• VALORANT
  • eスポーツ

「ここまで来るはずのチームじゃなかった」Team Vitality、Champions準優勝の会見でシンデレラランを振り返る【VALORANT Champions 2026】

Champions ShanghaiでLOUDに敗れ準優勝となったTeam Vitalityが、試合後の記者会見に臨みました。選手とコーチ陣が1年を振り返ります。

えとのす棘

えとのす棘

9月24日より中国・上海にて開催された『VALORANT』の国際大会「VALORANT Champions Shanghai」。最終日となる10月18日に行われたGrand Finalsでは、LOUDがTeam Vitalityを3-1で下し、2026年シーズンの年間王者に輝きました。

Team Vitalityは第1マップ序盤からJamppi選手のACEが飛び出すなど主導権を握ったものの、後半でLOUDの堅牢な守りを崩しきれず逆転負けを喫します。続く第2・第3マップはお互いにラウンドを取り合う激戦となりましたが、後がなくなった第4マップのヘイヴンでは、怒涛の追い上げを見せたもののあと一歩届かず、惜しくも世界の頂点を逃す結果となりました。

本稿では、激闘の直後に行われたプレスカンファレンスの模様をお届け。悲願のChampionsのトロフィーにはあと一歩届かなかったものの、互いを称え合い確かな手応えを口にした選手・コーチ陣。彼らが「快進撃の真実」と「チームの絆」、そして激動の1年を振り返り、来季への誓いを語ります。

「期待を抱かずに来た」選手たちが振り返る大会

――準優勝という結果となりましたが、Champions Shanghaiにおける最大の収穫は何でしたか?

Derke:僕たちは、大きな期待を抱かずにこの大会に来ました。ただ毎日練習を重ね、一戦一戦を戦ってきたんです。期待を背負わずにプレイできたのは、ある意味楽しかったですね。そうして気づけば決勝まで来ていました。

もちろん優勝したかったですし、それが叶わなかったのは残念です。でも、大会全体を通していい経験ができたと思います。僕自身、Championsのグランドファイナルに出るのは初めてでした。いろいろなことがあった数ヶ月を通じて、ここまで来られたのは大きな成果です。負けたのは本当に、本当に悔しいですけどね。

Chronicle:正直、嬉しい気持ちもあるんです。なぜかは自分でも分からないですけど。もちろん負けたのは悔しいです。

ここまでの道のりを振り返ると、そもそも僕たちはここにいるはずのチームではなかったと思います。まさにシンデレラストーリーのような勝ち上がりで、気づけば世界2位です。チームの誰も、ここまで来られるとは思っていなかったでしょう。

もちろん高い目標を掲げたいですが、その夢が遠のいてしまう状況もあります。だからこそ、今はみんなを誇りに思っています。今大会のために、全員が多くのものを犠牲にしてきました。その努力が結果を変えたんです。大会に出場するチームの中でも最弱候補の一つだった僕たちが、突然トップクラスのチームになったんですから。

そしてグランドファイナルでもいい戦いができました。最後まで勝ち切れなかったのは悔しいです。サミットを落としていなければ、第5マップまで行けたかもしれません。でも正直、仕方ないですね。

Sayonara:今はやっぱり悲しいです。勝ちたかったですし、そういう性格なので。でも、数日もすれば切り替えられると思います。十分にいい結果だったと思います。

ChronicleとDerkeが言ったとおり、ここまで来られるとは思いませんでした。巡ってきたチャンスをつかんで、いい戦いができました。優勝まであと少しの背線だったけど…まあ仕方ないですね。

PROFEK:本当に貴重な経験になりました。期待していなかったなかでも、結果的に準優勝まで来られました。もちろん負けたのは悔しいですが、グランドファイナルの舞台に立ち、優勝を狙うチャンスを得られたことは嬉しいです。残念ながらLOUDのほうが強かったですし、優勝にふさわしいチームだったと思います。

Jamppi:僕が一番学んだのは、5人全員がチームのために自分のことを犠牲にできたとき、それがどれほど大きな力になるかということです。このメンバーがここまで一つになれたのは初めてだと思います。

