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「全員が背中を任せられるように」…RIGX BlackWizが語る勝利に必要な信頼関係、今年の目標、引退してまでFoyさんについていこうと思った理由【Challengers Japan 2026 Split 1インタビュー】

REIGNITE FOXXでSplit 1 Main Stageに出場するBlackWiz選手にインタビューを実施、新チームからパーソナルな部分、そして今年の目標まで伺いました。

えとのす棘

えとのす棘


VALORANT Challengers Japan 2025を3位で終えたNOEZ FOXX(NFX)はオフシーズンにREIGNITE(RIG)との提携を発表。共同運営のもとREIGNITE FOXX(RIGX)に生まれ変わりました。

BlackWiz選手とYowamu選手に加え、新たにFalk選手、Only1選手、Bangnan選手が加入したRIGXは3月19日から開幕するSplit 1 Main Stageに挑みます。

本稿ではRIGXのリーダー、BlackWiz選手へのインタビューをお届けします。新ロスターの雰囲気やチームを強くするブートキャンプの秘訣、ディープな部分を攻めるYouTube活動から今年の目標まで伺いました。

オフシーズンはバタバタも、土台は万全に

――よろしくお願いします。振り返って、どんな印象のオフシーズンでしたか?

BlackWiz:そうですね……チームメンバーの入れ替えやトライアウトで結構バタバタしてましたね。

――RIGとNFXが提携して共同運営されるということですが、共同運営によって良くなったところはありますか?

BlackWiz:RIGとNFXの共同運営になったので、経営基盤が強固になったことですかね。チームがなくなってしまうリスクが消えたことが、一番良かったことですね。加えて、RIGはチーム内に撮影などを担当する部署があるので、クリエイティブの質が上がったと思います。

――あまり時間のない中で難しかったことはありますか?

BlackWiz:昨年の11月末には、NFXとしてのメンバーが決まり、契約して練習を始めようとしていました。12月初旬にRIGと提携する話を聞き、それに伴ってRIGの方で検討していたメンバーも含めて再度トライアウトをすることになりました。

結果的にはNFXで獲得しようと決まっていたメンバーにはなったのですが、トライアウトに少し時間がかかってしまったので、難しいところでした。

Foyさんの下だったらついていきたいと思った。

――RIGとの提携を説明する動画ではBlackWiz選手が引退してNFXの運営に回ることも考えていた、というお話しもされていました。なぜそこまでNFXやオーナーのFoyさんに惹かれるのでしょうか。

BlackWiz:まず、僕の性格上、自分が「ついていきたい」と思う人の下でしか働きたくないという思いがあります。2022年のNortheption(NTH)の時からそうで、この人の下だったらこのチームでキャリアを終えてもいいやと考えていました。元々はNTHから抜けるつもりもありませんでしたが、僕がもっとやってほしいと思うことが、当時のNTHでは叶えられず、そういった方向性の違いで脱退したのが最初でした。そこからVARRELに加入しましたが、そこで部門が解散してしまって…。その後、この人の下だったら行ってもいいかなと思ってNFXに加入しました。

前々から、「引退したらNFXの運営に入ってほしい」と言われていて、僕も「いいですよ」と答えていました。自分の今後を考えるタイミングになったとき、言ったことを守りたかったんです。

それに、Foyさんといることで、普通の会社では得られない経験できていると感じています。もちろんYouTube活動も含め、非日常のような感覚が面白いです。

自分の言葉に責任を持ちたい思いと、「世界一のチームにする」というFoyさんについていきたい、少しでもお手伝いできればと考え、運営になるのも一つの選択肢と考えていました。

――Foyさんの「ついていきたい」と思わせる魅力はどんなところですか?

BlackWiz:僕が一番感じるのは、とにかく人情に厚いところですね。一言で言えば「義理堅い」。口にしたことは、マジで守るんですよ。世の中には「大きな夢は見せてくれるけど、結局何ひとつ守ってくれない人」も少なくないじゃないですか。最初は「この人すごいな」と思っても、後々になって「あぁ、もういいや」と冷めてしまう。

でも、Foyさんにはそれがないんです。彼は一番自分がしんどい役割を、自ら引き受けている。 しかも、その素振りを一切見せないんです。なんなら、自分が苦しいはずの状況でも、常に周りの人が楽しめるような環境を作ろうとしてくれている。その姿をずっと近くで感じているからこそ、付いていきたいと思わせる魅力があるんだと思います。

若さ溢れる新チームの印象

――新チームについて、各選手の簡単な紹介と印象を教えてください。

BlackWiz:Yowamuは昨年から一緒で、冷静沈着なイメージですが、年齢もまだ全然若く、その若さもたまに出てきます。普段は大人しいんですが、ミステリアスな謎多きプレイヤーみたいな印象ですね。

