• VALORANT
  • インタビュー

AGELITE Allen「皆さんが想像している以上に、このチームは強いです」―"地獄のグループ"を勝ち抜いた新鋭ロスターが語るメインステージへの覚悟【Challengers Japan 2026 Split 1インタビュー】

AGELITEとして「Challengers Japan Split 1」メインステージへの切符を掴み取ったAllen選手にインタビュー。結成間もないチームが“地獄のグループ”をいかにして勝ち抜いたのか。新ロスターの経緯から現在の課題、そしてメインステージへの覚悟を伺いました。

Wolfram

Wolfram

今回アドバンスステージを勝ち抜け、初めて名前を見たという人も多いであろうチーム「AGELITE」。チーム名こそ知られていないものの、Banger選手、Allen選手、Jan選手など、Challengers Japanを追っているファンであればかなり聞き馴染みのある名前の多いチームです。

今回はそんなチームよりAllen選手にアドバンスステージの感想、チームの現状や今シーズンの目標などを伺いました。

「地獄のグループ」からの勝ち抜け

――新チームでのChallengers Japan参戦となりますが、まずチーム名の読み方をぜひ教えてください。

Allen:AGELITE(エイジライト)です。自分も最初間違えてました。トライアウトの時、多分みんなアジェなんとかって呼んでましたね(笑)

――現在のAGELITE所属のロスターはどういった経緯で集まりましたか?

Allen:もともと「AGELITE」という別のタイトルのeスポーツチームがあって、それが一度吸収される形になったそうです。自分はその時まだいなかったので詳しい経緯は分からないのですが、その後にスポンサーである株式会社keysさんのもとで、再び「AGELITE」として活動することになり、それが4月ごろにスタートしました。

その後、6月あたりにPirateFlagコーチと、元REJECTのSovamellowコーチが加入しました。そして、自分がちょうどBC SWELLを抜けたタイミングで、PirateFlagコーチから「ぜひ選手として来ないか」とオファーをいただき、まずは加入することになりました。

そこからどんどんメンバーを集めていって、プレミアにも出場したんですが、その時は今とは全く違うメンバー構成だったんですよね。いろんなプロ選手とトライアウトを兼ねてプレミアに出場し、最初のうちは負けてしまっていたんですが、2回目のプレミアのプレイオフ時期くらいにようやく最終メンバーが決定しました。それが、現在のBanger選手、Yamada選手、sayu選手、Jan選手ですね。

――プレミアを勝ち抜き、こうしてメインステージまで辿り着いた感想をお願いします。

Allen:アドバンスステージは3グループありましたよね。パワーランキングというか、選手やチームの総合的な強さで見ると、グループBとCにかなり強いチームが固まっていた印象でした。

その中で自分たちはグループBに入ったんですが、IGZISTやCrest Gaming Zst(CGZ)、Delightがいて、プレミアの上位2チームと同組という形になりました。もちろん勝てる気でいましたが、CGZにはボコボコにされたりもして……。今振り返ればグループBで良かったなと思えるんですが、組み合わせが決まった当初は「地獄のグループ」と言ってもいいくらいハードな組だな、という印象でしたね。

もちろん自分たちとしても負ける気はなかったので、みんな精一杯頑張っていました。ただ、アドバンスステージに向けて質の高い練習がちゃんとできたのは、実質1ヶ月ほどだったんです。選手同士のコミュニケーションが深まり、ロールや構成が固まってきたのが大会の約1ヶ月前だったので、BANマップもギリギリで決めました。

今だから言えることですが、実はBANしたいマップが2つか3つくらいあって……そもそもまともにプレイできないマップすらありました。戦績を見てもらえれば分かると思うんですけどね(笑)。本当に、ギリギリ間に合ったな、という感じのアドバンスステージでした。

――今のロスターの中ではAllen選手がかなり経験豊富でキャプテン役なのかな、と見えますが、いかがですか?

