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中国・北京で開催中の『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の国際大会「Worlds 2025」。10月23日に行われたスイスステージでのGen.G Esports(Gen.G)とTop Esports(TES)の一戦でGen.GのRuler選手が見せたプレーがSNS上で大きな話題となっています。本記事では、そんなRuler選手の見せたお手本のようなプレーを徹底解説!その細かなメカニクスを紐解きます。
1セット目をGen.Gが勝利し、迎えた2セット目。Gen.Gはオーン・ジャーヴァン4・ヨネ・カイサ・ラカンという構成を選択し、一気に相手のバックラインに飛び込んでいくことが出来る形を作ります。

試合は中盤まで一進一退の攻防が続き、試合時間15分時点でゴールド差がほとんどない五分の状況でドラゴンを巡る集団戦が発生します。Gen.Gが先にドラゴン前のポジションを取りながらドラゴンを触ると、TESもMIDからポジションを取り返し、睨み合いの形になります。まもなくGen.Gが素早く戦闘を仕掛けると、Ruler選手の活躍もあり、Gen.Gが集団戦に勝利。試合の主導権を握る大きな集団戦勝利を奪いました。
そして、この集団戦中にGen.GのADCであるRuler選手が見せたプレーにはADCプレイヤーにとって重要で必要な要素が詰め込まれており、まさに“お手本”と呼ぶに相応しい1シーンでした。
さて、ここからはRuler選手単体にフォーカスを当ててプレイを解説していきます。
Ruler選手の使用しているチャンピオン「カイ=サ」は他のADCチャンピオンと比べて、射程距離自体は短いものの、Eの一瞬のインビジブルと移動速度上昇、そしてRを使用することにより、大幅にポジションを入れ替えることができるため、アサシンチャンピオンと同じようなサイドから相手に圧をかけられるポジションを取ります。

そして、味方がドラゴンに近い下側でエンゲージをすると、すぐにRで飛び込むのではなく自身から一番近い369選手のランブルにフォーカスをします。その後、369選手のランブルが距離を取って離れると、入れ替わるような形でRを使用しているJackeyLove選手のユナラと1vs1の形になりますが、ここでRuler選手は自身の体力を使いながら相手の体力を半分まで削り、なおかつJackeyLove選手のユナラにはサモナースペルのバリアも使用させます。
この時点でRuler選手は自身の体力を半分ほど削られてしまいましたが、Rやフラッシュといったリソースを残しながらもJackeyLove選手のユナラのリソースを大幅に奪うことに成功しています。また、その後にJackeyLove選手のユナラが少し前掛かりになったところを逃さずにオートアタックを入れることで、カイ=サのパッシブを発動させ、JackeyLove選手の体力を瀕死にまで削っていることがわかります。

そしてRuler選手は人数有利の場面で一気に仕掛けます。Qスキルが上がると同時にRでJackeyLove選手の背後にブリンクし、Qスキルを使用してJackeyLove選手のユナラを即座にキルします。すると、Ruler選手のその動きを見ていたCreme選手のアジールがフラッシュインで距離を詰めてくるも、Ruler選手のカイ=サはフラッシュを使用して自陣のMIDタワー方面へ離脱します。
しかし、Ruler選手のプレーはここで終わりませんでした。Creme選手のアジールから距離を取りながらも、カイ=サのWスキルを当ててCreme選手の体力を削ると、あえて前にムーブし、射程距離ギリギリでオートアタックとQスキルでCreme選手のアジールに攻撃します。そしてCreme選手からアグロを取ると、彼を引っ張るように自陣のMIDタワーにまっすぐ下がります。この一連の行動でRuler選手は相手にダメージを最大限入れつつ、自身は生存するという完璧なプレーで集団戦を終えます。

これによりGen.Gはこの集団戦で5-1エースとドラゴン獲得という大きな有利を奪い、試合の主導権を握ることに成功しました。試合はそのまま終始Gen.Gのペースで進み、Gen.GがTES相手に2-0のストレート勝利を収めました。Ruler選手を擁するGen.Gはこの勝利でスイスステージを3勝1敗とし、ノックアウトステージ進出を決めました。
Ruler選手が集団戦中に見せた、ポジション取り、スペーシング、アグロの引き方、スキルの回し方、カイティングといったプレーの数々はADCプレイヤーにとって、どれも重要で必要になる要素です。その要素が全て詰め込まれている今回の1シーンは全ADCプレイヤーの教科書であり、お手本のようなプレイだと感じました。
今回はRuler選手の1シーンを取り上げましたが、皆さんもプロの試合を見て、今後のプレイの参考にしてみてはいかがでしょうか。