Falkは初めて知り合ったんですけど、本当に元気な高校生がそのままプロの舞台にステップアップしてきたイメージです。若くてエネルギッシュな部分もありつつ、ゲーム内では足りない部分を頑張って吸収しようというところがいっぱい見えるので、真面目な努力家なプレイヤーですね。

Only1はすごい才能に溢れたプレイヤーだなと感じています。Only1を名乗る前からコンペティティブで1,000RR(ランクレーティング)を達成していますし、実際ゲーム理解度も高いです。あとは、日本語とチームにどれだけ馴染めるかというところだと思うので、うまくやっていけたらなと思います。

Bangnanは過去にVARRELでチームメンバーになったこともありますが、本当に人柄が良くて、すごい優しい選手なんです。これまでメンバーとしてPacificに行った選手も見ていますが、Bangnanのエイムは今まで見た中で一番強いなと思えるくらい強い選手です。

――現時点で、Split 1に向けてどのくらい自信を持っていますか?

BlackWiz:今は「優勝」までは正直全然足りないと思います。3月の初めからブートキャンプが始まり、そこでだいぶ伸ばせる自負があり、それで優勝を狙える状態にしたいです。今の時点ではまだ足りない、6割から7割くらいの印象です。

ブートキャンプで全員が背中を任せられるように

――ブートキャンプでチームが伸びるという自負がある理由はどんなところですか

BlackWiz:対面で練習するかオンラインで練習するかでは、成長のスピードが全く違うと感じています。これは2023年のNTH、2024年のVL、そして2025年のNFXでの経験を通じても実感してきたことです。

オンラインの場合、練習が終わってボイスチャットを抜けてしまえば、その時の感情がポジティブでもネガティブでも、そこで強制的にコミュニケーションが遮断されてしまいます。

オフライン(対面)だと、練習後も一緒に食事をしながらゲームの話をしたり、何気ない雑談を交わす時間が生まれます。そうした積み重ねで深まった「仲の良さ」や「日常的な会話」が、試合中の緊迫した場面での細かな判断や、連携の質の向上に直結するんです。

今回の機会は、今課題となっているコミュニケーションやチームの距離感を詰められる絶好のチャンスです。これまでの経験から言っても、ここからチームとしてさらに伸びるという確信があります。

――チーム作り、関係値作りで意識していることは?

BlackWiz:チーム作りというと難しく聞こえるかもしれませんが、僕は「関係値作り」が一番大事だと思っています。ゲームにおいても、信頼している相手でなければ自分の背中を任せることはできません。オフラインでの活動を通じてそうした信頼を築き、最終的には年齢に関係なく対等に意見を出し合える、全員が安心して背中を預けられるような雰囲気を作っていきたいと考えています。

実は、もともと「仲良しこよし」という考え方はあまり好きではありませんでした。しかし、これまでの経験から「ゲームを心から楽しめていないと勝てない」ということに気が付いたんです。勝つためには一定以上の「仲の良さ」が必要不可欠だと感じたので、今は特に関係値作りに注力していきたいと思っています。

――新チームで、ここを見てほしい、注目してほしいところはどこですか?

BlackWiz:個人として特に注目してほしい選手は、Falkです。アカデミーから新加入ということで、周囲からも「どれくらいやれるのか」と期待されていると思いますが、彼はその期待を大きく上回るプレイを見せてくれるはずです。Falkがこれからどんな成長を遂げていくのか、その姿をぜひ見守ってください。

全チーム怖いが、警戒するのはやはり“JoxJo”

――昨年から多くのチームがメンバー変更を行いました。注目・警戒しているチームはありますか?

BlackWiz:特定の警戒しているチームというのは、正直ありません。どのチームも大幅に再編されていますし、僕ら以外のシードチームを見ても、FENNELにはCLZ選手やAnthem選手、RIDDLEにはgyen選手、REJECTにはDep選手、Jremy選手、hiroronn選手、ムッシュにはTENNN選手といった、リーグ経験者がゴロゴロいます。

Advance Stageで敗退してしまったSCARZにも強力な選手が2人いましたし、そこを倒して勝ち上がってきたINSOMNIAもいます。どこも強いチームばかりだと感じているので、どこか一箇所を特別視することはないですね。

強いて挙げるならRIDDLEでしょうか。JoxJoとは元チームメイトで彼の人柄もよく知っていますし、プレイヤーとして尊敬している部分も多いので、個人的には警戒しています。それ以外は、どのチームも同じくらい手強い相手だと思っています。

――対戦したいチームはありますか?

BlackWiz:対戦したいのはMURASH GAMING(MRG)ですかね。MRGとはやっぱりオフラインで対戦したいですね。

――初戦の相手、QT DIG∞についてはどんな印象を持っていますか?

BlackWiz:QT DIG∞は毎年仕上げてくるイメージがありますが、毎年少し足りないものがあると感じています。そこを僕らがうまくついていきたいですね。直前でコーチが変わって、勝てそうと思いますが、油断せずに頑張りたいです。

「一回のミスが命取り」になる緊張感のある経験ができる

――大会フォーマットはどんな印象ですか?

