元プロゲーマーで『2XKO』のデザイナー・Kyohei "MarlinPie" Lehr氏が語る、同作のキャッチさと奥深さが両立したゲームデザインとは?【EVO Japan 2024】

これは世界中のプレイヤーを見てきた男が作る格ゲーだ!

2XKO インタビュー・コラム
元プロゲーマーで『2XKO』のデザイナー・Kyohei
元プロゲーマーで『2XKO』のデザイナー・Kyohei "MarlinPie" Lehr氏が語る、同作のキャッチさと奥深さが両立したゲームデザインとは?【EVO Japan 2024】
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『League of Legends(以下、LoL)』のスピンオフとして、2025年内のリリースを予定している基本プレイ無料の2v2格闘ゲーム『2XKO(ツーエックスケーオー)』。2024年4月に実施された「EVO Japan 2024」にて、試遊ブースが展開されました。

本作のゲームデザイナーを務めるのは、日本とアメリカを中心に活動してきた元プロゲーマーの“MarlinPie”こと、Kyohei Lehr氏。世界中を巡りながら、格ゲーシーンを長く見てきたからこそ分かる「格ゲーの真髄」を本作に込めていると話します。

今回は、EVO Japan 2024のタイミングで同氏へお話を伺う機会を得ましたので、ゲームディレクターのShaun Rivera氏へのインタビューと併せて、2本立てでお届けしましょう。

・Kyohei "MarlinPie" Lehr氏

1988年生まれ。『ギルティギア』シリーズや『MARVEL VS. CAPCOM』シリーズの元プロゲーマーで、特に前者では、「East Coast Throwdown 2018」「Defend the North 2019」など数々のメジャー大会で優勝を経験。北米の『ギルティギア Xrd』プレイヤーでもトップクラスの実力と実績を保持していた。日本出身の格闘ゲーマーだが、現在はアメリカ国籍を取得している。

◆デザインでこだわったものは“コンボの詰め甲斐”

――本日はよろしくお願いします。まずはじめに、2月に行われたプロ選手による試遊会、そして今回のEVOJAPAN 2024での試遊会を経て、どのような成果を得られましたか?

Kyohei Lehr氏(以下、Kyohei):そのどちらも、日本の格ゲープレイヤーに向けた施策なのですが、日本と海外のプレイヤーでは、ゲームに対する着眼点や取り組み方が異なっていることに気づけたのは良かったですね。

色々なプレイヤーと知り合い、直接お話しすることもできたという点でも、成果を得られたと思っています。

――それは良かったです。では早速ゲーム内容に関する質問をさせていただきます。個人的に好きなチャンピオンや、オススメの戦い方を教えてください。

Kyohei:天井が高くて、それをさらに突き破れるようなキャラクターが好きなので、本作で言うと「アーリ」「エコー」「ヤスオ」ですかね。これらのチャンピオンは、コンボの詰め甲斐があります。

このゲームはチーム機能がかなり強く設計されているんです。なのでオススメの戦い方については、それを活用することですね。本作は自由度が高い内容になっているのですが、チーム機能を意識さえすれば、格ゲー初心者でも上手く戦えると思いますよ。

――なかでもヤスオは、『League of Legends』でもおなじみのチャンピオンですよね。例えば、そのような『LoL』でも人気のあるチャンピオンを作り上げるうえでこだわったポイントを教えてください。

Kyohei:おっしゃる通り『LoL』でヤスオは超人気キャラですよね(笑)。同作では、攻撃が成功すると強いですが、外してしまうと大きな隙ができてしまう……そんなリスキーな性能をしているチャンピオンですが、そんな元々のヤスオと同じ体験が楽しめるように作っています。

同じようにコンボの自由度もかなり高いです。レベル1からレベル3といったように、簡単なものから複雑なものまで揃えていまして、ヤスオの場合はレベル1の延長で、そのコンボを複雑にしていくような設計にしているので、ぜひトライ&エラーを繰り返してコンボ開発してほしいですね。

――個人的に『LoL』をプレイするとき、ヤスオをPickするプレイヤーの特徴として“攻撃的な人が多い”という印象を持っているんですが(笑)。本作もそんなプレイヤーのニーズに応える形になっていそうですね。性能に限らず、セリフなどもこだわられているのでしょうか?

Kyohei:『LoL』と同じように“風殺の壁”というスキルを扱えるのですが、それを繰り出す際のセリフなどは再現しているので、ファンには嬉しい要素になっていると思います。

――ヤスオに絞った質問をしてしまいましたが、もっと広く『2XKO』のキャラクターデザインを担当されるうえで、大切にしていることは何ですか?

Kyohei:これは個人的な考えでもあるのですが、操作性が分かりやすくて触りやすいけど、詰め甲斐があることですね。すべてのチャンピオンにとは言いませんが、そういう部分にこだわった奥深いキャラクター作りをしています。初心者でも簡単に扱える“基本コンボ”も用意しつつ、どのようなレベルのプレイヤーでも楽しめる“自由度の高さ”を大切にしています。

――初心者にオススメのチャンピオンや戦術はありますか?

Kyohei:「ダリウス」と「イラオイ」が特にオススメです。ヒットストップが長いですし、求められるテンポを遅めに設計しているんですよ。必殺技をはじめ主だったスキルも使いやすいものが多いです。まぁ、他のキャラクターも基本コンボが簡単なので、すべてのチャンピオンがオススメなんですけどね(笑)

戦術としては、先ほどもお話ししたチーム機能を活用すること。それも難しければ、まずは「ダリウス」や「イラオイ」で大振りな技を使って、ゲームに慣れていくところから始めてみてください。

◆プロゲーマーとしての経験はゲーム開発にどう活きている?

――ありがとうございます。では質問の趣向を変えまして、過去にプロ選手として活躍されていた経験が活きている点はありますか?

Kyohei:それで言うと、プロゲーマーとしての経験“様様”ですよ(笑)

長い時間をかけてゲームをプレイしてきたというのは勿論、色々な国をまわってたくさんのプレイヤーと知り合えたのがすごく大きいです。というのも、地域によって格ゲーマーのゲームに対する姿勢が全然違うんです。

それと、私は現役時代にコンボ開発ばかりしてたんですが、その知識も今に活かせていますね。おかげでとても楽しくゲーム開発ができています。

――格ゲーにおいて待ち戦術が強すぎるとコミュニティが嫌う傾向があると思います。その点に対して『2XKO』はどういう工夫がなされていますか?

Kyohei:このゲームはオフェンスが強く設計されています。待ってばかりいると、先に相手にアシストを呼ばれたり、「ハンドシェイクタッグ」を使われたりと、損してしまうように作りになっています。

――味方と交代したあと、自分のキャラクターが画面に残ったままでダメージを受けることがありました。これはどういった仕様なのでしょうか?

Kyohei:おっしゃる通り、ハンドシェイク(交代)を相手側が咎められる仕様になっています。アシストに回ったキャラクターは無防備なので、適当に交代するのは良くありません。タイミングを見て交代しましょう。


アメリカを拠点に、格ゲーシーンを見届けてきたKyohei "MarlinPie" Lehr氏。プロゲーマーではなくゲームデザイナーとして同氏が本作に込めたものが、『2XKO』がただのスピンオフタイトルではない“本気の格ゲー”として飛躍させてくれると期待しましょう。

Riot Gamesが手掛ける基本プレイ無料の2v2格闘ゲーム『2XKO』は、2025年内にPC/PS5/Xbox Series X|S向けにリリース予定です。

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