『VALORANT』の元プロを中心としたストリーマー大会「Devil Clutch杯 #2(デビクラ杯)」が6月2日(月)に開催されます。Lazさん、xnfriさん、Zepherさんなどハイレベルなプレイヤー総勢20名が集結します。
本稿では「Glory ONCE AGAIN」リーダー・SurugaMonkey(するがモンキー)さんへのインタビューをお届け。チームが掲げる目標や各メンバーの印象、配信外で行われた作戦会議の様子など気になるところを伺いました。

◆『VALORANT』に帰ってきた“じゃすぱー”に注目してほしい
――まずは、「Devil Clutch杯 #2」への意気込みをお聞かせください。
SurugaMonkey:他チームのリーダーたちが昔からの友達なので、その友達には負けたくないですね。あと、僕は『VALORANT』の競技を経験していないので、敵チームのLazさんやtakejさんといった、もともと世界大会で戦っていたトップレベルの選手と、真剣に戦える機会はそうそうありません。
どこまでやれるか試したいという気持ちもありますし、今のチームメンバーとは1年を通してのイベントなので、ここで良い形で勝って第2回、第3回と、その後にも繋げられるような結果を出したいですね。

――本大会の練習やスクリムを通して、特に勝ちたいと思うチームはありますか?
SurugaMonkey:やはり、Lazさんとtakejさんのチームじゃないですかね。練習していても、あのチームが頭一つ抜けて強いんですよ。
ストリーマーの中には、練習で強くても本番でパフォーマンスを落とす人も結構いるんですが、Lazさんやtakejさんを始めとした元プロたちは本番に慣れているので、パフォーマンスも落としてこないと思うんですよね。だから、そこがどう転ぶかなと思っています。
リーダーとしてClutch_Fiさんに勝ちたいですし、チームとしても倒したい相手ですね。
――今回、同じチームメンバーであるじゃすぱーさん、xnfriさん、善悪菌さん、Pepperさんの4人を選んだ理由を教えてください。
SurugaMonkey:今回は1回目とは違って、Clutch_Fiさんがバランスを考慮したというよりは、リーダー4人が何回か集まって、がっつり話し合いました。何回か話し合って、バランスや組み合わせのシナジーなど、配信のスタイルも考慮した上で今回のチームになりました。たぶんどのチームも、ある程度納得のいく形で組めたんじゃないかと思います。
――特に、視聴者に注目してほしいメンバーはいますか?
SurugaMonkey:僕たちのチーム名「Glory ONCE AGAIN」は「もう一度栄光を」という意味で、じゃす(じゃすぱーさん)に寄せた名前にしたんですよ。昔、じゃすは『VALORANT』をめっちゃ頑張っていて、一度離れてしまったんですが、今回戻ってきてくれました。
あの頃の強かったじゃすを知っているので、“あの時の栄光をもう一度”という意味を込めて「Glory ONCE AGAIN」という名前にしてるんですよ。僕のチームはもちろん、xnfriさん、菌さん(善悪菌さん)、Pepperさんもいるんですけど、特にじゃすに注目してほしいですね。
配信外でもめちゃくちゃ『VALORANT』をやっているみたいで、結構がっつり練習しているらしいです。それこそMeiyくんなどプロからのコーチングも受けたりしているらしいので、個人的にも期待しています。でも、メンタル面が強くないので、そこだけはサポートできたらいいなと(笑)

