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QT DIG∞(QTD)はVALORANT Challengers Japan 2025を5位でフィニッシュし、Season Finals出場を逃す結果となりました。QTDはシーズン終了直後の9月に新ロスターを発表。他チームより数か月早く、スタートを切りました。2026のSplit 1は、Advance Stageから出場。4試合全勝でMain Stage進出を決めましたが、接戦となった試合もあり、試合内容に満足していない様子。加えて、これまでヘッドコーチを務めていたikedamaruコーチが2月末でチームを離脱、新たにRelifeコーチがヘッドコーチに就任しました。
本稿ではQTDのリーダーを務めるmisaya選手へのインタビューをお届けします。Advance Stageの振り返りから、チームの進捗、そしてikedamaru元コーチへのメッセージまで伺いました。

――はじめに、Advance Stageを振り返った感想を聞かせてください。
misaya:まずは、無職にならなくて良かったですね。正直に言えば、チームの仕上がりには全く納得していません。本来のパフォーマンスの3割も出ていたか、くらいの試合内容でした。僕自身、かなり怒りましたし、コーチからも非常にフィードバックがありました。
――印象的だった相手はいますか?
misaya:WEC Cとの試合は印象に残っています。……僕たち、学歴がないんですよ。学歴の代わりにゲームをずっとやってきたのに、高学歴が集まるWEC Cを2-0で圧倒することが出来なかった。すごく悔しかったですね。あの日はめちゃくちゃ怒りました。
――動画でそのシーンを拝見しました。
misaya:学歴で負けて、『VALORANT』でも負けていたら、一体俺たちはどこで勝てるんだという話になりますからね。Main Stageではトーナメントで近い位置にいるので、再び対戦する機会があれば、次こそは絶対に2-0でかましてやろうと思っています。
――そのほか、Premierを勝ち上がってきたチームの印象はいかがでしたか?
misaya:正直なところ、Advance StageのチームとPremierのチームの間に、実力差はあまりないと感じています。プレイ面やランクレートも拮抗していますし、その日の流れやちょっとした運で勝敗がひっくり返るシビアな世界です。だからこそ、Premierのチームに対しても強いリスペクトを持っています。
――オフシーズンの早い時期からロスターが決まり練習してきたと思います。現在の完成度はどのくらいですか?(インタビューは2026年2月下旬に実施)
misaya:チーム作りの進捗自体は悪くありませんが、完成度で言えばまだ3割くらいです。マップもすべて終わっているわけではないので、開幕のタイミングでちょうど「10割」に持っていけるような成長曲線を描きたいと考えています。
――ikedamaruコーチに代わり、Relifeヘッドコーチが就任しました。どのように捉えていますか?
misaya:僕たちにとって痛手であると同時に、チームとしての「大きな一歩」でもあると捉えています。これまで僕たちはマクロを重視するスタイルでしたが、今年はミクロに重きを置いています。これが前進か後退かはやってみないと分かりませんが、僕たちにとって間違いなく大きな一歩です。
――スクリムでの感触はどうですか?
misaya:勝率はめっちゃ良いです。現状、脅威に感じるのは韓国のアカデミーチームくらいで、それ以外のチームにはほとんど負けていません。ただ、それでも試合中に僕たちの「粗」や弱さが出てしまう瞬間があるので、そういった課題も含めて総合的に評価すると、やはり完成度はまだ3割ですね。