プレイだけでなく、ゲーム外での行動や、お互いへの接し方も含めてです。メンバー同士の化学反応が起きて、試合にも表れるんです。本当に信じられない旅でした。これまでで一番幸せな気持ちでプレイできたかもしれません。素晴らしいチームのおかげです。「チームとして一緒に成長することの大切さ」が僕にとって最大の学びですね。

PALヘッドコーチ:Elias(Jamppi)に言いたいことを全部先に言われてしまったので、繰り返す形になりますが。この選手たちに、いつか振り返ったときに大切な思い出として残してほしいのは、この5週間で僕たちが一つのチームとして、何より人間同士として、どれほど変わったかということです。それ以前の5か月と比べて、ものすごい進歩でした。それが結果にも表れたと思います。

最後の最後で勝ち切れなかったのは残念ですが、ここに来るとき「楽しもう」と話していました。それがひとつの目標だったんです。また、シーズンを通して自分たちの成し遂げたことを誇れるようになりたい、という目標もありました。その二つは十分すぎるほど達成できたと思います。

slk:最終的には素晴らしい結果です。人生が終わるわけじゃない。ただのゲームですから。みんなが自分にできることを犠牲にして、全力を尽くしました。チーム全員を誇りに思っています。

Chronicleが言ったように、ここまで勝ち進むと予想していた人はいませんでした。決勝で負けてしまったことは少し悲しいですが、切り替えて前に進みたいです。

そして、たくさんのいい思い出が残っています。素晴らしい大会でしたし、選手たちが成し遂げたことも素晴らしかったです。全員を誇りに思います。

Scuttt:僕もみんなと同じ意見です。大事なのは最終的な順位や結果そのものではなく「何をして、どういう姿勢で取り組んだか」です。僕らは本当に懸命に、チームとして素晴らしい形で取り組めたと思います。ここにいるメンバーだけでなく、裏方として支えてくれた全員も含めて、胸を張っていいと思います。

EMEAが再び優勝するために必要なものは

――Derke選手とChronicle選手に質問です。お二人は、1,000日以上前にEMEAが最後に国際大会のトロフィーを獲得したときのメンバーでした(2023年のMasters Tokyo)。その後、Championsでは3大会連続でEMEAのチームが決勝で敗れています。EMEAが再び国際大会で優勝するには、何が必要だと思いますか。

PROFEK:決勝をEMEA同士に。

Chronicle:それはそう。まあ、分からないですね。僕には答えられない質問です。

Derke:僕にも分かりません。でもPROFEKがいいことを言いましたね。

モルドバ出身のSayonara「どこからでもここまで来られる」

――チームは、アイルランドやスコットランド、北欧諸国など、さまざまなヨーロッパの国々の出身者で構成されています。一方、Sayonara選手はモルドバ出身です。特にTier 2やTier 3の競技シーンでは、あまり注目されてこなかった国だと思います。自国を代表して、同じような小さな国の出身で、まだこうした大舞台に立つ機会を得られていない選手たちの希望となれることを、どう感じていますか。

Sayonara:おっしゃるとおり、自分の国を代表できて嬉しいです。そして、努力して挑戦し続ければ、どこからでもここまで来られるということを示せたと思います。どこの出身か、どんな環境にいるかは関係ありません。本気で挑戦して全力を尽くそうという気持ちがあれば、誰にでもチャンスはあります。

「勢いに大きく左右されたシーズン」Jamppiが語る1年

――この1年を振り返って、どのような道のりだったと表現しますか。チームのパフォーマンスは、皆さんが目指していたチームのアイデンティティを体現できていたと思いますか?

