「長い旅路になると思いますけど、応援よろしくお願いします!」-国内プロリーグ「LJL」夏季シーズンで完全優勝を成し遂げたSHG marble選手へインタビュー

「LJL 2024 Summer Split」を制したSHGから、marble選手にインタビュー。チームの強さの秘訣についてお伺いしました。

League of Legends インタビュー・コラム
「長い旅路になると思いますけど、応援よろしくお願いします!」-国内プロリーグ「LJL」夏季シーズンで完全優勝を成し遂げたSHG marble選手へインタビュー
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2024年7月28日、『League of Legends』の国内プロリーグ「LJL」のSummer Split Playoffsのグランドファイナルが行われ、福岡ソフトバンクホークスゲーミング(SHG)が、DetonatioN FocusMe(DFM)を3-0のストレートで下し、Sprigに続いてプレイオフ優勝を果たしました。

レギュラーシーズン1位通過からのプレイオフ優勝という完全優勝を果たしたSHGより、BOTレーナーのmarble選手にインタビュー。今季の感想、そしてSpringでは惜しくも2位に終わったリベンジを期す戦いとなるPCSプレイオフでの戦いに向けた展望を聞きました。

◆1試合目で勝てていなかったら逆の結果になった可能性もあった

──LJL Summer Split、優勝おめでとうございます。率直にどんな気持ちですか。

marble:拮抗した試合になるかなと思っていましたし、実際に2試合目はかなり危なかったんですが、上手く勝つことができて嬉しいです。

──レギュラーシーズンではドローもあったDFM相手にグランドファイナルでは3-0での勝利となりました。その要因はどこにあると思いますか?

marble:BO5は1試合目の流れがすごく大事だと思っていて、1試合目を取った方が勝つぐらいの気持ちで考えています。なのでそこを綺麗に勝てたのが大きかったですね。

──1試合目を取れていたことで、リードされる展開となった2試合目でも余裕を持ってプレイできたということでしょうか。

marble:そうですね。負けると気持ちが沈んでしまうこともあるので、1試合目で勝てていなかったら逆の結果になった可能性もあるんじゃないかと思います。

BO5勝利に湧くSHGメンバー

──グランドファイナルでのご自身のパフォーマンスはどう評価していますか。

marble:全体を通してレーン戦は満足できる内容だったと思いますが、中盤の時間帯から不用意なキャッチだったりチームとの連携が取れていなかったりというシーンがあったので、そこは自分の反省点ですし、満足はしてないです。ですが、レーンを良い感じにこなせたという点では自分を褒めたいですね。

──Summer Splitではレギュラーシーズンも1位通過で完全優勝となりました。

marble:嬉しいというのが率直な気持ちですが、WCSがまだ決まっていないのでここで満足しちゃいけないとも思っています。PCSプレイオフで勝つことが大前提だと思っているので、しっかり気を緩めず練習したいです。

──Summer Splitではメタも大きく変わった印象ですが、ADCのmarble選手の目線からは特にどういったところが変わりましたか。

marble:Sprig SplitのBOTレーンはとにかく主導権が大事で、それさえ取れればドラゴンも相手ジャングルも取れるというような感じでした。ですからサポートがマークスマンを使用する“ダブルADC”のようなピックも採用されて、レーンのディテール、細かいやり取りが重要だったと思います。

Summerからはタンクサポートが強くなり、レーン戦よりも集団戦を上手くやったチームが勝つメタになったと個人的には思っていて、ADCも必然的にそういう(集団戦に強い)ピックが優先されるようになりましたね。

──marble選手はどちらのメタが好き、あるいは得意でしょうか。

marble:今の方ですかね。Sprigはひとつのミスでレーン戦ができなくなるようなシーンがあって、精神的には結構辛いメタでした。夏はチームとしての地力、集団戦の上手さが求められるメタで好きですね。

──これからPCSプレイオフに臨みますが、どのようなモチベーションでしょうか。

marble:Springでは2位という結果ですごく残念な気持ちでした。SummerこそはWCSの切符を勝ち取って「日本も強いんだぞ」というところを世界に見せたいと思っています。

──Summerになってチームやご自身の変化を感じることはありますか。

marble:みんな「勝ちたい」という気持ちが強くて、試合のフィードバックでは衝突することもありました。なので雰囲気が良い時ばかりではなかったのですが、最後はひとつにまとまってファイナルで優勝することができましたし、良い雰囲気で終えられたのは良かったなと思います。

チームとして結果だけではなくゲームの内容も重視しているので、勝った試合でも内容が悪ければしっかり議論することもありますし、僕も自然とそういう考えになってきましたね。

──PCSプレイオフに向けて意気込みを聞かせてください。

marble:LJLで優勝できたので一安心ですが、これから目指すのはWCSの切符なので、そこを目標にPCSプレイオフもしっかり勝って、世界を目指して頑張りたいと思います。

──長期の海外滞在になりますが、Sprigの経験から過ごし方のコツなどは掴めたでしょうか。

marble:Sprigは結局1か月くらい滞在していたんですが、どうしても外に出る機会が少なくて同じルーティーンを繰り返すばかりになってしまうとメンタル面で不安定さが出てくると感じたので、外に出てリラックスしたりするのも大事だなと思っています。

──国際戦は食事が課題になることもあると聞きますが、marble選手は気になりませんか。

marble:現地の食事だけでなく日本食を結構食べていたので大丈夫でしたね。あとチキンが美味しくて、チームメイトもみんな好きみたいで個人でもよく注文していました(笑)

──それなら大丈夫そうですね。最後にファンの方にメッセージをお願いします。

marble:はい。まずはLJLで優勝できて嬉しいですが、それは応援のおかげで成し遂げられたことで、ファンの皆さんがいたからここまで来られたと思っています。ただ、ここが終わりではありません。目指すはPCS優勝、そしてWCS出場です。長い旅路になると思いますが応援よろしくお願いします。


LJLは今季の全日程を終了し、プレイオフ上位3チームがPCSプレイオフへと進出。PCSプレイオフでは上位2チームに年間最大の国際戦「WCS」への出場権が獲得できます。

PCSプレイオフは8月5日開幕。LJL第2、第3シードのDFMとSengoku Gamingはステージ1から、そしてLJL第1シードとなるSHGはステージ2からの参戦となります。

《ハル飯田》

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ハル飯田

ハル飯田

1993年、大阪府生まれ。一旦は地元で公務員になったものの、ゲームが好きすぎて気付いたらフリーライターに。他メディアではeスポーツ選手や競技シーンの魅力を発信することに注力したり大会でキャスターを務めたりもするのだが、インサイド&ゲムスパではもっぱら好きなゲームについて語ることで安らかな気持ちになっている。