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「ZETA DIVISION(ZETA)」が主催する『チームファイト タクティクス(TFT)』のオフラインイベント「ZETA FIGHT ARENA Set 18 Supported by Riot Games」が8月30日(日)にRed Bull Gaming Sphere Tokyoで開催されました。
イベントの内容は、先日公開したmori選手、summertimer選手インタビュー記事をご確認ください。
FISTBUMPは、本イベントにてZETAのメンバーへのインタビューを実施。本稿では、title選手・yatsuhashi選手へのインタビューをお届けします。

――本日は、オフラインでファンの方々と交流できるイベントでした。まずは本日の感想をお聞かせください。
yatsuhashi:こういう大会形式のイベントというのは初めてだと思うんですけど、たくさんの人に来ていただいてすごく嬉しいですし、『TFT』の盛り上がりというのを感じられてよかったです。
title:こういったオフラインイベントって、他だと年1ぐらいでしか行われていなかったので、久々に会う人だったり、初めて会う人など、色々な出会いがあってよかったです。
――今日はすでに2試合プレイされたと思うんですが、試合のほうはいかがでしたか。
yatsuhashi:思ったよりも強い方々が参加してくれて、すごく歯ごたえがありました。でも、ちゃんと勝つことが出来ました。
title:実は思っていたよりも緊張しました(笑)。今回はZETA主催の大会ですし、僕らはZETA所属のプロプレイヤーですからね。「絶対に負けられない」と、結構手が震えながらプレイしたんですが、なんとか勝ち上がれてひと安心しています。

――先日はEsports World Cup(EWC)お疲れ様でした。大会でのインタビューで、title選手が「毎日10時間チーム練習をした」とおっしゃっていましたが、それだけの長時間チームメンバーと一緒にプレイしていて、関係性の変化であったり、印象が変わったプレイヤーはいますか?
title:僕とyatsuhashiとsummertimerは、元から仲は良かったんですけど、moriさんは最近加入して、僕個人としては全く面識が無かったんです。なので、どういう人かもあんまりわかっていなかったんですよ。
それが、今では一緒に『TFT』やりながらボイスチャットをつないだり、冗談言いあえたり、それぐらいの仲に進展したので、moriさんとチームみんなの関係性はすごく良くなりましたね。
yatsuhashi:そうですね。本当に「仲良くなれた」に尽きますね。moriさんは最初こそ緊張した様子でしたが、最近は天然ぶりを遺憾なく発揮していて、すっかりチームのムードメーカーです。
――mori選手はどんなエピソードをお持ちなんでしょうか?
title:天然エピソードはたくさんあります(笑)。moriさんはずっとスマホを見ている、いわゆる「ドパガキ」なんですが、なんと「モバイルバッテリー」の存在を知らなかったんです。
モバイルバッテリーって、わりと必需品じゃないですか。でも本当に知らなくて、この間一緒に渡航した際に僕が貸したんですが、その時に初めて概念を知ったみたいです(笑)。知識が欠けているというか、尖っている部分はありますね。
yatsuhashi:それがゲームでも似たような感じなんです。昔からやっているプレイヤーなら当然知っているだろうという知識が抜けていたりして、すごく面白いキャラクターですし、ムードメーカーですね(笑)。