Allen:そうですね。チーム内では、PirateFlagコーチの考えをまとめてみんなに伝える役割――通訳も含めてチームに落とし込むような動きをしていて、IGLも担当していました。PirateFlagコーチからは、「お前が一番経験があるんだから、しっかりやらないとダメだぞ」と発破をかけられたりもしますね。

課題は”ちゃんと負けたことがない”こと

――ブートキャンプなどはもうされてるんでしょうか?

Allen:まだ確定していないので具体的なことは言えないのですが、韓国人選手たちを日本に呼んで、一緒に活動する形をとる可能性はあります。やはり、メンバー全員が同じ環境でプレイすることは非常に大事だと思っているので、そういった体制にする可能性は十分にありますね。

――チームのムードメーカー役はどなたですか?

Allen:僕らムードメーカーがいないんですよ(笑)大半のチームにはそういう役割の選手が1人はいると思うんですけどね。だからこそ、「ムードメーカーがいない分、全員で雰囲気を盛り上げていこう」ということで、今は『みんなでムードメーカーになる』という意識で取り組んでいます。

PirateFlagコーチからは「お前が一番経験があるんだから、チームを引っ張ってムードメイクしろよ」とよく発破をかけられるんですが、基本的には誰か一人に任せるのではなく、全員で声を出して取り組んでいる感じですね。

――大会中なども雰囲気が悪くなりそうな瞬間は、ちゃんとムードを戻さないとな、という感覚はありますか?

Allen:そうですね。今のところ、このメンバーになってから精神的に引きずるような、いわゆる「ザ・負け」みたいな試合はまだ経験していないんです。Crest Gaming Zst戦で負けた時は、もちろん全員落ち込んではいたものの、「じゃあ次はどうする?」と、割とすぐに切り替えて前向きに考えられていました。

――この点はメインステージの課題として残っている感じでしょうか。

Allen:いつかは課題になるかな、と思います。チーム全員で「完全に負けた」「力負けした」という経験をした時に、このメインステージが自分たちにとって良い修正の機会になるはずです。

いつかは必ず強いチームにしっかりと負ける時が来ると思うので、そこで出た課題を修正して、次のSplit 2に繋げていきたいですね。もちろん、このSplit 1でそのまま勝てたら最高ですけど、負けたら負けたで得られる学びもたくさんあると思っています。

バランスの取れた国際チーム

――PirateFlagコーチは日本語が喋れないと思いますが、チームの方針はどう決め、どうチームに伝えるのでしょうか?

Allen:少し前の体制で言うと、自分とJan選手、そしてPirateFlagコーチ、Sovamellowコーチの4人でよくミーティングをしていました。Jan選手は、チームのサブコーラーやショットコーラーを担当してくれています。その4人で内容を確認して、「こういうことをチーム全体に共有しないといけない」「今はこういう課題に取り組むべきだ」といったすり合わせを行っていましたね。

ただ、最近は「もっとメンバー全員の意見もしっかり取り入れていこう」ということで、みんなの意見を吸い上げてまとめてから、それをコーチに伝えていく……という風にやり方をアップデートしています。

――今回からメインステージのフォーマットが変更になり、総当たりからダブルエリミネーションを2回行う形になりました。この点いかがですか?

Allen:もちろん、自分たちの情報を相手に見せてしまうことにはなりますが、試合数をたくさんこなした方が相手のことも深く知ることができます。それに、若手選手がいるチームだと、どうしても大会本番での経験値が不足しがちなので、マッチ数が多い方がむしろ有利に働く側面があるなと。

試合を重ねることで勢いもつきますし、大会でよく言われる「ロウワーブラケット(敗者側トーナメント)から勝ち上がってきたチームの方が勢いがあって強い」みたいな、あの感覚に近いものはあると思います。

