね。新しいことをやるんじゃなくて、使える選択肢の中から得意なものを絞っていくほうが強いんですよ。

――なるほど。

しゃるる:これってすごく消極的な手段に見えますし、退化したように感じちゃうんですけど、「LTK」においての成長・進化はこういう方向性だと思うんです。

Qoo:あぁー……確かにそうかも。自分は『LoL』っていうゲームは選択肢を多く持っていればいるほど強くて、選択肢を増やすことこそが成長だと思っていたんです。でも、「LTK」は必ずしもそうだとは限らないですよね。

そう考えると、僕も「LTK」の形には順応できていたのかもしれないです。最後のほうは「この戦略はダメ」と区切ることが多くなっていましたし。……そう考えると、ちゃんと成長できていたのかもなあ。

「戦いでした」 本田翼との舌戦、その裏にあるしゃるるコーチの理念

――試合内外問わずでいいのですが、「シーズン: 黄昏の試練」中で印象に残っていることなどはありますか?

しゃるる:それだとあれかな。プラクティスツールを使った集団戦の練習。ふつう、レーン戦勝ったら集団戦も勝つじゃないですか。でもなぜか最初は全然勝てなかったんですよね。そこでプラクティスツールを使って、延々と5vs5で集団戦の練習をやり続けたんですよ。

――ありましたね、ずっと練習してる回。

しゃるる:装備とレベル、アイテムを指定して、どっちから入るかも指示出して……そうしたら全員動きがしっかりしてきて「あ、これちゃんと使える練習法なんだ」って思いました(笑)。初心者の方にはいいかもしれないですね。

――あと練習で言うと、しゃるるさんは本田翼さんとも舌戦をくり広げていたりしましたが。

しゃるる:いやー、戦いでしたね(笑)

一同:(笑)

しゃるる:自分はコーチが悪者になるのがいちばんチームがまとまると思うんです。でもNEXTだと、あんまり強く言うわけにもいかないじゃないですか。ちゃんと褒めるところは褒めて、士気を上げるモチベーターにもならなきゃいけない。だからたくさん褒めるところを探したりはするんですけど……まあその、たまに褒めるところがないときがあるんですよ。そういうときは、ファイトになりがちだったかもしれないです。本田さんとは(笑)。

もちろん上手いところもたくさんあるんですよ。ただまあ「そこは前回褒めたし、今回は別にいいか」ってなるといいますか。

――どうしても戦うしかないときがあったわけですね。CORE側のおふたりは、なにかありますでしょうか。

たかやスペシャル:やっぱりチームのメンバーと仲良くなれたことですかね。ただ、『LoL』以外で遊んだときでも、全員が顔色を窺って決めきれないことがちょこちょこあって。けっこう大きい決断をしなきゃいけないのに、その場にいた全員が保留にしたりすることとかあったんですよ。

そういう話をひなーの(※橘ひなのさん)にしたら、「その決断力がねえからうちらは勝てないんだよ!」って一喝されちゃって(笑)。いやもう本当に、ST COREの弱さがふだんの行動にも滲み出ちゃっていたんだな……と。

しゃるる:今日の試合でファーストタワーが折れなかったのも、まさにそういうところだよね。「誰かヘラルド乗れよ!」って思ってた(笑)。

Qoo:いやー、実際そういう優柔不断感はぬぐい切れなかったですね。たかちゃん(※たかやスペシャルさん)がコールしても、周りが信じきれなかったりして。

でも最終的には、みんな腹を割ってコミュニケーションができるようになった気がします。負けまくったことで逆に吹っ切れたというか。(横を見ながら)そうだよね、たかちゃん?

たかやスペシャル:そうだね。0-6になったのはもう完全に吹っ切れた。

Qoo:シーズンの途中までは、みんな腹を割って意見をぶつけ合っていると言いつつも、どこか割り切れないような印象がありました。でも0-6になってからは雰囲気が違って、「そこはお前が悪いじゃん!」ってがっつり言い合えていたんですよね。そういう変化はコーチとして印象深かったかな。

――今日の試合でも激しいVCがありましたよね。

しゃるる:アルファくん(※AlphaAzurさん)がUlt外してたかちゃんが怒ったとこかな。

たかやスペシャル:俺、信じられないほどキレたからね(笑)

Qoo:がたがた動きすぎてこっちの机まで振動来てたもん(笑)

もっと『LoL』を知りたい。指導者としても、プレイヤーとしても、人としても成長した半年間

――最後に、この半年間を振り返っての感想をいただけますか。

たかやスペシャル:人として成長できたなと思います。やっぱり人と関わらないと、自分の悪いところって見えないんですよね。

しゃるる:悪いところってなんだったの?

たかやスペシャル:ちょっと協調を重んじすぎたのかなって。なんか“雰囲気がいい”のが正義だと思ってたんですよね。でもそうじゃなくて、ときにはストレートに伝えるほうが相手のためにも、今後のためにもなるんですよ。

この半年間を通じていろいろな気づきがあって、『LoL』プレイヤーとしても、人間としても、配信者としても、すごく成長できたような気がします。

しゃるる:嫌かもだけど、俺みたいなやつがチームにひとりいたほうがいいのかも(笑)

たかやスペシャル:そうかもね(笑)

しゃるる:僕は……もっと本番の試合がしたかったですね。

たかやスペシャル:6週じゃ足りないよね。

しゃるる:個人的にレギュラーシーズンが6週なのはいいんだけど、プレイオフをもっとしっかりやりたかったなと。コーチとしていっぱいチームメイトを見てきたからこそ、2試合はやらせてあげたかった。

――1試合だとどうしてもブレがありますもんね。

しゃるる:今日の試合とかも本当にいい進行ができてたんだけど……おぼさんのビッグプレイで試合の流れを変えられちゃったから。ちゃんとフィードバックすればああいうのは防げるので、修正したうえでもう1試合したかったですね。もちろん、欲を言えばの話ですが。

――ありがとうございます。Qooさんはいかがでしょう。

Qoo:もっと『LoL』を知りたいなと思いました。自分の教えられる幅を、もっと広げたいなと。

――Qooさんはプロチームでコーチもやられていましたが、それでもまだ足りないと。

Qoo:それこそアイアンからマスターまで、この半年間で全部のレートを見たと思うんですよ。そのおかげで自分の中にあった「このレートの人にはこう教えよう」っていうイメージとは、全然違っていたことがわかったんですよね。前回のシーズンではチームがのぼり調子だったこともあってか、今シーズンで負けているチームの導き方も下手になっていましたし。

まだまだ全然足りてないことを実感する半年間でした。だからこそ、もっと『LoL』を知りたいです。

――ありがとうございました!


インタビューが実施されたのは、最後の試合からおおよそ30分後。端々に悔しさを滲ませながらも、表情は晴れやかに、楽しかった出来事を思い出すかのようにインタビューへ応じていただきました。

多くのストリーマーたちが彩った「League The k4sen シーズン: 黄昏の試練」は終わりましたが、「LTK」はまだまだ終わりません。つぎなる大会は、一般参加大会となる「League The k4sen Dash Ladder」。新たなドラマを作り上げるのは、もしかしたらこれを読んでいる“あなた”かもしれません――。続報をお楽しみに。


<執筆:オクドス熊田/編集・撮影:松田和真/取材協力:まっつぁん>

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