――(ここでmori選手がたまたま通りかかる)mori選手。モバイルバッテリーの存在を知らなかったというのは……。
mori:やばいやばい(笑)。
(mori選手、急いで退出)
――EWCを経て、改めてメンバーの印象を教えてください。
title:summertimerは本当に天才肌です。地頭の良さもあると思いますが、ゲームセンスがとにかくずば抜けています。『TFT』に限らず、自分で正解のムーブを導き出すのが上手いんです。彼が1位担当になった場合、すべて任せても全く不安がありません。圧倒的な安心感がありますね。
一方のやっちゃん(yatsuhashi選手)は、かなりプレイが硬派です。僕とプレイスタイルが似ていて、当たり前のことを丁寧に積み重ねていくタイプですね。
yatsuhashi:僕は自分のことを天才タイプだとは思っていません。だからこそ、スカウティングなどの細かい部分、やろうと思えば誰でも出来ることをしっかり徹底しようと昔から心がけています。
moriさんは「1位か8位か」みたいな尖ったプレイをする人です。自分の信頼している構成やオーグメントを取り、リスクを背負ってでも1位を狙いに行く。あの漢気あふれるプレイスタイルは面白いですね。
――EWCではチーム戦でしたが、ZETAの中でゲーム内の役割分担はありましたか?
title:声出しの部分は、yatsuhashiと僕の2人で担っていました。相手の構成を確認したり、自分たちの役割分担を整理し直したりしていましたね。
yatsuhashi:プレイ内容に関してはフレックスで、全員が1位狙いも4位狙いも出来る状態で臨んでいました。ただプレイスタイルの違いからか、結果的にmoriとsummertimerの2人が1位担当になることが多かったですね。
title:勝ち進行か負け進行かというプレイスタイルの差も出ていました。僕は勝ち進行が多かったのですが、moriさんはかなり負け進行寄りでしたね。負け進行から入りやすい構成を得意としていたのが、EWC本番でも活きていた印象です。
――先ほどmoriさんがムードメーカーというお話もありましたが、ゲーム外のところではそれぞれどのような役割を担っていますか?
title:summertimerはプレイに集中するタイプなので、ゲーム外でも基本的には落ち着いた雰囲気ですね。
yatsuhashi:チームのモチベーションを上げるのがtitleで、ムードメーカーがmoriさんとtitleです。僕は全体の状況を整理する、IGL(インゲームリーダー)的な役割を担っています。
――これからは個人戦がメインのセットとなります。こういったセットにおいて、チームとしてはどのような取り組みをしているのか教えてください。
title:週1回、木曜日にm1zonoさんを含めたZETAのメンバー全員で集まり、現在のパッチやメタについて話し合う会を設けています。かっちり時間を決めなくても、VCに集まって画面共有しながらランクを回すなど、情報共有は頻繁に行っています。
――m1zonoさんというお名前も挙がりましたが、チームではアナリストという立ち位置でお間違いないでしょうか?
title:はい。m1zonoさんの役割は、主にチーム戦のフィードバックです。プレイ面だけでなく、チーム全体の立ち回りやオーグメントの選択など、細かい部分まで全員にフィードバックしてくれます。
構成やアイテムの細かな知識を補完してくれる存在で、チーム戦に限らずTPCの時から本当にお世話になっています。教わってばかりですね。

※情報は、インタビュー時点(8月30日)のものです。
――セット18がスタートしました。改めてこのセットの特徴やプレイするポイントを教えてください。
yatsuhashi: とにかく忙しいですね。「ウィスプ」を買うか買わないか、ほかのウィスプを探すのか、レベルを上げるのか。この判断が入るだけで一気に時間がなくなってしまう難しさがあります。
title: 「忙しい」ということにも繋がるのですが、プレイにかなり深みが出せるセットだと感じています。忙しい分、自分のプレイで干渉できる要素が多いんです。これから大会が続々と始まりますが、まだまだ詰められる余地がある、奥深いセットだと思います。
――今回のセットメカニクスである「ウィスプ」は、title選手が優勝したセット12の「チャーム」がアップデートされたものになっています。title選手にとって得意なイメージはありますか?
title: チャームの場合は「周りの構成の出方を見る」「相手と相性がいいから選ぶ」という傾向が明確でした。僕はスカウティングが得意なので、そこはかなり有利に進められていた印象です。
一方のウィスプは、周りに刺さるかという側面もありつつ、かなり「自分依存」なシステムだと感じています。自分の盤面に対して適切な選択ができるかという点では、僕はまだまだ得意とは言えません。名称の通り、チャームとはだいぶ違う印象ですね。
――このセットではウィスプを買って戦闘に勝っていくのか、お金を節約してレベルを上げるのかという判断が難しいと思います。お二人はどのように判断していますか?
yatsuhashi: 自分のHPと卓の状況を見て、総合的に判断するしかありません。ウィスプを取らなくても勝てるなら買わないのが絶対正解ですし、負けたとしても最終的にレベル9に行って上位に入れるなら、体力で受けても構いません。そういった見極めが非常に難しいです。
title: 「自分が何位を狙える構成なのか」も重要な要素です。1位が見込める構成なら、リスクを取ってでもレベル9へ向かう選択が有効になります。
逆に、アフェリオスのようなTop4狙いの構成だった場合、3分の1で負ける相手がいる卓なら、ちゃんとウィスプを買い続けることが大事になってきます。
――お二人はセット18で好きなユニットはいますか?
title: 他の人よりもリソースが多くなるのが好きなので、オーンやレンガーのような、ゴールドをドロップしたりアイテムを生成するユニットがかなり好きですね。
yatsuhashi: 僕は無限スケール系が好きなので、マオカイやアイバーンなど、5コストのチャンピオンが好きです。ただ、使って後悔することも多いんですが(笑)。