――新加入のmargaret選手とImpact選手の印象を教えてください。
misaya:margaretは一言で言えば「ラークができるsomething」ですね。somethingはフィジカルの強さが際立っていますが、margaretはラークの技術だけで飯を食っていけるほど上手い。タイミングもポジショニングも完璧で、ラークが彼のアイデンティティと言えるくらいです。すごくリスペクトしていますし、ぜひ注目して見てほしいポイントです。
Impactはもう「世界のバグ」「特異点」ですね(笑)「え、こんな強い?」みたいな。HYUNMINやsomethingのような、世界基準の規格外なプレイヤーの部類です。クレバーな部分もありますが、基本は脳筋で、倒し方がバグなんですよ。よだれ出ちゃうくらいのフィジカルギフテッドです。
――天与呪縛のImpact選手は一度離れて戻ってきた形ですが、昨年から変わったところはありますか?
misaya:以前は日本語でのコミュニケーションが最大の課題でした。でも今年は日常会話がほとんど問題ないレベルにまで上達していて、彼の努力量には本当に感心させられます。それに、韓国のChallengersを経験したことでプレイスキルも飛躍的に伸びて帰ってきましたね。
――既存メンバーの強みはどう見ていますか?
misaya:Yuranは本当に成長しています。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、「日本版のf0rsakeN」と呼べるくらいです。フレックスとしてこなせないロールがないですし、チームにいてくれて本当に心強い存在です。現在のチーム内で一番フィジカルの仕上がりが良いのもYuranなので、かなり期待しています。
Kippeiは本当に伸びしろの塊ですね。昨年はミクロ面での成長が著しい一年でしたが、今年はマクロ面での進化を強く感じます。スキルの使い方、位置、タイミングといった戦術的な判断が格段に良くなっているので、そこを見てほしいです。

――QTDは福岡をベースに活動していますが、その強みはありますか?
misaya:「仲良くなるスピードが早い」ことです。メンバーが決まってからはずっと福岡のオフィスで顔を突き合わせて練習し、ご飯も一緒に食べる。普段の生活から時間を共にしているからこそ、チームとしての結束力が高まるのが早いです。
――不満も言い合える雰囲気ですか?
misaya:もちろんです。僕はリーダーとして、本音で話し合うことがチームの成長に最も不可欠だと考えています。それが自然にできている今の環境は、すごくありがたいですね。
――他のチームにない強みはどこだと思いますか?
misaya:どのチームよりも密なコミュニケーションを取っている自信があります。オフラインで横に座っていると、メンバーの感情がダイレクトに伝わってくるんです。「あ、今あいつ本気で怒ってるな、真面目にやらないと」というように、チーム内の雰囲気に敏感になれる。その空気感の共有こそが、僕たちの最大の武器ですね。

――Split 1に向けて、自信はいかがですか?
misaya:先ほども言った通り、今の完成度はまだ3割です。現時点で「絶対に優勝できる」とは正直言えません。ただ、開幕までにどれだけ頑張れるか、成長できるかで僕たちの将来は大きく変わると思います。
――特に伸ばしたい部分はどこですか?
misaya:苦手な少人数戦での連携ですね。これを克服できればチームの完成度は一気に7割、8割へと跳ね上がります。やはり難しい部分ですが、頑張って取り組みたいですね。
――昨年はスクリム数を減らすなど練習メニューにも試行錯誤があったと思います。今年はいかがですか?
misaya:今年はめっちゃ王道な練習スタイルですね。通常時は1日4スクリム、大会前は強度を上げて5スクリムをこなしています。

――注目しているチームはありますか?
misaya:注目はWEC Cです。現役の大学生という高学歴な彼らが、その頭脳を使ってどこまで勝ち上がってくるのか、純粋に楽しみです。ただ、僕たちはこれで飯を食っているプロですから、次は絶対に負けられないですね。
――警戒するチームはありますか?
misaya:あえて言うなら「自分たち自身」ですかね。今年は他チームの動向をあまり気にしていません。自分たちのプレイに集中し、自分たちのベストを尽くすこと。それができればそれでいいと考えています。
――初戦のREIGNITE FOXX(RIGX)の印象はいかがですか?
misaya:もちろんリスペクトはしていますが、僕たちが10割の力を出せれば負けないだろうというのが正直な感想です。ただ、今の完成度は3割なので、このままぶつかったら余裕で負けますね(笑)試合当日までに必ず10割に持っていきます。あとは「うちのmargaretと撃ち合える韓国人プレイヤーが、果たして日本にいるのか?」って思いますね。
――RIGXで警戒する選手は誰ですか?
misaya:Bangnan選手ですね。密かにとんでもない強さを秘めていると見ています。たまに爆発的なパフォーマンスを見せる時があるんですが、その瞬間、Depさんに近いものを感じるんです。スピリチュアルではないですが、不思議な力を感じる選手なので警戒しています。
――RIGX戦で気を付けていきたい点は?
misaya:ミクロで押し切ることです。細かいディテールを大事にすることが今年の僕たちのスタイルなので、初戦から相手に押し付けていきたいですね。
――大会フォーマットがダブルエリミネーションになりますが、印象は?
misaya:総当たりの方が純粋な強さが結果に直結しやすいですが、ダブルエリミネーションは「時の運」も大きく絡んできます。神社いきます、時の運を掴むために(笑)
――ストレートで勝ち上がるのと、試合数を重ねるのどちらがいいですか?
misaya:精神的にうれしいのはアッパーからストレートで突破することですね。でもチームとして成長を求めるなら一度負けても試合数が増えることで成長に繋がるので、どちらもプラスに捉えています。負けたくはないですけどね。

