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2026年1月1日に新ロスターを発表したFENNEL。去年からの主力選手であるAace選手とHals選手をはじめ、韓国Tier 2にてT1 Academyの一員として活動していたGangPin選手、5年以上にわたり、ほぼ途切れることなく活躍してきた大ベテランであるAnthem選手、そしてZETA DIVISIONとともに1年VCT Pacificを戦い抜いたCLZ選手を迎えて2026年シーズンに臨みます。
今回はそんな新生FENNELよりAace選手とCLZ選手にインタビュー。チームのことから私生活のことまでたくさん伺いました。
――新メンバーを選ぶにあたって「このような選手を探した」「こういった選手を必要としていた」などありましたか?
Aace:自分が選んだ基準はとにかくモチベーションが高いこと。「フィジカル全振り」の選手とかいると思うんですけど、そういうのじゃなくて普段のプレー中の態度から真摯にゲームに向き合っている、毎日ちゃんと頑張れるような人です。活動外でもゲームに時間をたくさん割いて、活動中も適当にやったりすることなく、毎日一歩ずつ全員で成長していけるようなチームにしたくて、それができるメンバーを選びました。
――メンバー決めには結構時間がかかったんでしょうか?
Aace:そうですね。自分がチームに残るって決まってからメンバーが決まったのが12月のクリスマス前なのかな、多分。なので2か月ぐらい(1月下旬の取材日時点)、結構長くかかったと思います。

――逆にCLZ選手は、FENNELへの加入を決めた理由はどこにあったのでしょうか?
CLZ:チームスポーツに対する考え方とかがちゃんとしてるチームに入りたいってのが大前提としてあって、その中で何チームかに声を掛けていただいた中でも、やっぱり元いたFENNELのオーナーとか社長とか、そういった方の「絶対来い」的な熱い声を何回もいただいて。元々Aaceくん、HalsくんはChallengers Japanで注目してて強いなと思っていて、一緒にやりたいという思いもあったので、加入を決めました。

ーーロスター構築に2カ月費やしたのを踏まえると、練習期間をかなり確保できている気がします。
Aace:確かにそうですね。1月の早めの時から3週間ぐらい練習できて、結構進捗とかもいい感じだよね?
CLZ:めちゃめちゃいいです。
ーーCLZ選手にとっては活動の拠点が日本に移ったということになると思いますが、日本での活動に戻ってみてどうですか?
CLZ:日本の方がもちろんやりやすいのはあるんですけど、チームメンバーとかFENNEL特有の規律正しいチームスタイルに馴染みやすさを感じます。
絶対遅刻しないし、今で言うと手洗いうがいとかも徹底してるし、凄くちゃんとしたところなんで、そういった意味でもめちゃめちゃなんか自分と合ってるし、やりやすいなーって感じですね。
ーーFENNELは“規律正しさ”が見える瞬間などはあったりしますか?
CLZ:日報じゃない?
Aace:日報ね。確かに。
CLZ:日報に起床時間とか、その日よかったこととか悪かったこととか、明日の目標とか、その日の自分の点数とかをちゃんとつけないといけないんです。
そんなチームは他にないだろうって思いながら、でもそこが良いところだなと思いながらやってます。
Aace:あと時間厳守とかもそうだよね。例えばスクリムで2時集合だったらもう絶対2時に集まるみたいな。正直いろんなチーム、海外とかも含めて、5分とかは遅れてるよね。絶対。
CLZ:早くて5分。
Aace:だけど俺らは絶対に2時にはいてスクリム終わった後の時間とかも有意義に使おうみたいな感じで。やっております(笑)