Jamppi:少なくとも今大会の終盤には、来年に向けて自分が見せたいと思っているチームの姿が表れていたと思います。ただ、今年は本当に浮き沈みの激しい1年でした。

キックオフではUNFAKEと一緒にプレイすることになり、その後Sayonaraが加入してからも、特にチームのアイデンティティを確立する面で、最初は多くの問題がありました。

ロンドンではいい結果を残せた一方、EWCは散々でした。ステージ2はグループステージではよかったものの、プレーオフではあまりうまくいかなかった。でも、今回はよかった。勢いに大きく左右されたシーズンだったと思います。

来年に向けて必要なのは安定感です。どうすれば継続して高いパフォーマンスを発揮できるのか、そこを考えなければなりません。Championsでの経験は、来年に向けて大きな自信に繋がるはずです。少なくとも僕は、自分たちがどれほど高いレベルでプレイできるか分かったので、自信がつきました。

PAL「昨年の後悔は乗り越えられた」

――昨年、PALコーチは「自分たちは、ある一つの理念のもとに集まった、はみ出し者や居場所のなかった選手たちで構成されたチームだった」と話していました。その時に唯一後悔していることとして、「一緒に仕事をする仲間たちのことを、もっと深く知ることができなかった」ともお話しされていました。昨年と比べて、チームとして共に過ごす時間や関係性にどのような変化があったのでしょうか。

PAL:今年は国際大会に出場できましたからね。それだけでも良いスタートだったと思います(笑)今年のチームは、昨年自分たちが所属していたチームとはまったく違う形で作り上げてきたので、単純に比較するのは難しいです。

ただ、少なくとも今大会で成功を収めることができた理由は、チームとしてのアイデンティティを確立していく中で、ここにいる全員が、お互いのことを深く理解できるようになったからだと思っています。それぞれが何によってモチベーションを高め、どうすれば力を最大限に発揮できるのか。それを全員が理解できていたんです。

Scutttとslkは、選手一人ひとりが試合中にどのような環境やプレイスタイルで最も力を発揮できるのかをしっかりと把握し、それに合わせた戦術やプレイを組み立ててくれました。本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思います。

そしてJamppiも、特にこの6週間で、リーダーとして大きく成長してくれました。試合中のコールや判断といった面はもちろんですが、チームのために尽くすということがどういう意味なのかを、より深く理解するようになったと思います。私自身も、Jamppiのことを以前より深く理解し、彼がさらに次のレベルへ成長できるようサポートできたことは、特に誇りに思っていることの一つです。昨年の後悔を乗り越えられたかという意味では、達成できたと言っていいと思います。

もちろん、まだまだ改善できる部分はたくさんあります。選手一人ひとりに対しても、チーム全体に対しても、私自身もっとできたことはあったはずですし、それは全員に言えることだと思います。ただ、今はそこまで深く考えすぎるつもりはありません。現時点では、十分満足しています。

「誇りに思うという言葉だけでは足りません」

――結果がどうなろうと選手たちを本当に誇りに思っていると話していましたね。ここにいる5人のどんなところを特に誇りに思っているのか、少し教えていただけますか。

PAL:まず、それはこの7人全員に対して言えることです。

僕の右側にいるこの2人(アシスタントコーチ・アナリスト)について言えば、ここまで自分を犠牲にしてきた人を見たことがありません。毎日、毎週、ひたすらチームのために尽くしてきました。しかも、彼らはその働きに見合うだけの評価を十分に受けていません。彼らは僕が知っている世界中のほとんどのコーチよりも働いています。

二人とも間違いなく世界トップクラスの仕事をしてくれています。だから今年は、この二人と一緒にやりたかったんです。彼らは、僕やマネジメントが抱いていた期待に応えるどころか、それを上回ってくれました。今大会を通じて、彼らの仕事がどれほど大きな影響を与えたかは結果が示しています。

そして、僕の左側にいる選手たちへ。みんなのことを「誇りに思う」という言葉だけじゃ足りません。何より、君たちが人として、お互いとともに成長してきたことが大事です。

ストレスも多く、「狂乱」とすら呼べるような出来事もありました。それでも、お互いの関係を築いてきました。いろいろな呼ばれ方をし、レッテルを貼られてきました。それらを受け止めながら、一つのチームになれたんです。