――スカーミッシュ2vs2が実装されましたがプレイされてますか?
misaya:結構やってます。おもしろいですね。
――もし、スカーミッシュ2vs2の大会が開催されて、世界中の誰とでもペアを組めるとしたら、誰と組みたいですか?
misaya:僕はQTDの中でスカーミッシュ最強とされているんですよ。これはガチで、Impactに5連勝していて、他のメンバーにも連勝してます。そんな最強が選ぶもう1人は、海外ならTeam HereticsのWo0t選手ですね。単純に人間性能が高くて、反応は早いし、手の動きも早いんですよ。彼は陸上競技でも、ある程度は結果をだせる身体の構造をしていると思って、人間として違うなと感じますね。
――日本だといかがですか?
misaya:日本だとMeiyですね。昨日、コンペティティブで対戦したんですが、強すぎますね。今はもう本当に最強ですね。
――misaya選手はYouTubeにも力を入れていますが、やってみてどうですか?
misaya:好きでやってるので面白いですね。もっとオマージュ系の動画をやりたいので、ネタ募集中です!
――今年はどんな感じでやっていきたいですか?
misaya:趣味で料理やオマージュをするのが好きなので、大会とのバランスをとりながら、ノビノビやっていきたいです。今度トッポギを作ります。海外の面白い料理を雑談しながら作っていきたいですね。どんどん専門の調理器具が増えててすごいんですよ。
――これからゲストに来てほしい人はいますか?
misaya:忙しそうですが、GONですかね。あと、福岡で言うとyatsukaにもう一度出てほしいですね。「DFMどう?」とか「お給料増えた?」とか、リアルな事情を聞いてみたいです。

――Split 1での目標と、今年成し遂げたいことを教えてください。
misaya:優勝ですね。今年は全部優勝したいです。毎年言っていますが、今年は行けそうな気がします。
――成し遂げたいことは?
misaya:結婚したいです。相手はまだいないんですが、25~27歳で結婚していないと、僕にとっては良くないような気がしてます。一つの幸せの形として、一度きりの人生なので体験しておきたいです。
――プロをやるなら支えてくれる人のほうがいいですか?
misaya:人によりますね。甘えてしまう人もいるので。
――misaya選手は支えてほしいタイプですか?
misaya:僕は支えたいですね。もう尻に敷かれたいです。ひっぱたいてほしい。
――なるほど。ひっぱたいてほしい。……では、最後に応援してくださる方へメッセージをお願いします。
misaya:いつも応援ありがとうございます。毎年言っていますが、今年こそは何か行けそうな気がします。これまでで一番話し合いをする時間も多いし、お互いに時間を作ることが増え、とてもうまくいっています。開幕まで、しっかり仕上げて頑張りますので、応援よろしくお願いします!
――ikedamaru元コーチにもメッセージはありますか?
misaya:ikedamaru!お前、無職じゃねえか!LINEいっぱい来てたけど、未読無視してごめん(笑)お互い、頑張ろうな!
――既読くらいつけてあげてください!ありがとうございました!
VALORANT Challengers Japan 2026 Split 1 Main Stageは3月19日(木)より開幕します。Advance Stageを全勝で突破したものの、悔しさをにじませるmisaya選手とQTDには貪欲に成長を続けんとする姿勢が見えました。Relifeヘッドコーチのもとで見せる新たな姿に注目です。
QT DIG∞は初戦、3月20日 16時よりREIGNITE FOXXと対戦します。
<取材・執筆:えとのす/撮影:松田和真/スペシャルアドバイザー:岡野朔太郎>