2015年のプロデビューから今日まで、Peanut選手はLoL Esportsの歴史に輝かしい足跡を残し続けています。ROX Tigers、SKT、Gen.Gなど名門8チームを渡り歩き、5つの異なるチームでLCKタイトルを獲得した稀有な存在。マクロプレイを重視する現在のプレイスタイルへの進化、そして「マオカイ」での圧巻な94.7%という勝率。国際大会での活躍が期待される中、「LCKの王子様」の愛称で親しまれる彼の10年間の軌跡とこれからの挑戦に迫ります。
◆LCKのJGで最年長となる大ベテランプレイヤー
Peanut選手は2015年にNaJin e-mFireというチームでデビューすると、翌年の2016年に在籍したROX Tigersで頭角を現し始めます。「LCK 2016 Spring」でシーズン1位を獲得し、「LCK 2016 Summer Playoffs」では決勝でKTを破り、自身初のLCKタイトルを獲得。翌2017年にはSKT(現T1)に移籍し、MSIで自身初の国際戦タイトルを獲得します。近年では、Gen.G所属時代に2022年から2023年にかけてLCK3連覇を達成するなど、この10年間で輝かしい経歴の数々を残しています。
現在、LCKに在籍する選手の中でPeanut選手よりもキャリアが長い選手はFaker選手たった一人だけです。
また、近年のLCKでは、1つのチームに長期間所属し、チームの顔となる「フランチャイズスター」と呼ばれる選手が多い中、Peanut選手はSKT、Gen.G、HLEなど、名だたる名門チームを渡り歩き、10年間で8チームに在籍した経験を持つ選手でもあります。
そんなPeanut選手が2024年2月25日にデビュー10周年を迎えました。
デビュー10周年を記念して、LoL ParkではPeanut選手の特別イベントが行われ、本人も会場に登場するなど、現地は大いに盛り上がりを見せました。また、LCKの公式YouTubeチャンネルでは、Peanut選手の10周年を記念した特別映像が公開され、彼が歩んできた10年間の道のりを振り返ることができます。
◆時代と共に変化するジャングラー「Peanut」
デビュー当初は、リー・シン、ニダリー、エリスといった、いわゆるキャリー型JGがシグネチャーピックとされていたPeanut選手ですが、最近ではマオカイ、ヴァイ、セジュアニなど、ゲームをコントロールするイニシエート型のチャンピオンでの活躍が目立ちます。
その中でも彼が最も得意としているチャンピオンが「マオカイ」です。
2024年シーズンは1年を通してマオカイを19回ピックし、その勝率は驚異の94.7%。敗れたのはわずか1回だけでした。また、「Worlds 2023」から「LCK 2024 Summer」まで、マオカイで17連勝を達成するなど、圧倒的なスタッツを残しています。

得意チャンピオンだけではなく、プレイスタイルにもこの10年で大きな変化が生まれます。
キャリア序盤はハイリスクを承知の上で攻撃的な立ち回りが多かったPeanut選手ですが、近年では相手の動きを予測した「人読み」を得意とし、優れた状況把握能力と相手の動きを読むマクロで試合をコントロールすることに長けています。また、チームではイニシエートやコールの役割を担うことも多く、チームの「司令塔」として献身的なプレーをする姿が多く見受けられます。
国内戦では得意の人読みを活かしたプレーで通算7度のLCK優勝を経験している一方、国際戦では「人読み」の難しさもあり、獲得したタイトルは2017年のMSI優勝1回のみと、国際戦を苦手とする一面も持ち合わせています。
2017年以降、長らく国際戦のタイトルから遠ざかっているPeanut選手ですが、彼が所属するHLEも2018年の創設以来、国際戦のタイトルを獲得したことがなく、チームにとってもそれは『悲願』とも言えます。
◆ゲーム外でも圧倒的な人気を誇る「LCKの王子様」
ゲーム内では、その偉大なキャリアと十分な実力でスター選手の一人に挙げられるPeanut選手ですが、ゲーム外ではK-POPアイドルのような整ったルックスも相まって、特に女性からの人気が高い選手として知られています。その人気は国内にとどまらず、中国やベトナムなどを中心に海外でも高く、多くのチームを渡り歩く中で、Peanut選手個人を応援する女性ファンが多いのも特徴として挙げられます。
2月に27歳を迎え、デビュー10周年を過ぎた今も「LCK」というLoL Esports最高峰のリーグで第一線を走り続けているPeanut選手。久しぶりとなる国際戦のタイトルを獲得し、自身のデビュー10周年に花を添えることが出来るのか。3月10日から開幕する「First Stand」でのPeanut選手の活躍から目が離せません!