本格的に動き出したのは3月でしたね。そして10月、地球の反対側で、とてつもないプレッシャーの中でも結果を出せた。特別なことです。

君たちが素晴らしい選手であることは、誰にも奪えません。君たち自身も分かっているでしょう。素晴らしい選手であることはもちろんですが、私がそれ以上に誇りに思っているのは、隣にいる仲間のために、自分自身を少し抑えて、チームを優先できるようになったことです。そして、その姿勢こそが、この1ヶ月ほどでチームを大きく変えたのだと思います。本当によくやったよ、みんな。

「彼は口を開けば最高の選手になるんです」

――ルーキーは競技1年目に多くのことを学ぶと思いますが、皆さんはSayonara選手ほどの実力を持つルーキーと一緒にプレイすることで、逆に何を学びましたか。

Chronicle:彼は口を開けば最高の選手になるんです。

PROFEK:彼は口を開けば最高の選手になるんです。

Derke:彼は口を開けば最高の選手になるんです。

――どういうことですか(笑)

Jamppi:個人的には、彼のような選手がチームにいるのはすごく大きいですね。特にEMEA地域の若手選手と比べても、彼はよくいるタイプの若手とは違うんです。

若手選手というと、あまりコミュニケーションを取らず、とにかくエイムに頼って積極的に突っ込んでいくような選手も多いと思うんですが、彼はそうではありません。彼は非常に頭の良い選手です。僕自身も彼からたくさん助けられています。

彼はキャリアを通してずっとイニシエーターをプレーしてきたので、最近僕も担当するイニシエーターについてすごく参考になりますし、彼のゲーム理解度の高さにも助けられています。

試合中は、僕たちもできる限り彼をサポートしていますし、逆に彼も良い影響を与えてくれています。特に彼自身が楽しんでプレイしている時は、一緒にいて本当に楽しいですね。彼は本当によくやってくれていう。

グランドファイナルのターニングポイント

――今回の試合で、Vitalityが優勢だった流れがLOUD側に傾いた、最も大きなターニングポイントはどこだったと考えていますか。

PAL:ヘイヴンの後半、第3ラウンド目だったと思います。サミットを挙げる人もいるでしょう。でも正直、あのマップでは勝てるだけの有利な状況を自分たちで作れていました。

以前LOUDとサミットで対戦したときと似たような展開になってしまったのは残念ですが、それで選手たちが落ち込んだわけではありません。次のロータスにも自信を持って臨めていましたし、本来の自分たちらしいプレイができていました。サンセットでは、調子に乗って痛い目を見たという感じですね。

でも楽しかったです。序盤はかなりいい雰囲気でした。そしてヘイヴンに入り、前半をかなりいい形で終えられました。ただ、後半の第3ラウンド目あたりから、選手たちにかかるプレッシャーが一気に大きくなり始めたと思います。それでも終盤には、いい形でラウンドを取り返した場面もありました。

Jamppi:僕は、何か一つの場面で流れが変わったとは思いません。Gregor(PAL)が言ったように、最初の対戦で9-3とリードしていたのに後半で逆転されたときもそうですが……正直、僕にとっては最後のラウンドで決着がついたという感覚です。

第4マップにも重要なラウンドはいくつかありましたが、試合が自分たちの手から離れたとは感じませんでした。最後まで自分たちのプレイを続けられていましたし、接戦だったと思います。少なくともプレイしている最中は、明確なターニングポイントがあったとは感じませんでした。

Chronicle「獲得していないトロフィーはChampionsだけ」

――Chronicle選手は、今でもChampionsのトロフィーを獲りたいという情熱は燃え続けていますか。

Chronicle:もちろんです。僕たちは毎年挑戦し続けています。ほかのeスポーツタイトルでも、Championsに相当するような大会での優勝を長く目指し続けてきた選手たちの、心を動かされる話をよく耳にします。キャリアのほぼすべてを、その一つのタイトルのために費やしてきたような選手たちです。

僕にとっても、獲得していないトロフィーはChampionsだけです。だから、目指さない理由はありません。一方で、何度も世界トップ2まで勝ち上がれていること自体、僕にとっては成果です。それだけ安定して結果を残せているということですから。