ーー昔から日報はやっていたんですか?
Aace:一昨年もやってたよね多分。
CLZ:やってたかな。なんかフィードバックをシートでやってたけど日報はやってないかも。
Aace:あ、ほんと?去年から、かもしれないですね。でもなんか大体みんなね、一言しか書かなくなってくるんですよ、最後の方は。だから今年はちゃんとやらなきゃって言ってEulerさんが張り切ってました。
ーーCLZ選手がPacificで得た経験は、間違いなく国内でも活きると思いますが、ここまでの活動で逆に活かしづらかった点などありますか?
CLZ:Pacificでやってきた分、Tier 1がどういう考え方とか、どういうプレーでやってるかって言うのは大体自分の中で知れたので、それが活かせてるのかはちょっとわかんないですけど、よりTier2で頑張らないといけないっていう考えに至りました。ちょっと話飛んじゃうんですけど。
ーーPacificからChallengersへの参戦で、プレッシャーはありますか?
CLZ:まったくないです。自分ではTier 1の実力があると思ってるので、プレッシャーは全然ないですね。
ーーAace選手から新加入選手3名の紹介をぜひお願いします。
Aace:まず、GangPinはもちろんめちゃくちゃ強くて、エイムも良いし、クラッチとかがめっちゃうまいプレイヤーで、毎試合「このラウンド負けたらきついな」とか「このラウンド取りたいな」ってラウンドを取ってくれるようなプレーヤーです。ただ、性格はめっちゃふわふわしててかわいくて、チームにいるだけで場の雰囲気が和みます。絶対悪口とかも言わないし、ただいてくれるだけで幸せだな、みたいな感じの選手です。
Anthemさんは本当にストイックな選手で、IGLだったら日本で一番うまいと思います。Anthemさんは結構長い間プレイしてますけど、常に努力をしてるんですよ。
朝起きたらスクリムの動画を見てEulerさんに「この試合はこういうことしてたよ」と話し合ってたり、チーム活動が終わったらすぐランクをしてたりとか。めっちゃストイックな選手で尊敬してます。

ーーではCLZ選手の紹介もお願いします。隣にいらっしゃると気まずいかもしれませんが...。
CLZ:お願いします!褒めてください!
Aace:CLZさんは…くるぴは本当に優しくて、めちゃくちゃエイムも良くて。もう…えぐいよね、いつも。びっくりエイムがね。
CLZ:びっくりエイムがね。
ーー「くるぴ」って呼ばせていたり…?
CLZ:呼ばせてるわけじゃないんですけど(笑)
Aace:ちゃんと先輩だしリスペクトしてるから「CLZ」とは呼びづらいじゃないですか。でもあだ名っぽかったらいいかな、って思って勝手に呼んでます(笑)
ーーとのことですが…。
CLZ:かわいいんで。ありがとうって感じですね。

ーーnethさんという絶対年長者ポジションがいなくなった今、そのポジションにいるのは誰なんでしょうか?
Aace:Anthemさんじゃない?
CLZ:Anthemさんだよね、俺もこっち(Aace選手)側ですよほんとに。ひぃひぃ言いながら(笑)
Aace:Anthemさんは本当に大人って感じで、無駄な事はもうしゃべらない。
CLZ:本当にそうですね。
Aace:したたかな包容力があるような感じです。
ーー怖い時はあったりしますか?
Aace:ないですね(笑)
CLZ:怖いっていうか、優しいけどな。
Aace:やさしくて真面目、みたいな。
ーーIGLについてお聞きします。CLZさんはPacificではIGLを担当されていましたが、今回FENNELではAnthem選手が担当されるということでした。ある意味で席を譲った形になると思いますが、IGLはどのように決めたのでしょうか?
CLZ:自分がTier 1でやってた時の最終的な結論が、「喋れる人間がいたらIGLは誰でもいい」だったので、最初もそもそもAnthemさんがやるっていう体でスタートしてましたし、自分自身も日本にいた時にIGLっていう枠組みでやろうと思っていませんでした。
なので、AnthemさんのIGLにはなんの不満もありません。むしろ、考えも聞いててちゃんとしてると思いますし、めちゃめちゃ尊敬してます。

