Riot Gamesは、『リーグ・オブ・レジェンド』パッチ25.14にて、新チャンピオン「ユナラ」を実装しました。ボットレーンで使用されることを前提にデザインされたユナラは、伝統的なADCのプレイスタイルに現代的なアプローチを融合させた、まさに「王道のマークスマン」として、ボットレーンに新たな風を吹き込みます。
◆「ユナラ」詳細
ダーキン戦争の間、「均衡の守人」の影の拳であるユナラは、己を犠牲にして、ダーキン・グレイヴを精霊界へと封じた。留まり続けた彼女だが、超常的な力の氾濫によって封じられていた神殿ごと定命の世界へと戻された。
「瞳が隠れ、担い手が揺らぐなら、拳は一層固くなければ」
今、幾世紀の時を超え、ユナラはかつての面影すら残らないアイオニアに舞い戻った。太古の知識と技術を武器にして。
◆スキル
固有スキル - 始まりの地への誓い
クリティカル攻撃に魔法ダメージが追加される。
Q - 精神修養
攻撃のたびに「解放」を1スタック獲得する。チャンピオンに攻撃を当てる、またはクリティカルが発動すると、さらに1つ「解放」を獲得する。スタックが最大になると、Qの発動で攻撃速度と追加ダメージを獲得し、通常攻撃のたびに小規模の範囲ダメージが追加される。
このスキルはユナラが超越状態の時、自動的に発動する。
W - 裁きの弧 / 滅びの弧
回転する珠を放つ。珠は移動しながら敵にダメージを与え、スロウ効果を付与する。珠は終点でとどまって一瞬拡大し、その場から逃げない敵に継続してダメージを与える。
超越状態の時、回転する珠ではなく精霊魔法を放ち、直線上にダメージを与えてスロウ効果を付与する。
E - カンメイの歩み / 触れ得ぬ影
一時的に移動速度が急上昇する。敵の追跡、位置の移動、スキルショットの回避に使うことができる。
アルティメットスキルの使用時にクールダウンがリセットされ、短い距離をダッシュできるようになる。
R - 自己超越
ユナラ自身の本来の力を解放し、数秒間「超越状態」になる。効果時間は、すべての基本スキルが強化される。
◆開発者Q&A
——ユナラのゲームデザインで目標としていたことは?
Max Perlman氏(ユナラのリードゲームプレイデザイナー):ユナラにおける大きな目標のひとつは、「王道のマークスマン」としての感触を持たせることでした。ここ最近のマークスマンの傾向を見てみると、その多くはキャスター寄りでスキルに強く依存している(例:スモルダーやカイ=サ)、あるいは非常にユニークな特性を持ち、プレイヤーに新しい操作や理解を求める(例:ゼリ、サミーラ、ニーラ、アフェリオス)チャンピオンでした。ユナラは、マークスマンというロールの基本的な技能──間合いの管理、オーブウォーキング(移動しながらの通常攻撃)、位置取り、高い継続火力──を重視するプレイヤーのために設計されていますが、そこにほんの少し現代的なアプローチが加えられています。
——想定しているポジションは?また、それ以外のポジションでも使えますか?
Max Perlman氏:ユナラは完全にボットレーン向けに設計されており、他のロールで使われることは望んでいません。どのチャンピオンにも言えることですが、実装直後は、多くのプレイヤーがさまざまなロールでユナラをプレイすることが予想されます。ですが、ユナラはボットレーナーとして想定されており、そのポジションに適したバランス調整を行っていく予定です。
——ユナラのゲームプレイスタイルを言葉で表すなら?注目すべき点や特長は?
Max Perlman氏:ユナラのスキルセットは、力の変動にフォーカスしています。Qでエネルギーを溜め、その後一時的に非常に強力な状態になることができます。さらにアルティメットスキルを使うことで、ゲームプレイのダウンタイムを短縮することが可能です。これにはQの強化が重要で、強化効果をより長く維持できるだけでなく、他のスキルも全体的に強化されます。
——ユナラをプレイする際のアドバイスはありますか?
Max Perlman氏:ユナラをプレイする上で重要なのは、自分が強化されているタイミングを理解して動くことです。レーン戦では、Qが使用可能になる直前または使用可能なタイミングまでは安全に立ち回り、準備が整ったら攻めに転じるのが理想です。Wで敵に強力なスロウを付与した後に、Eの移動速度増加効果を利用して一気に距離を詰め、全火力を解放することができます。
ユナラは、攻め時を見極めて「スイッチを入れる」ようなプレイスタイルが強力で、特にアルティメットが使用できるタイミングではその威力が格段に増加します。また、ユナラは大規模で高度に統率された集団戦よりも、小競り合いで真価を発揮します。
——ユナラを相手にする際のアドバイスはありますか?
Max Perlman氏:ユナラのQとRの発動は、彼女が最も強力になるタイミングです。これらのスキルを使ったのを見たら、一時的に距離を取って効果時間が切れるのを待つのが良いでしょう。その後、弱まったタイミングを見計らうことで、一気に追い詰められますユナラのQは、チームが密集していると非常に危険です。Qの跳ね返りの範囲に入らないようプレイすることで、余計なダメージを減らすことができます。ユナラが安全に仕掛けられるのは、W/RWを命中させた時や、味方が前線を作ってくれている場合に限られます。W/RWやE/REを受け身の状況で使うようにプレッシャーをかけることで、不利な状況に追い込むことができます。
——開発中に予想外の課題や印象的な出来事はありましたか?
Max Perlman氏:ユナラのQは、「ルナーン ハリケーン」との相性が非常に良いのですが、開発段階では長期に渡り、彼女がこのアイテムを使うと一カ所に固まっていた敵チーム全員がキルされてしまい、しかも、なぜそんなことが起こるのか分かりませんでした。原因を突き止めてみると、Qの跳ね返りダメージにクリティカルのダメージ倍率が複数回適用されていたことが分かりました。その結果、敵チームが密集しているところにQを使うと、まさに「存在ごと消し飛ばす」火力になっていたのです。
別の話ですが、ゲーム内の多くの飛び道具は円形に見えても(ヌヌの雪玉など)、実際には高速で動く細長い長方形です。しかし、ユナラのWをきっかけに、ゆっくりと移動しながら敵と接触する際により正確な当たり判定を行えるように、飛び道具について実際に「円形」の当たり判定を新たに開発することになりました。