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2025年8月24日、『リーグ・オブ・レジェンド』のアジア太平洋地域リーグ「LCP」の第3Split「Season Finals」Week5 Day3の試合が実施され、「DetonatioN FocusMe(DFM)」と「Fukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG)」の日本チーム対決が行われました。
今Splitで3回目の“LJL対決”となった本カードは、「勝てばプレイオフ進出、負ければレギュラーシーズン終了」という重要な一戦。Game1ではスモルダーピックのDFMに対してSHGもドラゴンスタックで応戦し、インファーナルソウルを獲得する展開に。しかし優位を握ったDFMが最後はノクターン&オリアナのコンボアルティメットを炸裂させ、集団戦を勝ち切って1-0とします。
続くGame2では早々にDFM Citrus選手のトランドルがMIDにガンクを決めると、スノーボール展開に。SHGも集団戦での反転から一時は追い上げましたが、アタカンファイトを機に試合は大きく傾き、26分でゲームエンド。Bo3は2-0でDFMの勝利となりました。
試合後、残念ながらシーズン最終戦となったSHGのEvi選手にインタビュー。本日の試合と、シーズン全体でのチームの反省や振り返りを聞きました。
――今日のご自身のパフォーマンスから振り返っていただけますか。
Evi:「全然ゲームに介入できなかったな」っていう感じですね。うーん、なんだかな……。Game1もGame2も僕が関与できない部分で大きく負けてしまって、しょうがないかなという気持ちもありますね。
――1試合ずつ振り返ってみますと、Game1はDFMがノクターン&オリアナという、Week3、4での対戦と同じピックを当ててきました(結果は1勝1敗)。結果的にかなり難しい展開になってしまったという印象でしょうか。
Evi:そうですね。こう対処すれば大丈夫という考えはあって……(暫しの沈黙)対処できると思っていたんですが、インゲームになってみると全然できなかった、という感じですかね、僕的には。
――Game2ではグウェンでジャックスとの対面で、サモナースペルはイグナイト・テレポートになりました。やや珍しい印象だったのですが、やはりレーンを強く見る狙いだったのでしょうか。
Evi:対ジャックスのマッチアップなら、あの組み合わせが基本的だと思います。グウェン側がレーン戦で負ける可能性があるのは序盤だけなんですが、イグナイトを持つことで序盤も勝てて、後半はスケールがあってもっとグウェン側が強い、というマッチアップですね。
――これでSplit3ではDFMと3回対戦して、1回目は2-1で勝利、2回目は大接戦ながら1-2で敗戦、そして今日は0-2での敗北となりました。試合直後で難しい気持ちとは思いますが、繰り返しの対戦で結果が奮わなくなっていった原因はどのように分析されていますか?
Evi:大丈夫ですよ。最初は憤怒の感情が大きかったんですが、喋っている間に落ち着いてきました(笑)。
素直にDFMのコーチ陣が素晴らしかったなと、讃えたい気持ちがありますね。本音を言えば、僕はプレイヤー個人の力量ではこっち(SHG)が勝っていると思っていて、そこを生かしてこれまでずっと負けてこなかったんですが、DFMはチーム的な強さの部分で仕上げてきて、それに対して僕らが上手く成長できなかったと感じています。
僕らが成長できなかったのもあるし、彼らが上手く成長したのもあるし、という感じですね。なので上から目線のような言い方になっちゃいますが、正直に「すごいな」「やられちゃったな」という気持ちです。
――その「成長」というのがやはり難しいポイントだと思います。SHGはシーズン序盤こそコミュニケーションが整わなかったりスワップに対応できなかったりという課題もありましたが、中盤にはチームとして連携しているシーンも見られました。ただ、このLCPというハイレベルな環境ではチームの状態が良くても試合に勝てず、苦しい時期が続いた印象です。成長と結果について、どう感じていますか?
Evi:うーん……正直に言って、フィードバックがあまり効果的なものにならなかったかなと。コーチ陣と選手の間でのズレみたいなものが最後まであったと思います。
僕の感覚ではシーズンの序盤と今では僕たちは全く変わっていないと思ってしまいますし、ポテンシャルだけで戦っていたので、DFMにも追いつかれたんじゃないかなと。「チームって難しいな」と思うシーズンでしたね。
――とは言え上位チーム相手に食らいつく試合もあり、シーズン序盤にお話いただいた「ポテンシャルは間違いなくある」ということの証明にもなったかと思います。ただ、終わってみればSplit3まで「日本チーム同士で6位を争う」構図からは抜け出せず、LCP地域の中で日本チームが存在感を示すことはできませんでした。このことについてはどう考えていますか?
Evi:良い質問ですね。この結果は、逆に言えば「本当の意味でいろんなものが見えてきた、わかってきた」シーズンだと思います。相手がどれくらいの強さで、どんなチームなのかというのも見えましたし、チームのどこを良くするのが大事なのかも思い知らされました。
人生をかけているのはいつものことなんですが、本当に、ホントの本気で僕はこの結果が死ぬほど悔しいので、僕自身来年どうなるかわからないですけど、来年もSHGさんが僕と契約してくれるなら、あるいは他のチームでの戦いになるのかわかりませんが、チャンスがあれば「このリージョンで勝つために必要だと学んだこと」をぶつけてみたいですね。
――来シーズンの開幕はまだまだ先になりますので今聞くのも忍びないのですが、来年のEvi選手にも期待して良いでしょうか。
Evi:それはまぁ、僕が出るのが良いと思ったら出ますし、他の人が出た方がいいと思うのであれば、という感じです(笑)。僕にとっては日本というリージョンが勝つことが一番大事なので、僕以外が出るのが最適と感じたらそうしますし、この福岡ソフトバンクホークス ゲーミングというチームの名前を背負っている以上は、絶対に優勝争いできるチームにしたいと思っています。
――ありがとうございます。最後に、今回は初のプレイオフに挑戦するDFMにエールをいただいても良いですか?
Evi:頑張れ、ファイティン!(サムズアップを決めながら)。素直に「おめでとう」と思います!
――お疲れ様でした。今スプリットもありがとうございました。
Evi:こちらこそ、ありがとうございました!
「LCP Season Finals」は、出場8チームがMid Seasonの戦績に基づいて「コンテンダーグループ」と「ブレークアウトグループ」へとグループ分けし、2フェーズ制で実施。本日の試合でレギュラーシーズンの全日程を終え、SHGは7位でシーズンを終えました。
プレイオフでは変則ダブルエリミネーション形式のトーナメントが行われ、上位3チームが年間最大の国際大会「Worlds 2025」への出場権を獲得します。日本からはDFMが第6シードで進出し、初戦では第3シードチームとの対戦が予定されています。