ーーIGLはどんなスタイルなんでしょうか? 戦術重視でチェスのように進めるのか、「ここは行け」とフィジカル押しする瞬間もあるのでしょうか?
CLZ:「ここは行け」すぎない?
Aace:「ここは行け」かなぁ?
CLZ:そんなチェスみたいにやらなくない? 全員が喋るし、絶対王政的なIGLじゃないよね。
Aace:確かに、確かに。
CLZ:みんなの意見を聞いて、その上で組み立てるタイプですね。プレイコールをつくる選手しか集まってないから、「ここは行け」じゃない?
Aace:確かに。でも今のメタ的にもそうだよね。基礎重視のFENNELにちょっと面白いマクロ入れてみました、みたいな。
CLZ:そうだね。
ーー言わばバランス型のような。
Aace:そうですね。NRGみたいな感じかな、攻めは。

ーーコーチ陣についてお聞きします。siegコーチが加入されましたが、Eulerコーチとの役割分担などはどうなりそうですか?
CLZ:siegさんは基本的には特殊な、マネー調整しないといけないときとかの作戦とか持ってきてくれたりとか、試合の流れとか組み立てを話してくれたりとか。
Aace:ウルトラウンドとかピストルラウンド用の作戦を持ってきてくれたり。
CLZ:今の期間はEulerの考えを知るためにも大半をEulerが組み立てる感じですね。
Aace:時間が経って、お互い良いシナジーでやってほしいです。
CLZ:やってほしいです、はい(笑)
ーーFENNELといえばEulerコーチに全幅の信頼をおいた上で成り立っているチーム、という印象が個人的にあるんですが、このスタイルは今シーズンも継承されるんでしょうか?
Aace:Eulerさんが強いと思うことをやるみたいなところはありますが、Eulerさん自体はそんな思考が硬いというか、自分がやることが絶対正しいと思うような人じゃなくて。
他の選手からの意見でも、例えばアナリストとか、ほかのコーチからの意見とかでも、聞いて取り入れて、自分が強いと思うことを実践します。
最近も、くるぴが「これはそんな強くないよ」みたいなので、Eulerさんは「いやでも確かにな」みたいに納得したのもあったよね。
CLZ:あったね。
ーー他チームのロスターも出始めていますが、対戦を望む選手やチームなどあれば教えてください。
CLZ:Depさん。
Aace:あー確かに。Depさんかもしれません。
ーーREJECTはどんなチームになりそうですか?
CLZ:そもそも僕は、hiroronnがマジでちゃんと強いと思ってます。しかもJeremy、Yoshiiiなど、俺がフィジカルめちゃめちゃ強いなって思ってる人達が集まってるから楽しみです。
Aace:そうですね。フィジカルチームって感じです。
ーー新しいRIDDLEはどう見ていますか?
Aace:gyenとLuca、けっこう強そう。Lucaとはニューヨークで一緒にやって、めっちゃいい選手だってのも知ってますし、gyenはDFMでもやってたし、アカデミーの時やトライアウトでどういう人間かも知ってるので、結構いいメンツが揃ったんじゃないかと思います。
ーー少し話が脱線しますが、GONさんがずっとパソコン借りパクしてて…みたいな話があったと思うんですが、返ってきましたか?
Aace:返してもらって、最近は家でゲーム堪能してます(笑)
ーー返ってくるまで家にパソコンなかったんですね。
Aace:そうなんですよ。ずっとここ(練習場)まで通い詰めてゲームしてみたいな。結構前に返してくれて助かってます。
ーーAnthem選手とCLZ選手は同い年でいらっしゃると思うんですが、今までのチームではCLZ選手が年長だったことが多かった気がします。
CLZ:なんか意外と多かったですね。自分的には全然、一緒に仕事してると年上とか分かんなくなってくるんですけど、今このチームの若い子たちは年上扱いしてくれるから「自分年上なんだな」って感じです。
前だとみぞ(Xdll)とか、年齢めっちゃ離れてるんですけど「CLZー!」って感じだったんで、俺もなんか麻痺ってて。でも今はちょっと年を感じてます。