ただ、グランドファイナルでも同じように安定したプレイができていれば、優勝できたかもしれません。今シーズンの自分たちの歩みを考えれば、準優勝でも十分に大きな成果ですし、そのことは嬉しく思っています。

Sayonara「現実とは思えないような経験だった」

――Sayonara選手は今年がVCTでの初年度でした。Championsに出場し、準優勝まで勝ち進み、これほど早い段階で大勢の観客の前でプレイした経験は、どのようなものでしたか。

Sayonara:Championsでの戦いは、ずっと現実とは思えないような経験でした。チームとしてすごく良いプレイができるようになって、まるで新しいチームに生まれ変わったような感覚でした。勝ち続けることができて、本当に楽しかったです。

今は負けてしまったので、そこまで楽しい気分ではありませんが、このメンバーと一緒に戦えたことは、これまでの人生でも最高の経験の一つだったと思います。Champions含めて、今年一年の活動も、全体としてはすごく満足しています。

最も印象に残っている瞬間

――今回のChampions Shanghaiで最も印象に残っている瞬間は何ですか。

Chronicle:最初のLOUD戦がかなり楽しかったですね。「あれ、僕たち本当に上位まで行けるかもしれない」と初めて感じた瞬間でした。LOUDはその時点ですでに強いチームでしたが、僕たちはさまざまな場面で相手の隙を突く方法を見つけられました。その経験がその後の試合でも役立ちました。あの試合は僕たちにとって非常に重要だったと思います。

Jamppi:僕にとって一番の瞬間は、今日のグランドファイナル前です。みんなが楽しそうにしている姿を見て、遠い場所まで来たことを実感しました。あと、サウナに入ってた時間もすごくよかったです。みんなに感謝しています。

PAL:さっき交わしたちょっとした会話ですね。オープニングセレモニーが始まったとき、slkが振り返って「フランチャイズ時代の終わりを一緒に見届けられるなんて、本当に光栄だね」と言ったんです。僕らの選手が優勝を懸けてあのステージに上がるんだと思うと、あの瞬間は忘れられません。

slk:LAN会場に実際に来て、初めて自分の目で見ることができたことですね。特に初戦のGE戦は、間違いなく一生忘れない体験でした。

PROFEK「僕にとって今シーズンは10点満点」

――今シーズンを10点満点で評価するとしたら、何点をつけますか。また、その理由も教えてください。

PROFEK:正直、点数をつけるのはあまりやりたくないですね。ただ、自分自身のことも、チームのみんなのことも、本当に誇りに思っています。僕たちが成し遂げたことや、これまで見せてきたプレイに対してですね。

これまでさまざまな困難もありましたが、そういった状況に関係なく、今大会では毎日みんなが笑顔で過ごせていました。何より、全員がここにいられることを純粋に楽しんでいたと思います。そういう意味で、僕にとって今シーズンは10点満点ですね。

「他にはないチーム」は作れたか

――昨年11月にヘッドコーチに就任した際、「他にはない、ユニークなチームを作りたい」と話していました。改めて、就任当初に思い描いていた「他にはないチーム」を作ることができたと感じていますか。また、今年の歩みを振り返って、何か違う形で進めたかったと思う部分はありますか。

PAL:そうですね、もちろん違う形で進められた部分はたくさんあったと思います。自分の思い通りにできたなら、ここまでの過程で経験したストレスも、かなり減らせたはずです。ただ、他にはないチームを作るという目標は達成できたと思っています。この快進撃を経て、選手たちは自分たちがEMEA最強のチームだと胸を張って言えるはずです。

国際大会でも、EMEA勢として唯一勝ち残り、上位まで進出することが何度もありました。ロンドンでも、EMEA勢として最後まで残ったのは私たちだけでしたし、今回も長い間、EMEAから唯一勝ち残っているチームでした。それ自体が、他にはない特別なことだと思います。

結成1年目のチームでありながら、ステージ1の第5週目あたりから安定したパフォーマンスを発揮し続け、年間3大会すべての国際大会への出場権を獲得し、そのすべてでプレイオフに進出できました。結果も4位(Masters London)、シングルエリミネーション形式での8位(EWC)、そして今回の準優勝です。これはとても珍しいことだと思います。結成1年目から、これほど安定して国際大会で上位進出を果たせたチームは、そう多くないはずです。