BlackWiz:トーナメント方式なので、1回のミスが命取りになると思いますが、何回もコンティニューできる試合よりは、このヒリついてる方が好きですね。

――試合数も多くなる可能性がありますが。

BlackWiz:本来は一度負ければ大会は終わるはずなので、試合数が増えるのも、あまりこういった経験のないFalkが経験できる良い機会になるかなと前向きに捉えています。それでも、全勝でプレイオフに進出できるのが一番いいですけどね。

eスポーツを仕事にしたい人が業界を知れるように

――BlackWiz選手はYouTubeも精力的に活動していますが、どういった目的で運営していますか?

BlackWiz:2026年はPacificへの昇格がないシーズンというのもあり、個人的に露出を増やさないと厳しいなと考えていました。そこで、個人的にいろんなことを知ってもらえればとYouTubeを始めました。

僕は元々、eスポーツを仕事にしたい人の「興味はあるけど、どんな会社かわからない」「普段はどんな仕事をしているんだろう」という疑問について発信することで、より興味のある人の手助けになればいいなと思っていました。そこに、僕のセカンドキャリア的にどんなことができるかを、いろんな方に訊きたいと思いスタートしました。

これがうまくいけば、チームにも還元できますし、自分のためにもなるので、『VALORANT』に限らず、いろいろやっていけたらと思っています。

「Blackwizのシューズボックス」に因んで、履いているスニーカーを紹介していただきました。NIKEと「トロフィールーム」とのコラボスニーカー。ユニフォーム、髪色とマッチした黒と赤にシューレースの青色が映えています。

ディープなテーマに「僕そろそろ消されるかなって」

――移籍市場の裏側を扱ってるのはほとんど唯一の選手チャンネルですが、もっとやっていきたいですか?

BlackWiz:いや、僕そろそろ消されるかなって思ってるんですけど(笑)本当はもっとディープなところを攻めたくて、例えば「チームをキックされた理由」とか。絶対に理由がないとチームからキックされないんですけど、eスポーツだと毎回うやむやになってしまい、良くないですよね。でも扱う上で、その人の不利益になることがやっぱり多いので今はやっていないですが……。

eスポーツのキラキラしてるところだけでなく、「こういう部分もあるけど夢があるよね」というリアルを扱っていきたいです。本当に上澄みのキラキラしてる部分だけを見て「eスポーツっていいな、プロってな、稼げるんだ」と雰囲気で飛び込んできてほしくはありませんからね。ちゃんと現実も見た上で「やりたい」と思う人がちゃんとやったら、もっと日本はいいチームが生まれ、強豪国になれると思います。

現状、キラキラした面だけを見てプロになり、練習すら真面目にやらない人もちらほらいて。僕はそういう状態になってほしくはないので、そういうとこもちゃんと教えていく人がいてほしいなとは結構思ってます。

尊敬するLazさんの背中だったら追い続けたい

――スカーミッシュ2v2が実装されました。もし、大会があって、誰とでもコンビが組めるとしたら、誰とプレイしたいですか?

BlackWiz:Lazさん一択ですね。やはりリスペクトしてるプレイヤーです。一度も同じチームでプレイしたことないし、Lazさんの背中だったら追い続けたいなと思うので、Lazさんですね。

――逆に「絶対に負けたくない相手」だったら誰でしょう?

BlackWiz:うわー難しいな……。やっぱりここもJoxJoになっちゃいますね。シーズンごとに僕より常に僕の上にいるので、負けたくないですね。

Season Finalsで優勝して、Pacificで元チームメイトと対戦したい

――Split 1の目標と今年成し遂げたいことを教えてください。

BlackWiz:Split 1はPhase 1で抜けて、Split 2への練習期間に余裕を持てるようにしたいです。今年はもちろんSeason Finalsで優勝して、Pacificに出場して、元チームメイトと戦って、Championsにいけたらなと思っています。

――最後に、応援してくれているファンの方々へのメッセージをお願いします。

BlackWiz:応援してくれてるファンの方々、本当にありがとうございます。REIGNITE FOXXに変わって、不安な方々もいらっしゃると思いますが、去年よりもパワーアップしてる姿を見せられたらと頑張っているので、引き続き温かい目で応援していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

――ありがとうございました!


VALORANT Challengers Japan 2026 Split 1 Main Stageは3月19日(木)より開幕します。VCT Pacificを経験してきた選手も多い中、BlackWiz選手率いるREIGNITE FOXXは若手3人を起用し、まとまったチーム力で優勝を目指します。2026年の開幕戦をどのように戦うのか注目です。

REIGNITE FOXXの初戦、3月20日 16時からQT DIG∞と対戦します。

<取材・執筆:えとのす/撮影:松田和真/スペシャルアドバイザー:岡野朔太郎>

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