――今挙げていただいた点も含め、自チームの強みや特徴を教えてください。

Allen:チームの特徴で言うと、みんなとにかくフィジカルが強いタイプなんですよね。Banger選手、sayu選手、Yamada選手は、ランクマッチや韓国の大会などでもめちゃくちゃ実績を残している実力者たちです。

そのため、そういった『エイムの強い若手』と、知識や経験を持っているJan選手と自分で、うまくバランスを取っている構成になっています。

今の Challengers Japanでは、知識はもちろんですが、フィジカルが強くてこれから経験を積んでいくような若手選手も必要だと思っています。そういった意味でも、他のチームと比べてかなりバランスの取れた良いロスターに仕上がっていると自負しています。

――これからのメインステージ、対戦を望むチームや選手はいますか?

Allen:詳しい理由はちょっと言えないんですけど、まずは初戦で当たるInsomniaですね。あとは、一度負けているCrest Gaming Zst。やっぱり、一度土を負けた相手にはしっかりと勝ちきりたいという強い気持ちがありますね。

――最近の練習の様子で、なにかハプニングなどあれば教えてください。

Allen:オンライン環境で練習しているので、やはり大きな課題に直面することはあります。オンラインだとオフラインの時と比べて、メンバー同士の仲を深めにくく、本音でぶつかり合えない時があるんです。それがここ数週間の、チームにとっての大きな課題になっていました。

ただ、今はやっとその壁を乗り越え始めているところです。なので、「ハプニング」というよりは、チームとして真っ正面から向き合うべき「重大な課題」だったという感じですね。

――メインステージ開幕までの1ヶ月で修正するべき課題という感じですか。

Allen:ちょうどよかったですかね。まだメインステージまで1ヶ月あるので、ここでちゃんとチームの課題を終わらせて、完全に集中できるようにしたいです。

皆さんが想像している以上に、このチームは強いです」

――こちら選手皆さんにお伺いしてるんですが、もしスカーミッシュ2v2大会が開催されて、どの選手とでも組んで出場できる、となった時、パートナーにどなたを選びますか?

Allen:難しいなあ...…。撃ち合いが強いkaajak選手とか、それかMeteor選手とか。そういうフィジカルがもう「ザ・強い」みたい選手ですね。いろいろ教えて欲しいですね、なんであんなに強いのか。

――初戦はInsomniaとなりますが、意気込みをお願いします。

Allen:Insomnia戦がどういう展開になるかは、正直ちょっと分からないですね。想像がつきません。アドバンスステージのグループCは、接戦だったじゃないですか。あの激戦区の中で、Insomniaはしっかりと勝ち上がってきたチームです。そう考えると、やはり警戒すべき相手だなと思っています。

――最後にメインステージ、そして今シーズンの意気込みとファンへのメッセージをお願いします。

Allen:まだ新しく結成されたばかりのチームなので、まずはしっかりと名を上げたいという思いがあります。チームには、ぜひ見てほしい若手選手も、頼りになるベテラン選手も揃っています。皆さんから「応援したい」「注目したい」と思っていただけるよう、自分たちもこの1年間、精一杯頑張っていきます。

AGELITEがここまで勝ち上がってくるとは、おそらく誰も想像していなかったと思います。ですが、皆さんが想像している以上に、このチームは強いです。ぜひ、応援をよろしくお願いします!


VALORANT Challengers Japan 2026 Split 1 Main Stageは3月19日(木)より開幕します。「地獄のグループ」を勝ち抜き、確かな手応えを掴んだAllen選手率いるAGELITE。ベテランの経験値と若手の爆発的なフィジカルが、メインステージという大舞台でどのような化学反応を見せるのか。下馬評を覆す彼らの快進撃に注目です。

AGELITEの初戦は3月19日 16時より、Insomniaと対戦します。



<取材・執筆:えとのす/撮影:松田和真/スペシャルアドバイザー:岡野朔太郎>

SPECIAL CONTENTS ここだけの特別な記事