もちろん、決して完璧なシーズンではありませんでした。もっと良い結果を残したかった場面もありました。ただ、私たちのチームが持つもう一つの特別な部分は、選手一人ひとりの個性にあると思っています。

この1年間、彼ら5人と関わってきた人なら、チームのサポートスタッフでも、マネジメントでも、関係者でも、あるいは少しでも彼らと接したことがある人でも、彼らがどれほど個性的な選手たちなのか分かるはずです。もちろん、良い意味でですよ。本当に特別な5人だと思いますし、そのことには胸を張ってほしいですね。この点に関しては、他のどのチームにも負けていないと思います。

PALがAny Questions Gamingへ謝辞

PAL:僕たちはここで5週間過ごし、ほぼ休みなく練習してきました。ここで少し、Any Questions Gamingに感謝を伝えたいです。

彼らは中国のチームです。まだChampionsやVCTで姿を見ていませんが、僕たちからすれば中国で一番強いチームです。これから始まるAscensionでの健闘を祈っています。僕たちの取り組みと今回の成功に、彼らは欠かせない存在でした。

昨夜も23時ごろに来て、僕がLOUD対策として用意したサンセットの戦術を、実戦を想定して確認する練習に付き合ってくれたんです。彼らは世界中から応援されるにふさわしいチームです。現地の方や配信をご覧のファンの方がいたら、ぜひこれからのAscensionで彼らを応援してください。彼らはそれだけの評価を受けるに値すると思います。

Jamppi:僕からも感謝を伝えたいです。この5週間、一緒にいてくれてありがとう。コーチ陣にも感謝しています。本当に素晴らしい1年でした。いろいろな面でたくさん助けてもらいました。そして選手たちへ。本当にすごい1年だったね。また来年も頑張ろう。みんな大好きだよ。

選手がコーチ陣に逆質問「VODレビューの準備はできていますか」

――まずは自己紹介をしなきゃ。

Jamppi:あ、そうでした、すみません。Team VitalityのElias Olkkonenです。コーチ陣への質問です。この5週間、僕たち選手がほとんどの仕事をしていたのですが、あと2週間で新しいシーズンが始まります。VODレビューの準備はできていますか。明日帰国のフライトですが、これからの2週間は何をする予定ですか。

Scuttt:しばらく『VALORANT』には触りません。

PAL:ゲームには近づきたくもないですね。

slk:あとはもう冬眠するだけですね。

Jamppi:みんなは何か予定あるの?

Chronicle:引っ越さないといけない。サウナ?

PROFEK:サウナ。

Jamppi:サウナに引っ越す?(笑)

Derke:フィンランドに帰らないといけない。

Jamppi:それから、今年1年、Vitalityとファンの皆さんにも感謝しています。本当にありがとう。おかげで素晴らしい1年になりました。ファンの皆さん、本当にありがとう。


Championsトロフィー獲得へ3度目の挑戦となるChronicle選手をはじめ、Derke選手やJamppi選手らを擁し、開幕前は“EMEAのスーパーチーム”とも評されたTeam Vitality。しかし、EMEA Stage 2での苦戦など、その旅路は決して平坦なものではなく、数々の苦難を乗り越えてようやく掴み取ったGrand Finalsの舞台でした。

3度目のChampions準優勝となりながらも「挑み続ける」と前を向くChronicle選手、初のChampionsで堂々たるプレイを披露したルーキーのSayonara選手、そしてチームを牽引しリーダーとして成熟したJamppi選手。数ヶ月前には想像もできなかった「世界2位」という結果は、彼らが積み重ねてきた努力の結晶と言えます。

ジェットコースターのような激動の2026年を乗り越えたTeam Vitalityが、来シーズンどのような進化を遂げて戻ってくるのか、期待せずにはいられません。

<取材・岡野朔太郎/翻訳・eiko/執筆・えとのす>

SPECIAL CONTENTS ここだけの特別な記事