――マスターからグランドマスター・チャレンジャーへの昇格に壁を感じるプレイヤーへ、アドバイスはありますか?
title: マスター以上のプレイヤーにアドバイスするとしたら、「構成選択の判断を正確にすること」が何より大事ということですね。
「このオーグメントがあれば、この構成を強く使える」という判断が、勝率の5~6割に直結すると言っても過言ではありません。配信を見て学んだり、自分で何度もプレイして成功体験から学ぶ作業が必要だと思います。
yatsuhashi: マスターからグラマス帯のプレイヤーは、構成選択の「幅」か「理解度」のどちらかが不足している可能性が高いです。
使っていない構成があるか、使っているけど勝てない構成があるか。そこを自己分析して、構成ガイドや配信を見て1個ずつ知識の穴を埋めていくことが一番の近道だと思います。
――もし仮に「幅」と「理解度」が同じバランスだったとして、どちらから高めていくのがいいと思いますか?
yatsuhashi: まずは「幅」ですね。このゲームは常に同じ構成ができるわけではありません。「条件は揃っていたのにプレイしなかった」という経験値の損失はすごく大きいです。
まずは知識をバーッと入れて、できるだけやってみる。失敗してもその経験が次に活きるので、まずは一通り知識をさらっておくことが大事だと思います。
――ちなみにお二人はランクを回しているときに、「〇連敗したらやめる」のような決めごとやルーティーンはありますか?
yatsuhashi: 連敗してやめるような決めごとはありません。疲れたらやめるくらいですね。
title: そうだね。
――お二人の練習時間というか、『TFT』に使っている時間はどれくらいですか?
title: 日にもよりますが、基本的には「寝て、起きて、『TFT』して、1食だけ食べて、寝る」の繰り返しです。
大会前など追い込む時期特有のルーティーンではありますが、『TFT』は大会のスパンが短いので、大体いつもそのループに陥っていますね(笑)。
――1食しか食べないんですね。yatsuhashi選手はどうですか?
yatsuhashi: 僕はその3食食べるバージョンですね(笑)。自分でプレイするよりも人の動画を見る方が好きなので、バランスは変わりますが、一般的な仕事と同じくらいの時間は毎日『TFT』をやっています。

――ランク(プレイ)と座学の割合はどれくらいですか?
title: 僕は時間の割合でいうと「座学2:プレイ8」くらいですね。
yatsuhashi: 時期によりますね。パッチ直後は「プレイ8:座学2」ですが、環境が落ち着いてくると「プレイ3:座学7」や「4:6」になったりします。
title: スクリムがメインになってくると、海外選手のアーカイブを見る時間の方が長くなることもありますね。
――他の選手のアーカイブを見る際、一番参考にしているプレイヤーはいますか?
title: YBY1選手(ベトナム)と、趣味枠なんですけど(笑)、EMEAのDeis1k選手(ロシア)ですね。あとは同じEMEAのGobosteur選手(フランス)とか。
タイムゾーン的にAPACの大会が終わった後にEMEAの大会が始まるので、そのままの流れで観戦するようになり、よく見るようになりました。
yatsuhashi: 僕は今titleが挙げた選手たちも見ますし、NAの選手も見ています。あと中国の選手は結構アーカイブが上がっているので、セット17世界王者のHuanmie選手をはじめ、強豪選手たちを最近はよく見ていますね。
――練習時間の話に戻るんですが、睡眠時間はどれくらい取っていらっしゃいますか?
title: 練習に没頭する日としっかり休む日があるので日によって変動はありますが、平均すると7、8時間くらいには落ち着きますね。
yatsuhashi: 僕は毎日平均して7時間は寝るようにしています。ただ、大会前は海外リージョンとの練習試合が深夜2~3時に入ることがあるので、その時期は生活リズムが少し不規則になることはあります。
――睡眠はやはり大事だと思いますか?
title: 大会前は特に大事ですね。ただ、それ以外の「プレイの幅を広げる」フェーズであれば、時間を惜しまずプレイ回数を重ねることも必要になってきます。そして勝負の質を高める段階に入れば、また睡眠などのコンディション管理が大事になってきますね。
――最後に、これからの意気込みや目標を教えてください。
yatsuhashi: 競技面ではTPCに戻ることです。あとは競技シーン以外の部分も盛り上がってきているので、配信やイベント活動にもしっかり取り組んで貢献していきたいです。
title: 競技面では「世界大会で3度目の優勝を果たすこと」が最大の目標です。TPCに関しては、ギリギリでの残留ではなく、決勝に複数回残って余裕を持った状態で安定して残留を決めたいと思っています。
<執筆:tetu/編集:松田和真>