Gen.G Munchkin「最近のメタは“自信を持って撃ち合うこと”、BMEの強さもそこにあった」―チームの状態や今のIGLの難しさを語る【VCT Pacific 単独インタビュー】

試合終了後にMunchkin選手にインタビュー。BME戦の敗因や今のチームの状況から最近のメタやDFMの印象まで、お話をお聞きしました。

VALORANT インタビュー・コラム
Gen.G Munchkin「最近のメタは“自信を持って撃ち合うこと”、BMEの強さもそこにあった」―チームの状態や今のIGLの難しさを語る【VCT Pacific 単独インタビュー】
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『VALORANT』の大会「VCT Pacific 2025 Stage1」が韓国・ソウルで開催されています。大会3日目となる2025年3月24日には韓国のGen.Gが登場し、インドネシアのBOOM Esports(BME)と対戦しました。

この日、BMEが選んだ1マップ目はなんとアセント。撃ち合いに長けたDos9選手を中心に強気なプレイで攻め続け、BMEが勝利しました。続く2マップ目はヘイヴン。OTに入ってからもどちらも勝負を譲らぬ接戦となりましたが、17-15で試合を制したのはBME。これにより2-0でBMEが勝利し、Gen.Gの初戦は残念ながら敗北となりました。

現地取材中の筆者は、試合終了後にGen.GのMunchkin選手にインタビューさせていただきました。新メンバーを迎えたチームのことや試合の振り返り、IGLの話など色々と伺いましたので、早速その模様をお伝えします。

◆経験値を積めれば大会でも良い成績が出せるようになる

――今シーズンからAsh選手がコールアップされSuggest選手が新たに合流しましたが、いまのチームの雰囲気はどんな感じですか。

Munchkin:Ashはまだ若いので可愛い感じで、Suggestは元々すごく面白い人なんですよ。だから、多少凹むようなことがあっても、彼らがいてくれるおかげでチームの雰囲気はすごく良いですね。練習のときも2人とも銃の扱いがすごく上手いので、うちのチームのプレイスタイルに撃ち合いの上手い選手が追加されたっていう感じです。スクリムの成績を見ても「VCT Pacific」で一番いいんじゃないかと思うくらいです。

――確かに今日の試合は本当に「ACE」が多かったですし、今後が楽しみなチームですね。では、試合についてお伺いしていきます。まずは1マップ目のアセント。全体的に強気な攻防が続いた試合でしたが、振り返ってみていかがですか。

Munchkin:正直、僕らを相手にアセントを出してくるとは予想していなかったので驚きましたね。一応、練習のときに対戦したことのない構成ではあったものの、プレイスタイルは予想がついていました。ただ、相手の思い描く大きな流れはわかっていても、細かい部分、例えば相手がどうやって入ってくるかなどは、状況を受け入れるセンスが必要だと思うんです。とはいえやっぱり大会なので、こちらは考えるのに時間がかかるけれども相手は素早く入ってくる。そういったこともあって、守備でかなりラウンドを取られてしまったのではないかと思います。

――たしかに相手がしっかり準備してきたような印象はありますね。

Munchkin:相手がしっかり準備してきたのもありますが、僕らの経験値が少ないせいで負けてしまった感じがしています。とはいえ3人は経験豊富なので、2人が早く経験を積めれば、僕らのスクリムでの良い成績が大会にそのまま反映されるようになると思います。

――続く2マップ目のヘイヴンはOTで粘り強いプレイを見せただけに本当に惜しい結果となりましたが、非常に見ごたえのある試合でした。

Munchkin:序盤は読み合いに負けてしまったような感じだったんですが、それでもその後はいい感じについていけたと思います。ただ1マップ目と同じく経験も浅く緊張しすぎてしまったせいもあり、自分たちがやらなければならない役割ができなかったりコミュニケーションを取らなければならないところでうまく伝わらなかったりしたのが敗北につながってしまったと思うので、そこは悔しいですね。

――対戦相手のBMEが予想よりかなり強かったと見ていて感じたのですが、実際に戦ってみていかがでしたか。

Munchkin:とにかく相手にリスペクトを感じたのは、強気なプレイです。ある意味で、僕らのことを恐れる可能性はあったと思うのですが、彼らはそういったことは微塵もなくアグレッシブにプレイしてきたので、僕らが相手する際にミスが多く出てしまったと思います。それが相手の勝因だとも思いますし、攻撃的で強かったですね。

