『VALORANT』公式YouTubeチャンネルにて「2024 Year-End Community Stream」が配信。ゲームデザイナーのJune Cuervo氏、Nicholas Smith氏、バランスデザイナーのDan Hardison氏、マップデザイナーのJoey Simas氏へのインタビューが公開されました。
動画内では、2024年にアップデートされた「ヴァイス」「クローヴ」などのエージェントや、新マップ「アビス」について語られました。ここではその一部を翻訳してお届けします。
◆開発陣が行った『VALORANT』の可能性を広げるアップデート
――この数週間、エージェントやマップの変更など、話題となるアップデートがいくつかありました。この時期にパッチノートをリリースした背景を教えていただけますか?
Dan:今はVCTが開催されておらず、主にオフシーズン用のイベントをしているためこのタイミングでリリースしました。シーズン中に混乱が起きては困りますからね。
――この1年間、センチネルとコントローラーはかなり調整されました。変更後のエージェントたちについてどのように感じていますか?
Dan:まずはサイファーは、センチネルの中でも存在感が大きく、プレイヤーにとっても目立った存在だったと思います。情報を取ることに長けたエージェントで、強力なキルセットアップを持っていました。
そのため、そこにあるのとわかっていても撃てないトリップワイヤーなど、リスクの少ないアビリティを緩和したいと考えました。
セージは、ハイレベルなプレイヤー同士の戦いにおいて、パワーが少し弱く感じたので調整しました。スローオーブにダッシュ速度の低下を与えることでラッシュに対して強くなり、変更後は、セージ本来の強みを引き出せるエージェントになったと思います。
――オーメンのワンウェイスモークを調整したことについて、どのような考えがあったのでしょうか? 他のコントローラーとの大きな差別化ポイントだったと思います。
Dan:オーメンのアップデートについては、少し賛否両論があるかもしれません。
ワンウェイスモークは、他のコントローラーよりもオーメンを選ぶ圧倒的な理由になっていると感じていました。
オーメンはランク戦でそれほど優れていませんが、通常のプレイとプロフェッショナルなプレイの両方のバランスを考えたときに、ワンウェイスモークを調整するという決断に至りました。これがうまくいったかどうかは再評価する必要があると感じています。
まだ何かを約束することはできませんが、オーメンのファンタジーにもう少し沿った面白いプロトタイプのようなものをテストしています。楽しみにしていてください!
――センチネルとコントローラー以外に、フェニックスとネオンの調整も行われました。これらの調整にはどのような意図があったのでしょうか?
Nicholas:私たちはフェニックスのシンプルさが大好きで、それをあまり変えたくありませんでした。自信にあふれ、威勢がよく、大胆で、フェニックスのパーソナリティから感じられるような部分を洗練させたかったんです。
アビリティ自体は適切だと思ったので、もう少し簡単にエントリー出来るようにするための整理をしたんです。プレイフィールに関しても、ブレイズの操作を少し簡単にするなどの工夫を施しました。
Dan:ネオンは、アグレッシブなエントリーデュエリストとしての役割をより鮮明にしたいという考えがありました。彼女はエントリーデュエリストなのか?それとも、彼女はファイトが強いデュエリストなのか?と迷わないようにね。
パッチ8.11では、ネオンをエントリーデュエリストとしての強みを引き出すために、スライディングをしながら撃てるようにしたんです。しかし、開発陣でもネオンのパワーレベルが高すぎると判断したため、パッチ9.11ではアビリティに弱体化を加えました。
――2024年にはヴァイスとクローヴという2人の新エージェントもリリースしました。ヴァイスは他のセンチネルと比べてどうですか?
Dan:ヴァイスは、全体的にバランスが取れていると感じています。センチネルの調整より、ヴァイスがこの環境の中で優先的に選ばれるエージェントなのか、それとも他のエージェントが空いたスペースを取るのかはまだわからないところです。
クローヴは、みんなが楽しんでくれていて本当に嬉しく感じています。彼女はランク戦において最強のキャラクターの1人で、組織的なプレイとランク戦のギャップを少し感じているため、今年中に調整を考えています。
――サンセットの調整に加え、新マップ「アビス」が登場しました。本マップではプレイヤーが誤って、あるいは意図的に落ちるということも多くありましたが、このマップの狙いとなぜそのようなデザインになったのか、理由を教えてください。
Joey:パール、ロータス、サンセットなどのスタンダードなマップを開発している時期に、実はアビスの制作も行っていました。
アビスは、もう少しゲームの可能性を広げた実験的なものを作りたいという考えから制作したマップです。空間の境界を無くすことでユニークなスペースを作ることができ、エージェントが新しい形でアビリティを使うことができるマップになったと思います。
ジェットがマップを飛び出してブレード・ストームでキルを決めたり、オーメンがテレポートで空間を越えてスモークに入ったりと。さらに、ブリーチとレイズもマップ上から落とすことも出来ます。
そうやって、プレイヤーに慣れ親しんだアビリティを新しい方法で使用させることに成功したと思います。