ーーAnthem選手とCLZ選手の年代ってあんまりいらっしゃらないですよね。
CLZ:自分と同い年は本当に少ないですね。TENNNぐらいしか知らないかも。
Aace:GONさんは?GONさん。
CLZ:下。
Aace:え、下なの?2001年?
CLZ:2002年だけど一年下だね。
Aace:そうなんだ…。
CLZ:年上だけどみんなしっかりしてるから別に同じ…だよね?
Aace:同じ…ではないんですけどね。
CLZ:同じではないか(笑)
Aace:同じではない。でもいい感じですよ。
CLZ:めっちゃいい感じです。
ーーダーツボードが置いてありますが、みなさんでプレイしたりするんでしょうか?
CLZ:ダーツ、やりたいけどやってくれなくない?みんな。
Aace:たぶんAnthemさんとかはやってくれるんですよ。けどGangPinは日本に来てないので来たらやってくれて、Halsはもう「んん?ダーツ??」みたいな。行こうよ、2人で。
CLZ:行きましょう。
Aace:これ(ダーツボード)もくるぴが買ったやつだもんね。
CLZ:これは僕が買いましたね。2024年の時に遊んでたんですけどめっちゃ下手なので。
ーーAace選手は最近筋トレを始めたそうですが…
Aace:そうなんです。よくぞ聞いてくれました。今日もね、朝もう一時間半ぐらい。毎日9時に起きて、冷たいシャワーを浴びて、マジで一番冷たいシャワーを浴びて、すき家で鮭定食を食べて、筋トレをしてここに来るっていう。だから毎日同じものを食べてます。
ーーやっぱりみなさん筋トレはされます?
Aace:一緒に行こうよだから。
CLZ:ジム契約して、行こうよって話をしてたけど、1回も行ってない。
Aace:今日行くかじゃあ。ベンチプレスやりに行くか。
ーー腕もやるんですね…?
Aace:大丈夫!
CLZ:いや、それ思ってた。腕やるんだな、と思って。俺は下半身やる。
Aace:あ、そうなんだ…(笑)

ーーありがとうございます。では終わりに2026年シーズンに向けて、個人・チームとしての目標をそれぞれお願いいたします。
Aace:今年はリーダーを任されて、自分が何もしなくてもいいメンバーというか、みんなちゃんと自分でやることは自分でやって、チームメイトにも気を配れるプレーヤーばっかりで最高のチームだと思うんです。
きっとなんか変な負け方だったり、辛い時期って絶対訪れると思うので、その時に自分がみんなの支えになるようなプレイヤーになりたいなと思っています。チームではChampions出場を目指しております。
CLZ:個人目標はどのチームに入るにしても決めてました。
というのも、今までは自分がチームに対してリーダーとしてしっかりやらなきゃとかで、いろいろプレッシャーがあって、そういうのに勝手に潰されちゃう時期もあったので、今年は完全に自分にフォーカスして、自分のやれることを全力で頑張るのが目標です。
チームとしてはAace君と一緒で、Championsにちゃんと出場して、そこでちゃんと結果を残すというところで、それを目標に毎日頑張ってます。
ーー最後にファンへのメッセージをお願いいたします。
CLZ:いつも応援ありがとうございます。今年のFENNELもめちゃめちゃ期待できると思います。所感で言っちゃえば今までで一番いいんで、それをしっかり見せられたらなと思います。応援よろしくお願いします。
Aace:2026年シーズン、めちゃくちゃいいメンバーが集まって、応援してもらえるようなチームにしていきたいと思っているので、毎日一歩ずつ頑張ります。応援よろしくお願いします。
<取材・執筆:Wolfram/編集・撮影:松田和真/取材協力:内 真愛美>