◆チームのキーマンはショットコールを担当する「xnfri」
――チームの仕上がりはいかがでしょうか?
SurugaMonkey:いい状態だと思います。そもそも僕たちは初日のスクリムで8連敗したんですよ。そこで普通は気分が下がると思うんですけど、僕たちは「ここは良かったけどここは悪かったよね」みたいに配信外でも話し合ったり、自分たちのスクリムの映像を見直したり、むしろ前向きに取り組みました。
最近は、最初0勝4敗で負けていたrionチーム相手に3勝1敗と勝ち越せるようになり、チームとしても良くなってきていて、雰囲気もめちゃめちゃいいですね。「結構やれるぞ!」という感じになっています。チーム全員が「打倒Laz」を掲げているので、残りの練習もしっかりやって、頑張りたいですね。
――顔合わせの際に、じゃすぱーさんの使えるエージェントTierリストにツッコまれていたのが印象的でした。
SurugaMonkey:お互いにどのエージェントを使えるかまでは把握していなかったので、その人のことを理解するためにTierリストを作ったんです。
みんなまんべんなくどのエージェントも使えるという中で、じゃすだけはジェットとレイナ以外は使えないみたいな感じで終わってて(笑)。ただ、さっき言ったようにいろんなコーチングを受けたことで、今ネオンがめちゃめちゃ上手くなっているんですよ。
だから、最初の頃よりもキャラクターの幅が広がっていますし、今は全然その不安は感じないですね。
――チームの中でキーマンになるメンバーはいますか?
SurugaMonkey:xnfriさんですね。xnfriさんは撃ち合いも強いですし、もともとイニシエーターを担当していたということもあって、コールがめちゃめちゃ良いんですよ。
全体的な動きをまとめるIGLはPepperさんなのですが、瞬間的な戦う判断(ショットコール)はxnfriさんが担当しています。そのコールの精度が高くて、耳に入ってきやすい声というのもあり、いつも助けてもらってますね。
菌さんはマジで喋らないんですよ(笑)。もうちょっと喋ってくれたらチームがもっと良くなりそうだなと。
――スクリムでは善悪菌さんが裏画面にとんでしまうハプニングもありました。
SurugaMonkey:スクリム1発目のときですね。僕らがわちゃわちゃ話していたのもあって、後ろで何を言ってるのかよくわかっていなくて…。あとで見返したら結構トロールみたいなことしてましたね(笑)
でも、あれがあったからこそ雰囲気的には和めたんで、結果的には良かったと思っています。あれを本番中にやられたら困りますけど、事前の練習で気づけてよかったです(笑)

――SurugaMonkeyさんのチームでは「ビンゴ」というコールも印象的です。どんな経緯で生まれたんでしょうか?
SurugaMonkey:例えば、4対2の状況で相手の2人の位置がわかって、VCで「確定!確定!」と報告しても、チーム内でピンとこなくて、情報が共有できていないっていうことが結構あったんですね。
そこで、なんかいい方法ないかなってときに、xnfriさんが現役時代に「ビンゴ」っていうのがあったことを教えてくれて。なので、それをそのまま取り入れました。
実際、敵の場所がわかったときに「ビンゴ」というと、すぐに情報を共有できるようになったので「ビンゴ」には助けてもらってます。
じゃすが残り1人の状況で、どう見ても場所が確定しているときに「ビンゴ、ビンゴ、ビンゴ」って言いたいだけみたいな瞬間もあって(笑)。でもこの「ビンゴ」、マジ画期的です。

――作戦などは、IGLのPepperさんを中心に考えるのでしょうか?
SurugaMonkey:そうですね。Pepperさんがプロの試合をよく見ていて、たとえばVCT Pacificに出場しているRRQやT1の試合から、「こういう動きをしていた」といった情報を全部共有してくれるんです。
他のチームは2イニシエーター構成が多いですけど、僕たちはヴァイパーなどを使用した2コントローラー構成を採用しているのでEDGのような2コントローラーが上手いチームの試合をみんなで見て、アビリティを使うタイミングなどを勉強しています。
メンバー全員が『VALORANT』に真剣に向き合ってますし、こういう勉強や取り組みをけっこうちゃんとやっているので、本番もいい勝負になると思います。

◆Lazにやられたときは「これマジか」と驚愕
――Devil Clutch杯は、「元プロ選手たちが輝ける場所を作る」というコンセプトです。実際に戦ってみていかがでしょうか?
SurugaMonkey:CRカップなどストリーマー大会はほかにもありますが、元プロの人ってどうしてもコーチでしか入れないんですよ。だから元プロのコーチたちはみんな口を揃えて「教えるんじゃなくて自分も一緒にやりたい」と。その意見を取り入れたのがデビクラ杯なんですよね。
元プロとレベルの高いストリーマーが集まっていますが、やっぱり元プロの人って頭1個どころか2個ぐらい抜けてますね。
状況判断の能力も高いと思いますけど、Lazさんにやられたときは「これマジか」みたいな視点移動、エイムに驚かされました。rionチームが経験していたと思うんですが、1v5のような負けるのがあり得ない状況でやられるとかもありましたし。
普段、Lazさんってセンチネルのイメージがあると思うんですけど、今回デュエリストをやってるんですよね。Laz、takejの2デュエリストは破壊力がすごい。「あれと戦えてたプロってやっぱりすごいな」と再認識しました。僕じゃ絶対無理っす(笑)
1v1になったときに、撃ち合って絶対勝てなそうなオーラも感じますね。ただ、それが倒せたときは嬉しいので、本番も楽しみです。
――ありがとうございました!

「Devil Clutch杯 #2」は6月2日(月)17時より開催。SurugaMonkeyさん率いる「Glory ONCE AGAIN」は、初戦で「極上BUSTERS」と対戦します。
<取材、執筆:まっつぁん/取材:内 真愛美/編集:松田和真/撮影:小原 聡太>