6月7日深夜に開幕する「VALORANT Masters Toronto」を前に、各チームの代表選手が記者会見に登壇しました。
今年は『VALORANT』の正式リリースから5周年という節目の年であると同時に、FnaticのBoaster選手にとっても競技シーンでの5年目を迎える特別な年となります。彼は、ゲーム初期からこのシーンを支えてきた数少ない選手の一人として、今もなおその存在感を発揮し続けています。そんな彼は、おなじみの前向きでユーモラスな語り口で、今大会への思いを述べました。
◆古参Boasterが新たなメンバーと挑む国際大会と、5年前の記憶
──Boaster選手は競技シーンの黎明期から活躍され、数々のタイトルを獲得してきました。仮に、crashies選手やkaajak選手のような新しい世代の選手たちと共にMastersを優勝することは、ご自身にとってどのような特別な意味を持つのでしょうか?
Boaster:愛する人とのMasters優勝ほどロマンチックなものはないよ。(crashiesに向かって)いや、冗談だよ(笑)めっちゃみてくるじゃん(笑)
正直なところ、今年はあまり勝てるとは思っていなかった。まずは純粋に試合を楽しもう、という気持ちでシーズンに入ったんだ。だからこそ、今こうしてMastersに臨めることをうれしく思う。この舞台を楽しんで、チームメートにも楽しんでもらいたいと心から願ってるよ。もしその先に優勝という結果がついてくるなら、それは本当に素晴らしいプレゼントになるね。
2021年からの長い旅路のなかで、2023年にあれだけ勝ち続けた時期があったことに感謝の気持ちしかないね(笑)
――今大会では21人の選手が国際大会にデビューします。Boaster選手が初めて世界大会に出場した時のことを聞かせてもらえますか?
Boaster:アイスランドで初めて国際大会に出た時のことは、今でも覚えているよ。
初めての大会は勝っても負けても、何度も振り返ることになるし、かけがえのない思い出として残るだろうから、楽しむしかないよね。例えあの時、Sentinelsに負けたとしてもね(笑)
※VALORANT Masters Reykjavík 2021の決勝でFnaticはSentinelsに敗れた
だから、とにかく楽しもう。誰だって完璧ではないし、ステージ上ではエイムがブレブレになる。みんなが想像するより酷くプレイすることになるだろう。でも観客との一体感を味わって、他のチームの選手たちと交流して…。ちょっとした修学旅行みたいなものだと捉えるのがいいかもね。

◆テホの時代は終わった?戦略を練る楽しさが帰ってきた
――テホにナーフが入り、各チームが構成を調整しているように思います。この大会を前にした現在のメタをどのように捉えていますか?
Boaster:実際にはわからないけど、どうやらテホのいなかった頃に戻ったようだね。正直、僕はテホのメタに少し飽きていたよ。
ひたすらアビリティを撃ち合うだけの展開だったのに対して、今のメタでは、もう少し頭を使った展開やデフォルトでの駆け引きができる。イライラさせられたヴァイスのナーフも、個人的には嬉しいよ。今のメタはプレイするのも戦略を立てるのも楽しい。今後どうなるかわからないけどね。
あとは、G2のようなチームがどうするか楽しみだ。G2にはたくさんの調理人がいるからね。初戦で何を出してくるか見てみよう。それ以外はどうだろう...まぁ、頭を撃てばいいか。チームは今、エイムがピカイチなんだ。チルしているよ(笑)
◆人類代表はBoaster、選手たちとの軽妙なやり取りも
記者会見では、こんな和やかな一幕もありました。「もし宇宙人が地球を襲ったら、人類の代表に誰を選ぶか?」という質問に対し、G2のJonahP選手は「Boasterしかいない。彼なら全世界をひとつにまとめられる」と即答。それに対しBoasterは、「僕なら踊って逃げるね。『平和のために来ました~』ってトゥワークでもして(笑)」と返し、会場を笑いに包みました(トゥワークとは、しゃがんだ体勢で挑発的にお尻をふる踊りのひとつである)。

また、そんなG2とFnaticのメンバーの間では、『ポケモンカードゲーム』を集めるのが密かなブームとなっている模様。近いうちに対戦を行うという話も。
Masters Torontoは6月7日深夜から23日まで開催され、複数のプラットフォームでライブ配信されます。ベテランと新鋭選手による熱い試合をどうぞお見逃しなく。