◆DFMは攻撃性を取り戻せばもっと強くなると思う

――ところで最近は世界王者のT1や「VCT Pacific Kickoff」優勝のDRXなど、韓国チームの活躍が目立っている印象があります。それに比べるとGen.Gは少し厳しい状況なのかなと思いますが、そういった点でプレッシャーなどは感じていますか。

Munchkin:プレッシャーは全然ないですよ。僕が感じていることは、最近色々なチームが「2024年のGen.Gがなぜ強かったのか」を学んできたということです。すべての選手が自信を持ってゲームし、完璧なゲームを追求せずとも上手くやれるプレイをしようという感覚をほかのチームも持つようになってきたと思います。実際に今日の試合でBMEがアグレッシブにプレイしてきたのもそういうことなんじゃないかな、と。ほかのチームもゲームの「やり方」がわかってきている気がします。でもただそれだけだと思うので、僕らも去年より上手くやらなければといったプレッシャーはなく、いまも練習は十分うまくやれていますし時間が経てば強くなれると思います。

――先日、Meteor選手にインタビューした際に「最近のVALORANTはシューティングゲームなのにアビリティだけでゲームしている」と話していたのですが、Munchkin選手的にはどうですか。

Munchkin:その通りだと思います。ですがその分相手のアビリティをよける能力だったり、相手がアビリティを使う前にするアクションだったり、そういった面である意味もっと賢くならないといけないゲームになったなと感じています。単なるシューティングゲームではないというところはMeteorに同意しますが、僕はアビリティは怖くないと考えています。

――さらにもう少しだけ、Munchkin選手だからこそ聞いておきたいIGLの質問をさせてください。こうしてメタが変化するなかでIGLをするのはすごく大変なことのではないでしょうか。

Munchkin:大変ではありますが、楽しくもありますよ。ひとつの構成だけが固定化されて使われるというよりは、各チームが新しいメタを見つけて自分たちだけの色を出していこうとするチームが増え、練習時のみならず大会でも本当に色々な構成が出てきています。構成ごとのプレイスタイルを理解しつつゲームしなければならないという点では、難しくなったとは思いますね。

――興味深いお話をありがとうございます。さて、Gen.GはGroup Alphaに入っていて次の次に日本のDFMと対戦予定ですが、DFMをどのようにご覧になっていますか。

Munchkin:ほかのチームを評価したりするつもりはないですが、日本でプレイしてきて日本のチームをたくさん見てきた立場として言うと、DFMをイベント戦で見たときに非常に攻撃的で良いなと思ったんですよね。ただ、DFMも新しいメンバーになって息を合わせていく段階で、最初のころこそ楽しんでいたかもしれませんが、今はレギュラーシーズンということもあってそういった攻撃性が減ってしまった感じがしました。先ほど僕が話したように最近のメタは"自信を持って撃ち合うこと”だと思うので、DFMも攻撃性を取り戻せばもっと強くなるんじゃないかなと思います。

――日本でプレイしてきたというお話も出ましたが、Crazy Raccoon時代から応援し続けてくださっている日本のファンが大勢います。最後に日本のファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。

Munchkin:日本のファンの皆さんはSNSのDMで応援のメッセージを送ってくださることが多いんですが、いつも応援してくださって本当にありがとうございます。今シーズンももちろん頑張りますが、来シーズンの「VCT Pacific Stage2」で絶対に決勝へいって、日本で皆さんとお会いできたらと思っています。


Gen.Gの次の試合は、3月30日17時よりPaper Rex(PRX)戦が予定されています。

《スイニャン》

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スイニャン

スイニャン

韓国在住時にeスポーツと出会い、StarCraft: Brood Warのプロゲーマーの追っかけとなる。帰国後、2009年ごろからさまざまなWEBメディアで取材・執筆活動を開始。2017年からはLeague of Legendsの国内プロリーグ「LJL」の公式日韓通訳に抜擢され、現在も複数タイトルで韓国人選手の通訳・翻訳活動を行なっている。自らはゲームをほとんどプレイせず、おもにプロゲーマーの試合を楽しむ観戦勢。

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